「無償化手続き停止は理不尽」 朝鮮学校関係者が緊急声明発表
(朝鮮新報 2010/11/25) 



衆議院第1議員会館で記者会見

 25日午後、朝鮮学校関係者による記者会見が日朝学術交流協会の主催によって、衆議院第1議員会館で開かれた。会見では、全国朝鮮高級学校校長会、朝鮮学校全国オモニ会連絡会、全国朝鮮高級学校学生連絡会、全国の朝鮮学校理事長連名の「緊急声明」が発表された。

 声明は、「無償化手続き停止」は理不尽極まりないとしながら、日本政府が一日も早く朝鮮学校に「無償化」制度を適用することを求めた。全文は次のとおり。


 報道によると、11月24日の閣議後の会見で仙谷由人官房長官は、朝鮮学校の高校授業料無償化について「朝鮮半島が緊張してくる中で現時点では手続きを停止することが望ましい」と言明し、高木義明文部科学大臣も朝鮮半島の緊迫情勢と関連し「朝鮮学校の授業料無償化制度適用についての影響は極めて大きい」としながら「重大な決断をしなければならないかもしれない」と発言したとされています。また、菅直人総理は、みずから文部科学大臣に、「プロセスを停止してほしい」と指示を出したことを明らかにしました。

 私たちは、このような菅総理の指示と仙谷官房長官や高木文科大臣の発言に驚きを禁じえません。

 そもそも「高校無償化」制度の趣旨は、「すべての者に対して教育の機会が与えられるものとする」国際人権規約A規約の理念にもとづき、「すべての意志ある高校生などが安心して勉学に打ち込める社会をつくるために、家庭の教育費負担を軽減すること」にあったはずです。

 また、「外交上の配慮などにより判断するべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」というのが、朝鮮学校生徒への高校無償化制度適用についての審議過程における政府の統一見解であったはずです。

 高木文科大臣自身もこれまで一貫して「政治と教育の問題を混同してはならない」との態度を取ってきましたし、11月5日にみずから発表した談話では「就学支援金は学校に支給されるものではなく、生徒個人個人に対して支給される」としながら、「国籍を問わず、わが国において後期中等教育段階の学びに励んでいる生徒を等しく支援する」ためのものであることを明確にしました。

 私たちは、このような「高校無償化」制度の趣旨や政府の統一見解、文科大臣の公式発言に照らしてみて、なぜ、いまになって、総理と官房長官、文科大臣がみずからをも否定する矛盾に満ちた指示や発言をするのか、到底理解することが出来ません。

 今まで再三にわたり明らかにされてきたように、朝鮮高級学校に通う生徒たちは、朝鮮籍と韓国籍、日本籍をもつ在日の子弟たちであり、彼らは日本に永住しながら民族的素養と誇りをもって日本の地域社会に貢献し国際社会でも活躍できるよう勉学に励んでいます。このような生徒たちとその都度起こりうる朝鮮半島の事態はまったく関係がありません。

 にもかかわらず、今回の朝鮮半島における緊迫情勢を結びつけて、朝鮮高級学校生徒に対する無償化の「手続きを停止」するということは、理不尽極まりないと言わざるを得ません。

 ふりかえれば、私たちは、朝鮮高級学校の無償化問題が提起され始めた二月下旬以来、日本学校や他の外国人学校に通う生徒たちと同様に朝鮮学校生徒たちにも等しく適用することを、日本政府に強く求めてきました。

 その間、多くの与野党の国会議員や全国各地の地方議員の方々、日弁連と地方弁護士会や大学教員をはじめとする教育関係者や詩人などの文化人、報道各社、各界各層の社会団体や市民団体など、多くの日本の人々が支援を寄せてくださいました。

 また、今年開かれた国連人種差別撤廃委員会と子どもの権利条約委員会の日本に対する審査会合では、この問題が取り上げられ複数の委員から憂慮が表明されたうえ、公式的な懸念や勧告も出されました。

 文部科学省関係者の方々も、いく度となく各朝鮮高級学校を訪問し、教育の現状と生徒たちの構成や実態を詳しく把握してきました。

 にもかかわらず、今年の4月に「高校無償化」制度が実施されてから8ヶ月が過ぎようとしている今日に至っても、朝鮮学校生徒だけがその適用を何度も先送りされ、対象から除外れたままになるという深刻な民族差別が続いています。このような事態に私たちの心がどれほど傷ついてきたか分かりません。

 これ以上、私たちの心を傷つけないでください。私たちは、もうこれ以上待てません。

 私たちは一日も早く、日本政府が11月5日に高木文部科学大臣が発表した談話と文部科学省が決定した「外国人学校の指定に関する基準や手続等を定めた規程」にしたがって、朝鮮高級学校生徒に無償化制度を適用することを切に願います。




