(聯合ニュース 2024/03/25)
 韓日間の徴用訴訟問題を巡る韓国政府の解決策を受け入れていない徴用被害者の家族らが25日、謝罪と賠償を求めて被告企業の日本製鉄の本社(東京都千代田区)を訪れた。日本製鉄側は面会しようとせず、被害者家族は「最後まで闘う」と声を上げた。

 2018年に韓国大法院(最高裁)で勝訴が確定した賠償請求訴訟の原告は15人だった。韓国政府は昨年3月、政府傘下の財団が日本企業に代わって賠償金などを支給する第三者弁済を発表したが、原告のうち4人が受け入れを拒んでいる。

 これら原告、徴用被害者の李春植(イ・チュンシク)さん、梁錦徳(ヤン・グムドク)さん、チョン・チャンヒさんの家族は25日午前、韓国と日本の市民団体関係者や弁護士と共に日本製鉄の本社を訪れた。故朴海玉(パク・ヘオク)さんの家族は個人的な事情で参加できなかった。

 原告を代表して李春植さんの長女が弁護士らと一緒に日本製鉄の本社ビルに入ったが、関係者に会うことができず約10分後に引き返した。林宰成(イム・ジェソン)弁護士は「事前に面会を要請して出掛けたが、『アポが無いため会うことができない』と言われた」と話した。

大法院の判決を受け入れて賠償するよう促す要請書の受け取りを求めても、日本製鉄側は「時間が無く、下まで降りていける状況でない」と答えたという。受付デスクに預ければ受け付けたと認めてもらえるかと尋ねたが、認められないとの答えだった

 こうした日本製鉄側の対応に李春植さんの長女は「卑怯だ。堂々とできないからだと思う」と批判。「父はこの会社の社員だった。この建物にも父の血と汗がしみ込んでいる」とし、涙を浮かべながら「謝罪を受けるため最後まで闘う」と決意を新たにした。

 雨が降りしきる中、三菱重工業などによる徴用被害者の家族も、被害者の写真や謝罪・賠償を要求するプラカードを掲げ、抗議した。

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 現場には韓国と日本の報道陣が数十人詰め掛けた。日本製鉄の警備員は被害者家族側の写真撮影を制止するなど、ぴりぴりした雰囲気だった。

 韓国人の徴用について、日本企業側は1965年の韓日請求権協定で解決済みとの認識を示す。大法院の判決は協定に反するもので、遺憾との立場を貫いている。

 一方、韓国政府は第三者弁済による解決策を打ち出した後、受け入れを拒否した4人については賠償金相当額を裁判所へ供託しようとしたが、裁判所は受理しなかった。原告4人は日本企業の資産の強制売却による賠償金受け取りを望んでいる。