中国艦隊10隻 沖縄沖南下、潜水艦は浮上航行
(読売新聞 2010/04/12)  


  北沢防衛相は13日午前の閣議後の記者会見で、中国の潜水艦2隻を含む計10隻の艦隊が今月10日、沖縄本島と宮古島の間の公海上を南下したことを明らかにした。潜水艦は浮上して航行したという。


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 同海域で潜水艦を含む10隻規模の中国艦隊の活動が確認されるのは初めて。太平洋での演習に向かうとみられ、海上自衛隊が監視を続けている。

 防衛相は「公海であることは間違いないが、今までなかった事態でもある。詳細な分析をして、わが国に対する意図があるのかないのかも含めて、よく調べて対応を検討したい」と述べた。外務省幹部は13日午前、中国側に事実関係を問い合わせていることを明らかにした。

 自衛隊統合幕僚監部によると、艦隊は今月7日頃、東シナ海で訓練を行った後、海自護衛艦が監視する中、10日午後8時頃、沖縄本島西南西約140キロの公海上を航行した。内訳は、キロ級潜水艦2隻、ミサイル駆逐艦2隻、フリゲート艦3隻など計10隻。13日現在、太平洋上を沖ノ鳥島方面に向けて南下中という。




沖ノ鳥島と中国海軍の活動
(サーチナ 2010/04/13)  

 東京から南へおよそ1,700キロの太平洋上に、日本の領土で最南端となる沖ノ鳥島が存在している。日本はこの沖ノ鳥島を基点に200海里の排他的経済水域(EEZ)を規定しており、その面積はおよそ40万平方キロになる。日本はこのEEZにおける漁業資源や鉱物資源などに主権的権利を有しているが、最近、中国はこれに反対する姿勢を強調している。

 今年1月、中国外交部の馬朝旭報道官は記者会見で、「沖ノ鳥礁」は満潮時に10平方メートル足らずが水面に露出する「岩礁」に過ぎず、国連海洋法条約でEEZの基点として認められる「島」ではないと主張し、「日本が沖ノ鳥礁を基点として広範囲の管轄海域を主張することは、国際法に合致しておらず、国際社会の全体的な利益を著しく損なうものだ」と非難した。

 中国が沖ノ鳥島を基点とした日本のEEZに異議を唱え始めた背景には、経済の発展に伴う天然資源に対する需要の拡大や、近年の魚食ブームの高まりなどがあると思われるが、軍事面、とりわけ中国海軍の活動範囲の拡大とも密接な関係があるだろう。

 昨年3月、海南島の南方およそ120キロの地点において、米海軍の音響測定艦「インペッカブル」が5隻の中国船によって航行を妨害される事件が発生した。インペッカブルは、近年増強が著しい中国の潜水艦の海南島近海における活動に関する情報収集を行っていたと思われるが、これに対して中国船は異常接近や艦前方への木材投棄などの危険な妨害活動を繰り返した。

 米国側は中国船による行為を公海における航行の自由を脅かすものとして非難した

 これに対して中国側は、中国政府による許可を受けない外国軍艦船のEEZにおける活動は、国連海洋法条約および中国の国内法に照らして違法であると反論した。米国は領海ではないEEZは公海であり、そこでの海軍艦艇の行動は規制されないとの立場をとっている。米中どちらの主張が正当であるかについては国際法の解釈をめぐって議論があるが、重要な点は、中国が自国のEEZにおける外国海軍艦艇の航行を制限する意図を持ち、その実現に向けて実力を行使し始めたことである。

 ところがEEZにおける外国海軍艦艇の航行を制限しうるとの立場を主張する限り、中国も他国のEEZにおける自国艦艇の行動に対する制限を受け入れざるを得ない。すなわち、仮に日本政府が沖ノ鳥島を基点とした広大なEEZにおける中国海軍艦艇の行動に対して制限を加えた場合、中国側はこれに異議を唱えるわけにはいかないのである。

 中国は2005年6月を境として、それまで公式報道で使用してきた「沖ノ鳥島」にかわり、「沖ノ鳥礁」を使うようになり、それ以降、沖ノ鳥島を基点とした日本のEEZを認めない立場をことあるごとに強調している。またこの時期あたりから、沖ノ鳥島近海における中国の海洋調査船や海軍艦艇の活動が活発化している。中国海軍は近年急速に遠海での運用能力を向上させているが、その主たる進出海域の1つとして沖ノ鳥島周辺が想定されていることは間違いなさそうである。(執筆者:飯田将史 防衛省防衛研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)




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日本財団 世界の排他的経済水域面積比較表 より


沖の鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)で演習が行なわれても、「公海であることは間違いないので抗議の必要があるとは思っていません」とか言うんでしょうね。


日本には「大陸棚論」、ベトナムには「中間線論」を主張するアル!
沖ノ鳥島は「島」ではなく「岩」なので大陸棚の設定は認めないアル! ニダ!






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