中国人死亡「発砲は合理的」と巡査長に無罪判決
(読売新聞 2011/02/10)
栃木県西方町で2006年、石灯籠の宝珠(ほうしゅ)を振り上げた中国人男性(当時38歳)に拳銃を発砲して死亡させたとして、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた同県警の巡査長平田学被告(35)の付審判の判決が10日、宇都宮地裁であった。
佐藤正信裁判長は「(男性の行動は)被告の生命・身体を大きく侵害しうる悪質なもの。発砲は社会通念に照らして合理的だった」として正当防衛を認定し、無罪(求刑・懲役4年)を言い渡した。
平田被告の発砲行為が警察官職務執行法の定める正当な職務行為にあたるかが争点で、判決は「武器を使わず男性の攻撃を回避するには、時間的余裕はほとんどなかった」として正当な行為と認定。「警棒でも対応できた」とする検察官役弁護士側の主張には「現実的なものとはいいがたい」と退けた。
判決によると、当時巡査だった平田被告は、06年6月23日夕、同町の路上で、中国人男性を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕しようとした際、男性が宝珠(重さ約3キロ)を振り上げ抵抗したため、拳銃を発砲、男性の左腹部に命中させ死亡させた。
当時の記事↓。
職務質問の2人に襲われ警官発砲、中国人風の男が死亡 (読売新聞 2006/06/23)リンク切れ 23日午後5時5分ごろ、栃木県西方町真名子の民家前の路上で、 県警鹿沼署真名子駐在所の男性巡査(30)が、石灯籠(いしどうろう)の頭部(直径約20センチ)を持った中国人とみられる男に襲いかかられ、拳銃1発を発砲した。 弾は男の左下腹部に命中し、男は約1時間15分後に搬送先の病院で死亡した。同署で身元の確認を急いでいる。 調べによると、巡査は午後4時40分ごろ、死亡した男と別の男の計2人が、近くにある農協の現金自動預け払い機周辺で不審な行動をしているのを見つけ、職務質問しようとした。 男が巡査の腰に体当たりして左手で拳銃を奪おうとしたうえ、民家の庭先から石灯籠を持ち出してきたため、警告の上で発砲したという。 もう1人の男は逃走したが、午後9時15分に入管難民法違反(不法残留)の現行犯で逮捕された。福島県在住の中国籍の男(37)とみられる。 佐藤忠志・県警警務部長は「(巡査は)身の危険を感じて発砲した。正当防衛とみられるが、なお詳細は調査中」とするコメントを発表した。県警は「背後に犯罪組織が存在する可能性があり、報復される恐れもある」として、発砲した巡査の氏名は公表していない。 |
職務質問の警官を襲い、警官に発砲され死亡したのは、不法滞在の中国人と判明 |
発砲、正当防衛認める 付審判 巡査長無罪
(読売新聞 2011/02/11)
宇都宮地裁で10日に行われた付審判で、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた県警巡査長の平田学被告(35)の発砲行為は正当防衛が成立するとして、無罪が言い渡された。一度は不起訴処分になったが、裁判所による起訴とも言える付審判決定を受けた審理を経て、拳銃使用は正当だったと改めて司法の判断が示された。
付審判では、拳銃の使用が正当防衛にあたるかが最大の争点だった。昨年10月の初公判以来、計4回にわたる審理では、平田被告の弁護側と検察官役弁護士の主張は真っ向から対立していたが、判決では検察官役弁護士の主張はほぼ退けられた。
平田被告の主任弁護人を務めた平野浩視弁護士は、記者会見で「当然の判決。一生懸命職務を行った被告の行為が正当に評価されて良かった」と述べた。また、判決で警察官の拳銃使用の指針が示されるか注目されていたが、谷田容一弁護士は「既存の使用基準に当てはめた判断で、真新しい判断が示された訳ではない」とした。
一方、検察官役弁護士を務めた太田うるおう弁護士は「主張がことごとく否定された。極めて残念。全体を目撃した人がいない中、被告の証言を弾劾するしかない困難な事件だった」と振り返った。事件の発生から時間が経過したことに加え、「警察や検察の捜査、民事裁判での県側の調査などの後、最後の段階で捜査せざるを得ず、新たな目撃者を捜すなどの余裕はなかった」と証拠集めの難しさを指摘した。「今後どのような事実証明ができるかを考えて、控訴するかどうかを検討したい」としている。
民事裁判でも弁護人を務める被害者側の弁護士は「一方的な認定ばかりで、不合理な説明だった。警察権力におもねった判決だ」と批判した。遺族が県を相手取り、損害賠償を求めている民事裁判の判決は、4月28日に東京高裁で言い渡される予定。
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付審判開始理由の説明を
不起訴処分から2年半がたち、平田巡査長の発砲行為に違法性がないことが再度確認された。
