(朝日新聞 2024/12/03)
韓国で文化行政などをつかさどる柳仁村(ユインチョン)・文化体育観光相が2日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。来年の日韓国交正常化60年に合わせ、文化面での日韓交流をより深めるため、歌手や俳優などの芸能活動に必要な査証(ビザ)を相互に緩和・免除することを日本側に提案する考えを示した。
日本でKポップアイドルらの公演が完売する一方、韓国では日韓の歌手が出演したテレビ番組「韓日歌王戦」やJポップ歌手の公演が人気を博し、日韓両国で互いの俳優らが出演するドラマも相次ぐ。
柳氏はこうした背景を踏まえ、「少なくともこうした市場にはビザは必要ない」と指摘。そのうえで「文化芸術、大衆文化の市場を確実に開放したい。日本とはそれが可能だ」と述べた。
日韓両政府は9月の首脳会談で、国交正常化60年を見据えて双方の入国手続きの円滑化を検討していくことで一致しており、交流促進を目指すこうした流れにも沿った提案となる。ただ、関係する当局が多い事案でもあり、実現するかどうかは不透明だ。
■コンテンツ分野 「韓日で基金を」
柳氏はまた、ゲームや漫画といった日韓がともに得意なコンテンツの分野で、両国が協力して基金をつくり、支援していくアイデアも示した。
日韓それぞれでは限界があっても、合わせれば規模を大きくできると指摘。例として、日本は家庭用ゲーム機、韓国はモバイルゲームにたけているとし、「日本と韓国が合わさって一つの市場がつくられれば、世界をつかめる」と述べた。
■「文化交流は政治的問題を超越」
一方で、日韓の間には歴史をめぐる問題も横たわる。先月には朝鮮半島出身者を含む「佐渡島(さど)の金山」の全労働者のための追悼行事に、日本側の追悼の辞の内容などが不十分だとして韓国側が参加しない事態も起きた。
柳氏は、尹錫悦(ユンソンニョル)政権がこの間、韓日関係の未来のために決断してきた、としたうえで、日本側に「韓国国民の情緒的なものを理解してほしい」と述べた。現地には朝鮮半島出身者を含む労働者の暮らしに関する展示があるが、「強制」との表現がないことから、韓国内では批判の声がある。柳氏は展示の内容についても、絶えず見直していく必要があるとした。
さらに、来年は日本の植民地支配からの解放80年でもあるとし、「両国関係は鋭敏だ。日本政府ももう少し幅広く、未来のために認めることは認めてほしい」と指摘。国交正常化60年の機会をとらえ、政府間でより積極的に協議をし、問題解決を図っていく必要があるとの認識を示した。
日韓関係には歴史問題をめぐって冷え込んだ時期がある。柳氏は、そうした時でも文化が果たしてきた役割は大きいとし、「文化交流は政治的な問題を超越して、時には緊張した関係の緩衝材の役割を果たすことができる」とした。
来年は、江戸時代に朝鮮王朝から日本に派遣され、200年以上にわたり両国の友好関係を支えた外交使節団「朝鮮通信使」に関する公演や展示など、日韓の国民が文化を通じて互いの友情を体感できるような行事をしていく予定だという。
柳氏は俳優出身で、李明博(イミョンバク)政権下の2008~11年にも文化体育観光相を務めた。(ソウル=貝瀬秋彦、太田成美)
韓国政府は民間が独自にやってることだとか言って放置するだろうから、日本人歌手はあっちでは限定された活動しかできないぞ。
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