砲撃が起きる寸前までは、朝鮮総連の指示のもと、とりあえず強気でいく方針を固めていたのにね。


総連側「条件断固拒否 徹底抗議へ」 朝鮮学校側からは異論噴出
(産経新聞 2010/11/25)

 朝鮮学校無償化問題で、文部科学省が求めている教科書内容の改定などを拒否する姿勢を示していた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が、朝鮮学校校長らを集めた23日の会議で、「条件が付けば、申請を取り下げる」と表明したことが24日、分かった。複数の朝鮮総連関係者が明らかにした。北朝鮮による韓国・延坪(ヨンピョン)島への砲撃で、政府はすでに無償化手続きを停止する方針を固めているが、朝鮮総連側への世論の反発は一層強まりそうだ。

 朝鮮学校の無償化をめぐっては、文科省が、支給する就学支援金を生徒の授業料にあてていることを証明する書類の提出を条件に加え、「留意事項」として、教科書などの教育内容に懸念があれば自主的改善を促すとしていた。

 朝鮮総連関係者らによると、23日の会議では、朝鮮総連側から「条件を断固拒否し、無償化が通らなければ、徹底抗議する」との北朝鮮本国の指示が報告され、「各校が無償化申請をしても厳しい条件が付けば、取り下げる」との方針が打ち出された

これに対し、学校側や子供を朝鮮学校に通わせている参加者からは「教科書内容を変えてでも無償化を申請できないのか」といった異論が噴出したという。

 関係者によると、朝鮮総連の会議では通常、本国の指示を承認するだけで、異論が出ることは極めて異例だ。

 教科書を改訂して正当性を損なうことを嫌う北朝鮮の意向を受けた朝鮮総連指導部と、何としても無償化獲得に固執する学校サイドとの亀裂が浮き彫りになった。

 会議を取り仕切っていた南昇祐(ナムスンウ)副議長は「ただならぬ空気」(参加者)を察知し、別の議題に切り替えた。

 延坪島砲撃の一報が伝わってきて、「朝鮮学校生徒への嫌がらせにつながるかもしれない」という話になり、無償化問題は結果的に、朝鮮総連側の方針を了承する形で閉会したという

 文科省によると、10校の朝鮮学校のうち、6校からすでに関係書類の提出があり、申請を念頭に置いていた学校もあったが、政府は審査の一時停止の方針を固めている。




お金のために、こんな↓ことまで言い出しました...


朝鮮学校、無償化停止に「理不尽極まりない」
(読売新聞 2010/11/25)


 北朝鮮による砲撃で、文部科学省が朝鮮学校の高校無償化への適用手続きの一時停止を表明したことについて、全国朝鮮高級学校校長会の慎吉雄(シン ギルン)会長ら8人が25日、国会内で記者会見し、「朝鮮半島の事態と生徒は関係なく、理不尽極まりない」と語った。

 慎会長は、全国10校の朝鮮学校すべてが無償化の適用を申請する方針であることを明らかにし、同省が適用後に教育内容の改善を求める考えを示している点について、「誤解を与える教科書の記述は理解が得られるものに改める」とした。

 ただ、高木文科相が日本の政治経済の教科書を使用することなども選択肢に示している点について、慎会長は個人的見解とした上で、「日本の教科書を使う考えはない」と明言した。

 

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【追記】

学校側、今月中に適用申請へ 拉致記述改善など明言避ける
(産経新聞 2010/11/25)

 朝鮮学校への高校授業料無償化手続きが停止されたことを受け、全国朝鮮高級学校校長会の愼(シン)吉雄(ギルン)会長ら幹部や保護者、生徒の代表ら朝鮮学校側が24日、東京・永田町で記者会見した。無償化の即時適用を求める緊急声明を出し、今月中に全10校が適用申請する方針を示した。

 北朝鮮影響下の教育などの改善を求める文部科学大臣談話について、学校側は「真摯(しんし)に受け止める」としたが、拉致問題を歪曲(わいきょく)した教科書記述の改訂などについては、明言を避けた。

 学校側は教育内容について「適用された後に、理解を得られるようにしたい」とし、適用決定を先にすべきという見解を示した。教科書記述は「約10年周期で変えている。日本の状況を受けて変わるはず」としたが、「こういう記述にするということは明言できない」とした。

 緊急声明では「朝鮮学校生徒だけが適用を何度も先送りされるという深刻な民族差別が続いている」と訴えた。

 学校側は産経新聞社だけに対して、「案内を出していない。(会場に)入れたくない」と入場を拒否。

 衆院第1議員会館内の記者会見場の使用申請した社民党の阿部知子議員は「私は主催者ではない。ただオープンにすべきだと思う」と釈明
した。

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いくら「北朝鮮と朝鮮学校に通う子供は関係ないニダ」と言っても、朝鮮総連との決別宣言でもしない限り、大多数の人は聞く耳を持たないですよ。


ウソも方便ニダ♪

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朝鮮学校よりも専門家会議のメンバーのほうが、「民主党に裏切られた」と思っていたりして...






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