今回の付審判では、被告側に有利な証拠が相次いだ。初公判では目撃者が「警察官は激しく攻撃されていて、やられてしまうと思った」「銃口は下を向いていた」などと証言。第2回公判に出廷した目撃者も「(男性は)石を両手で投げつけるかと思った」と話した。
一方、検察官役弁護士側からは目撃証言を覆すほどの証拠は出ず、会見では証拠収集の苦労を明かした。選任時点で事件から約3年が経過している上、地検が不起訴と判断した証拠をもとに、犯罪事実を証明し、主張しなければならないという苦労がにじんでいた。
そもそもなぜ地裁が付審判の開始決定をしたのか疑問が生じる。今までに全国の地裁に請求された1万8000件以上の請求のうち、開始決定がされたのはたった21件しかない。どのような観点で、裁判官が裁判を行う必要があると判断したのか。裁判所は明確な理由を示していない。裁判所が「起訴」を行う例外的な「付審判」という制度だからこそ、何らかの方法で明らかにする仕組みが必要なのではないか。
>遺族が県を相手取り、損害賠償を求めている民事裁判の判決は、4月28日に東京高裁で言い渡される予定。
民事裁判の地裁判決↓
巡査発砲に正当性 (読売新聞 2009/04/24) 西方町で2006年、鹿沼署の男性巡査が職務質問に抵抗した中国人男性(当時38歳)に発砲、死亡させたのは「過剰な防衛行為だった」として遺族が県を相手取り、約5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、宇都宮地裁であった。 今泉秀和裁判長は「発砲を必要とする相当な理由があった」として、原告側の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。 判決によると、巡査は06年6月23日、同町の路上で男性に職務質問しようとしたが抵抗され、男性が石灯ろうを巡査の頭に振り下ろそうとしたため、男性の太ももをめがけて発砲した。弾は急接近した男性の腹に命中し、男性は死亡した。 今泉裁判長は「自己の防護、男性の逮捕には拳銃の使用は必要。方法も合理的に必要と判断される」と、発砲の正当性を認めた。 判決後、原告側は記者会見し、鬼束忠則弁護士は「確たる目撃情報がない中、判決は巡査の話を前提にしており、重大な事実誤認がある」と怒りをあらわにした。 男性の妻(39)は「夫が攻撃したから殺されたと聞いたが、夫はそんな人じゃない。正しいことを明らかにしてほしい」と話した。 一方、県警の滝沢依子警務部長は「判決は、拳銃の使用は適法な職務執行だという主張が認められたものだ」とのコメントを発表した。 |
中国でも報じられたようです。
反日コメント削除か…中国人に発砲した県警巡査長に無罪判決
(サーチナ 2011/02/10)
宇都宮地裁は10日、2006年6月23日に、栃木県西方町で職務質問中に抵抗した中国人男性に拳銃を発砲し死亡させたとして特別公務員暴行陵虐致死罪に問われていた県警巡査長の平田学被告に、無罪(求刑懲役4年)を言いわたした。日本を非難する書き込みが殺到した中国のニュースサイト「環球網」では10日午後6時半ごろ(日本時間)、すべてのコメントが消えた。サイト側が削除した可能性がある。
死亡した中国人男性は当時36歳。平田被告が路上で公務執行妨害の現行犯で逮捕しようとしたところ、竹棒や石灯籠の一部を持ち抵抗したため、平田被告は拳銃1発を発射した。弾丸は腹部に命中し、男性は死亡した。
同件を伝えた中国メディアの環球網の記事には、日本を非難する声が集まり始めた。
最初は、「日本では中国人を殺しても無罪」、「日本は戦争でどれほど中国人を殺したと思っているのだ」などの意見と「日本に行く方が悪い」とのコメントが集まった。
午後6時ごろからは、「中国には日本人がたくさんいる。かたきを討つチャンスは多い」などの主張が集まりはじめた。
午後6時半ごろになり、すべてのコメントが消えた。
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◆解説◆
環球網の記事内容は日本の報道と同様で、中国人男性が抵抗したため、平田被告が最後に発砲したことや、「中国人男性がつめより、灯籠の石で殴ろうとした。生命の危険を感じたからこそ発砲した」などした被告側主張も紹介した。(編集担当:如月隼人)
ちなみに、↓の高壮日(高橋壮日)とは別件ですが、同じく、刑事で“不起訴→ 付審判請求→ 付審判決定(2010/04/15)”+民事で“損賠請求(約1億7千万円)→ 地裁棄却(2010/01)→ 控訴” です...
2010年04月15日
息子を射殺したのに不起訴になった警官を裁判所が審判に付す決定をしたアル!
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これで控訴するバカな人件派の弁護士は職務とは言え、社会悪だな。
犯罪者発生率が異常に高い中国人には、特別に厳罰を持って臨むことが、犯罪抑止に繋がると思う。