(共同通信  2024/03/21)
 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は21日、W杯アジア2次予選で日本代表が北朝鮮代表と対戦するアウェー戦(26日)の平壌での開催中止を明らかにした。試合実施や代替開催地は未定。北朝鮮では日本の「悪性伝染病」が報じられており、日本で報告数が増えている劇症型溶血性レンサ球菌感染症を警戒した防疫上の措置の影響とみられる

 日本は21日にホームの東京・国立競技場で北朝鮮に1―0で勝った。試合後に田嶋会長は、北朝鮮側からアジア連盟(AFC)に自国開催を取りやめる旨の文書が届いたと説明し「平壌ではやらないということが決まった」と話した

 北朝鮮は第三国での開催地を選定できず、次戦も日本での実施を田嶋会長に打診。入国期間などの手続き上の問題で日本側は受け入れなかった。今後の判断はFIFAに委ねられる。日本のチームは22日に出発して北京で調整後、25日に平壌入りする予定だったが、キャンセルとなった。

 AFCは3月上旬に平壌を現地視察し、金日成競技場での試合実施に支障がないと判断していた。



日本サッカー協会の田嶋幸三会長(66)が21日、東京・国立競技場で取材に応じ、26日に予定されていた平壌でのW杯アジア2次予選・北朝鮮戦が中止となったことを明らかにした。田嶋会長は「われわれも今日(開催地変更を)聞いて、今になっている」と困惑気味に話した。

田嶋会長によると、この日の朝になって急きょ、北朝鮮から平壌での開催が難しいとの連絡がアジアサッカー連盟(AFC)に届いたという。それを受け、AFCは日本時間午後4時までに代替地を提示するよう求めたが、期限までに代案は提示されなかった。開催が不可能となった理由も日本側は把握できていないというが、複数の関係者によると、北朝鮮側は日本国内で、致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が増えていることを問題視しているという。

田嶋会長はこの日に東京・国立競技場で行われた第1戦の前に、北朝鮮選手団の金団長から中止の説明を受け、ハーフタイム中には第2戦も「日本で開催できないか」と打診されたという

ただ、北朝鮮選手団の日本への滞在許可が22日までになっていることや、スタジアムの確保などの観点から田嶋会長は「今は難しい。時間がかかる」と返答。AFCにも日本側の意向を伝える意向だ。

当初の予定では日本代表は22日に出国し、経由地の中国に入る予定だった。しかし、「第3国を検討した上で日本に(依頼が)来ている。どこに行けばいいかもわからない」と田嶋会長。日本代表は出国を取りやめる方向で調整している。直前に平壌からサウジアラビアに開催地が変更になった2月のなでしこジャパンのパリ五輪予選に続き、またもドタバタ劇が始まった。


(NHK 2024/03/21)17時42分発信記事(中止発表前)

北朝鮮は「日本で感染力の強いはしかや死亡率の高い『悪性伝染病』が広まっている」と朝鮮労働党の機関紙で伝え、今月26日に首都ピョンヤンで13年ぶりに行われる予定のサッカー日本代表との試合も控えて、国内で感染が拡大しないか神経をとがらせているとみられます。

21日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、「日本で感染力の強いはしかが広まっている」とする記事を掲載し「感染経路が新型コロナウイルスと同じで、感染から2、3日後に39度以上の高熱や発疹などの症状が現れる」などと伝えました

さらに、その下に掲載された別の記事では「日本では最近、死亡率の高い『悪性伝染病』が急速に拡散している」とも報じています。

これは、手や足のえ死などを引き起こし死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が日本で増えていることを指しているとみられます

北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染対策として外国との人の往来を厳しく制限してきた国境管理を、去年の夏から段階的に緩和しています。

そうした中、今月26日には首都ピョンヤンで、2026年のサッカーワールドカップのアジア2次予選として日本代表との試合が行われる予定です。

13年ぶりとなるピョンヤンでの対戦も控えて、医療体制がぜい弱だとされる北朝鮮は、国内で感染が拡大しないか神経をとがらせているとみられます