(聯合ニュース 2024/11/14)
 韓国大法院(最高裁)は14日、旧日本軍の慰安婦被害者を支援する市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」への寄付金を横領した罪などに問われた同団体前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)前国会議員(59)について懲役1年6カ月、執行猶予3年とした二審判決を支持した。これにより、尹被告の有罪が確定した。

 尹被告は2011~20年、慰安婦被害者のための寄付金を私的に流用したほか、ソウル市の補助金を不正に受け取ったり、管轄官庁に登録せずに団体や個人の口座への寄付を募ったりした罪で20年9月に在宅起訴された。

 一審はこのうち一部の横領のみを有罪とし、罰金1500万ウォン(約166万円)の支払いを命じた。

 一方、二審は横領した金額や有罪と認める範囲を大幅に拡大。懲役1年6カ月、執行猶予3年へと量刑を引き上げた

 検察と尹被告は判決を不服としてそれぞれ上告したが、大法院は二審の判断に誤りはないとしていずれも棄却した。



慰安婦被害者への後援金を横領した容疑などで起訴されたユン・ミヒャン元議員の有罪判決が確定したなかで、彼女が前理事長を務めていた慰安婦支援団体「正義記憶連帯」が立場を伝えた。

韓国挺身隊問題対策協議会の後継団体である正義記憶連帯(正義連)は、国庫補助金の返還などの措置を即座に実行すると表明した。

正義連は11月14日、声明を通じて「正義連は最高裁の判断を重く受け止める」とし、「判決に基づく責任履行として、女性家族部の国庫補助金返還などを速やかに実行する」と明らかにした

ただし正義連は、裁判所の判決について「実質的な真実に至らなかった部分に遺憾の意を表明する」と述べ、最後まで残念さをにじませた

正義連は「裁判所が問題視した女性家族部の国庫補助金は、日本軍慰安婦被害者保護法に定められた被害者支援事業の費用」とし、「当時、事業を担当していた挺対協は人件費を正当に支給したのはもちろん、所管部署である女性家族部が要求した内容以上に誠実に事業を遂行し、全過程において団体や個人の不当な私益を追求しなかった。これは1審裁判部が無罪と判断した根拠だ」と指摘した。

さらに正義連は「しかし2審裁判部は、事業遂行の本質や内容を綿密に調査するよりも、検察の無理な起訴意見をそのまま受け入れ、それが最高裁で確定した」と主張した。

正義連は「これで過去4年半に及ぶ重い束縛から解放され、今後はより透明で厳格に組織の充実を図り、日本軍性奴隷制問題の解決に向けた活動に専念していくことを誓う」と述べ、「正義連を信じ、歴史的正義の道を共に歩んでくださる国民および世界の市民の皆様に、深い敬意と感謝の気持ちを伝える」と付け加えた。

同日、最高裁2部(キム・サンファン大法官)は、ユン元議員が後援金7958万ウォン(約883万円)を横領し、慰安婦被害者キム・ボクドン氏の弔慰金名目で1億2967万ウォン(約1439万円)を個人口座で募って、他の用途に使用した容疑について有罪とした原審を確定した

また、人件費を虚偽に計上し、女性家族部から国庫補助金6520万ウォン(約723万円)を詐取した容疑も有罪となった

これにより、ユン元議員の懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決が確定した。

正義連の声明発表を受け、韓国のオンライン上では
「被害者のおばあさんたちのお金を奪って…。社会の悪、国家の悪だ」
「市民団体は徹底的に調べ上げるべきだ」
「罪を犯しておいて悔しいだと?被害者がどれだけ悔しいか」
「実質的な真実に至らなかった?何を言っているんだ」
「最後まで自分たちの過ちを見ず、人のせい」
といった批判的な声が続いている。