(朝鮮日報 2024/11/14)
 忘れたいと思っていた「初戦の悪夢」の再来になってしまった。

 13日に開幕した「2024 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12」のB組オープニングラウンド(1次ラウンド)。韓国は台北ドームでホームチームの台湾に3-6で敗れた。同組の日本は自国のバンテリンドーム(名古屋)でオーストラリアに9-3で勝った。ドミニカ共和国は台北・天母球場でキューバに6-1と逆転勝ちした。組1位と2位は21日から日本で行われるスーパーラウンド(ベスト4)に進む。

 1敗を抱えた韓国がスーパーリーグに進出するには、残り4試合で少なくとも3勝が必要になる見通しだ。台湾戦の敗北は、これまでの国際大会で最初のボタンを掛け違えて1次ラウンド敗退を繰り返してきたジンクスを思い起こさせる。韓国は2013年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦でオランダに0-5、2017年にはイスラエルに1-2、昨年はオーストラリアに7-8で負け、決選進出に失敗した。さらにさかのぼると「札幌惨事」もあった。韓国は2003年に札幌で行われたアジア野球選手権第1戦で台湾に4-5で逆転負けし、その後日本にも負けて2004年アテネ五輪出場権を逃した。

 柳仲逸(リュ・ジュンイル)韓国代表監督は今大会に先立ち、「韓国が国際大会で不振だった時は、初戦を逃していたケースが多かった」と述べ、台湾に必ず勝つという意気込みを口にしていた。昨年の中国・杭州アジア大会決勝で台湾を破って金メダルを取った勢いを止めたくないと考えていたのだ。

 ところが、韓国は序盤に迎えたたった一度の危機で崩れた。先発投手の高永表(コ・ヨンピョ)が2回裏、本塁打2本を含め5安打と四球を許し、6失点した。サイドスローの高永表の主な武器は打者の手前で落ちるチェンジアップだ。だが、この日は真ん中に球が集中して台湾の打者に攻略された。高永表は2安打と四球を許して自ら二死満塁という状況を招いた後、1番打者の陳晨威にホームランを打たれた。台北ドームのライトフェンスを越えるグランドスラムだった。高永表は続いて、2番打者の林立に二塁打を許し、3番の陳傑憲に再び右越え2ランを打たれた。3回からマウンドに立った崔智旻(チェ・ジミン)ら韓国の中継ぎ投手5人は8回まで失点がなかった。高永表の6失点が痛かった。

韓国打線は4回表に2点を取り返した。一死二塁で3番打者の金倒永(キム・ドヨン)が台湾の先発投手・林昱珉を攻略し、左フェンスをワンバウンドで越える二塁打で初打点を挙げた。朴東原(パク・トンウォン)は続く二死三塁の場面でタイムリーを打ち、もう1点奪った。7回には一死後、代打の羅承燁(ナ・スンヨプ)がソロホームランを放った。右フェンスの上部に当たって跳ね返ったような打球だったが、審判陣がビデオ判定の末、ホームランを宣言した。韓国は1本塁打を含めて3安打と3四死球にとどまった。先の強化試合などで打撃好調とみられていた尹棟熙(ユン・ドンヒ)は初めて4番打者に起用されたが、4打数無安打(1三振)に終わった。

 韓国は14日、キューバとの第2戦(午後7時・天母球場)に臨む。互いに1敗ということで譲れない一戦だ。キューバはエースのリバン・モイネロを先発させる。モイネロは2017年に日本プロ野球のソフトバンクホークスに育成選手として入団した後、リーグトップクラスの投手に成長した。中継ぎ投手から先発投手に転向した今年は公式戦11勝5敗と活躍した。防御率はパ・リーグ1位(1.88)だった。左腕ながら時速155キロメートルを超える剛速球を投げる。スライダー、チェンジアップ、カーブの球威も素晴らしい。163イニング投げて155奪三振を記録した。今年の年俸は3億円で、来年からは4年間で40億円を受け取る。今年の日本シリーズ1勝を含め、ポストシーズンでも2勝を挙げた。昨年のWBCではリリーフ投手として4試合に出場し、4と3分の1イニングを無失点に抑えて活躍し、キューバが4位になるのに貢献した。

 韓国は2011年以降、キューバとの国際試合で6勝5敗とリードしている。プレミア12では第1回大会だった2015年の準々決勝(7-2)と2019年のC組1次ラウンド(7-0)でキューバに勝っている。2019年にC組最下位に終わったキューバは、今大会では初入賞を狙っている。韓国の先発投手は郭彬(クァク・ピン)=斗山ベアーズ=の予定だ。成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者