(毎日新聞 2023/03/19)
 毎日新聞は18、19の両日、全国世論調査を実施した。安倍政権時代に礒崎陽輔首相補佐官が総務省に対し、放送法の「政治的公平性」の解釈の変更を求めていたことが、同省の公文書で明らかになったことについて尋ねた。「問題だ」との回答は43%で、「問題とは思わない」の12%を大きく上回った。「公文書が正しいか疑問だ」も24%あった。

 自民党支持層では「問題だ」は2割弱にとどまり、「問題とは思わない」「公文書が正しいか疑問だ」がいずれも3割弱あった。公文書には礒崎氏が総務省に解釈変更を求めていたことに加えて、2015年2月に同省幹部が当時総務相だった高市早苗経済安全保障担当相に、政治的公平に関するレク(説明)をしたことが記述されているが、高市氏は「レクは受けていない」などと記載内容を否定している。

 岸田内閣の支持率は33%で、2月18、19日の前回調査の26%から7ポイント上昇した。支持率が3割を超えたのは、22年11月以来4カ月ぶり。不支持率は59%で、前回の64%から5ポイント低下した。

 日韓問題を巡って、韓国政府が発表した徴用工問題の解決策については、「評価する」が54%に上り、「評価しない」の26%を大幅に上回った。解決策は、韓国政府の傘下にある財団が、元徴用工への賠償を命じられた被告の日本企業に代わって、賠償金相当額を支払う内容。これを受け、日本政府は植民地支配に対する「反省とおわび」を示した日韓共同宣言や過去の政府談話に関して、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と表明した。

 岸田文雄首相は16日、来日した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。日韓関係の改善に期待するかとの問いでは、「期待する」は64%、「期待しない」は28%だった。会談で両首脳は、日韓関係を強化する方針で一致。両首脳が相互訪問する「シャトル外交」や外務・防衛当局による「日韓安全保障対話」を約5年ぶりに再開させることで合意した。

 22年7月の参院選で初当選後、一度も国会に登院しなかった政治家女子48党のガーシー(東谷義和)元参院議員が、今月15日の本会議で「除名」されたことについては、「妥当だ」が89%に上り、「除名の必要はなかった」は7%にとどまった。