(Record China 2024/11/29)
ユニクロなどを運営するファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長が、ユニクロでは中国・新疆ウイグル自治区産の綿・いわゆる「新疆綿」は使用していないと発言したことが、中国で大きな反響を呼んでいる。

英BBCの報道によると、今や日本を上回る数の店舗がある中国について、柳井氏は「消費者市場としてだけでなく、製造拠点としても大事なマーケット」との考えを示す一方、「環境・人権を念頭にサプライチェーンを改革しているのは、新疆綿が理由か」との質問に、「それは使っていません」と新疆綿の使用を否定したという。また、「これ以上言うと政治的になるから」と多くは語らなかったとのこと

この発言が中国でも伝えられると、中国のSNS・微博(ウェイボー)で「ユニクロ」がトレンド1位に急浮上

ネットユーザーからは
「ユニクロはコメントしてもらえますか?」
「ユニクロが脱新疆なら、中国人は脱ユニクロだ」
「今日からユニクロ買うのやめるわ」
「中国から出て行け」
「新疆綿を使ってない?どうりで品質が悪いと思った」
「中国人が着る服が、日本の2大ブランド、ユニクロと無印良品に独占されているのが悲しい」
「(新疆綿を使用しないと宣言して客離れが進んだ)H&Mと同じだな。まだ買う人もいるだろうが、俺は買わない」
など、怒りに任せたコメントが相次いだ。

また、
「ユニクロは10年前は良かったんだけどな。ベトナムにサプライチェーンを移してから質が下がって価格が上がってしまった」
「昔はコスパが良かったけど、今はずいぶん高くなって商品が価格に見合わなくなってきた」
など、以前と比較してそれほど魅力を感じなくなったという意見も。

一方で、
「ユニクロもそうだが、ナイキにアディダス。みんな新疆綿を使わないと宣言したが、中国人はこれらのブランドが大好き」
「いい物があれば買っちゃう。口では強気だが、体は正直」
「(企業は)使いたい物を使えばいいと思う。企業家が考えるのは利益。われわれはもう数年前のように外資系企業に道徳を振りかざすのはやめよう。意味はない。最終的に彼らがみんな出ていってしまっては、中国に良いことは何もない」
などのコメントも寄せられている。(翻訳・編集/北田)


(朝日新聞 2024/11/29)

 ユニクロを運営する衣料品大手ファーストリテイリングの柳井正社長兼会長は、中国の新疆ウイグル自治区で生産された新疆綿について、ユニクロでは「使っていない」と英BBCの取材に明言した。これを受け、中国のSNS上では「今後、ユニクロでは何も買わない」といった反発が広がっている

 BBCが柳井氏の発言を28日に報じた。新疆綿をめぐっては、綿花生産での少数民族の強制労働や人権侵害を理由に米政府が輸入を禁止している。ユニクロのシャツも2021年に新疆綿を使っている可能性が疑われ、米国から輸入を差し止められたことがある

 新疆綿の使用について柳井氏はこれまで「政治問題なのでノーコメント」としてきた。使っていないと明言したのは今回が初めてだ

 柳井氏の発言に、中国のSNS上では「中国から出て行け」といった反発の声や、「ユニクロをボイコットしよう」といった不買の呼びかけが広がっている。

 中国外務省の報道官は29日の会見で「新疆ウイグル自治区の綿花は世界で最もいい綿花の一つだ」としたうえで、「関係企業が政治的圧力や干渉を排除し、自らの利益に見合った独立した経営判断をすることを望む」と述べた。