朝鮮中央会館落札の景福寺 恵観法主インタビュー
(統一日報 2013/04/03)



「会館は慰霊の施設にしたい」 総連には「原則として出ていってもらう」と強調

朝鮮中央会館の落札者となった宗教法人最福寺の池口恵観法主に、3月27日と29日、インタビューを行った。池口法主は、27日には「金融機関から借りるつもりはない」と話していた内容を29日には「融資を受ける」と一転させるなど、今後の対応には慎重になっているように見えた。

29日に行われた記者団とのやり取りをベースに、27日に本紙と単独で行ったインタビュー内容を加えて紹介する


「売却許可決定」が下りたことへの感想を。

「私たちが出した資料をよく見て審査していただき、許可をいただけたことを非常にうれしく思います」

取得費用についてはどうするつもりか

「金融機関と話がついています。裁判所に提出した書類にも書きました。金融機関の具体的な名前は明らかにできませんが、誰が聞いてもわかる銀行です。取得費用はすべて借り入れで賄うつもりです。江の島大師と中央会館を担保に借ります」

45億円という入札額はどのように決めたのか。

「専門家の方に聞いたところ鑑定額が42億円ということでした。そこに20%上乗せしてはどうかといわれましたが、そうなると50億円を超えてしまうので、そこまではムリでした」

寺の資産を担保にする場合は1カ月前に信徒や関係者の許可が必要なはずだが。

「すべて私に任されていますが、信徒の方には口頭で説明をしてあります」

銀行との交渉は誰が。

「信徒の中の詳しい方です」

補償金の約5億円については。

「それは私どもが用意しました」

購入目的を改めて聞かせてほしい

民族の融和の拠点として、また英霊の慰霊の場として私に管理させていただければと思っています。総連を支えるというつもりは一切ありません

会館を総連に貸し出すつもりは

基本的には出ていってもらうことになります。日本政府が制裁を加えていることもあるので、勝手に貸すことはできません。あくまでも日本政府の許可が下りれば、次の移転先が決まるまで貸しても構わないということです。総連に貸すことが前提という風に報じられて困っています。私は日本人ですから、日本の人が幸せになるよう、日本国が安泰であるよう常に願っています。日本を置いて他国を優先することなどありません」

出ていってほしいというのは総連に伝えたか

まだ伝えていません。急には難しいということを言われても、国の判断で出ていってもらえということになれば出ていっていただきますし、猶予を与えてもいいということなら少し待つと思います

日本政府とは具体的にどこの誰か。

「私にはよくわかりませんが、担当の方がいらっしゃるでしょうから、誰と相談するかも含めていろいろとお知恵を拝借して許可を得たいと思います」

小泉元首相や安倍首相らと親交があるようだが

今はありません。健康に、うまく政治をやってくれるように祈ることはありますが。安倍首相に許可を得るという考えもありません

総連に貸すとしたら有償か。

「当然そうなります」

会館の利用目的は

建物は取り壊さず、そのままにして祈りの場として残したいと思います。寺としては十分使えますから。会館がある富士見という土地は靖国神社のすぐ隣にあります。あの一帯は聖地で、慰霊をするにはいい場所です。私は鹿児島の育ちで、ご存じのとおり鹿児島には特攻隊の飛行場がありました。幼いころから出撃する兵隊さんが寺に来て『兄さんは靖国にいるから会いにきてくれよ』といわれていました。今も毎月東京に出てきますが、必ず1日は靖国神社に行きます。靖国神社は日本の根のようなところです。私は戦場になった場所を訪問して慰霊を続けていますが、戦争で亡くなった方の魂を鏡に移して、靖国神社の近くにお連れしたいと考えています。それ以外の方の位牌を置くことも考えています」

地上10階・地下2階だが、会館すべてを慰霊施設として活用できるのか。

「すべてを有効に使う予定です」

北の楊亨燮・最高人民会議常任委員会副委員長に入札を頼まれたようだが

「私は今まで5回訪朝していますが、2回目か3回目の訪朝時に楊副委員長から『会館は大使館だと思っている。日本も日本人も好きだが、事実上の大使館がなくなれば日本との関係が悪くなる。いい形になるように願っている。努力してもらえないか』と要請されました。『買ってくれ』とは言われませんでした

総連の方との協議は

一切ありません

入札時期は。

「締切(3月19日)の直前でした」

落札したことに対する感謝のメッセージなどは受け取っていないか。

「北朝鮮の方からも総連の方からもありません。私の知人に京都の方から『よかった』と連絡が入っているのは聞いていますが」

26日の会見では総連に貸すことも検討するとおっしゃっていたが

「一部に誤解があったようですが、基本的には出ていってもらいます。それが金融機関の融資の条件でもあります。ただし、日本政府の許可が得られれば、次の移転先が見つかるまでお貸ししてもいいと考えています

日本政府は制裁を加えていますし、拉致問題もあります。圧力制裁は必要ですが、針の穴でも対話の窓口は空けておくべきだと思います。『窮鼠猫を噛む』という言葉もあるので、(北が噛みつかないよう)日本のために使いたいと思います。会館を日本の切り札にしたいと考えています

「日本の切り札」とはどのような想定か

拉致問題などがありますから、制裁も必要ですが対話をしないと進まないこともあると思います

仮に総連が再び入ることになった場合、大使館的な役割を果たす総連との同居は可能か

「英霊の供養と民族融和の場として使ってもらうので、一般に開放するつもりです。同居することになった場合どうするかは考えていません

ここ数年は毎年4月に訪朝しているようだが。

「今年はさすがに行けません。この問題で手いっぱいですから」



【総連会館競売】「政治のカード」「北の筋書きどおり」 会館落札で飛び交う憶測
(統一日報 2013/04/03)

会館の競売をめぐり、周囲には様々な憶測が飛び交っている。最福寺のホームページ訪問者数は、会館の最高価買受申出人に決まった3月25日からの数日間で約50万から70万に急増。関係者の関心の高さがうかがえる。

池口法主が日朝両サイドの中心的人物と関わりを持つことから、日本政府と北韓当局、あるいはその双方の意図が介在しているとの見方がある。しかし池口法主は日朝どちらにつくこともないとの立場だ。

ある総連関係者は当初、池口法主が落札したことに対し、安堵の気持ちを抱いていたという

しかし池口法主は総連に対して「出ていってもらう」と発言。さらに「日本の許可を得られれば」、「会館を日本の切り札に」などと述べていることから、一転して不安が広まっている

北関東に住む在日本朝鮮民主女性同盟の元メンバーは「安倍総理とも関わりがあると報じられている。拉致問題解決などの材料に使うのでは」と話す。

総連とRCCとの間には競売回避に向けての動きもあったとされる。それが反故になり、第三者の手に渡ったことで、総連は3月27日、RCCに「法的な措置を検討している」との申込書を送っている

一方で、北韓当局や総連の筋書きどおりに進んでいるとの見方もある

総連は3月25日に開かれた拡大委員会で朝鮮出版会館(東京・文京区)への移転を報告。すでに昨年11月には同会館の7階と8階を空けて本部機能の受け入れ準備を整えている。

池口氏は過去にたびたび総連に友好的な態度を示しており、移転は既定路線だったという見方があるのだ


移転については総連内でも意見は割れている。根強いのは継続使用の否定論だ。これは末端の総連関係者に多い意見で、「余計な経費を払ったり気をもんだりするより、本部をいったん手放して再出発すべき」との意見が複数聞かれた。

いずれにせよ、キーマンは池口法主だ。総連が会館を出れば、そこに戻すかどうかは「政府の許可が出れば」と条件つきで認めている。ただし「次の移転先が見つかるまで」とも述べており、出版会館に移転する総連を再度受け入れるかも池口法主の判断に委ねられることになる。



政府が落札しなかったことが残念ですね。




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