(朝日新聞 2023/03/19)
 朝日新聞社は18、19の両日、全国世論調査(電話)を実施した。16日に開かれた岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の首脳会談について「評価する」と答えた人は63%で、「評価しない」21%を上回った。徴用工問題で韓国政府が発表した「解決策」については「評価する」55%が「評価しない」28%を上回った。

 国際会議の機会ではない韓国大統領の単独の訪日は約12年ぶりで、両国首脳が頻繁に訪問する「シャトル外交」の再開などでも一致した。首脳会談について内閣支持層では78%が「評価する」と答え、内閣不支持層でも「評価する」は56%と半数を超えた

 徴用工問題で、被告の日本企業に代わり韓国政府傘下の財団が原告に賠償金相当額を支払う解決策については、「評価する」は内閣支持層で65%、不支持層では49%となった

年代別では高齢層ほど「評価する」が多く、60代で67%、70歳以上で67%だった。一方で、「評価しない」は30代で38%、40代で39%と多めだった。

 これから先の日韓関係がどうなるかを聞くと、「よい方向に進む」が37%、「悪い方向に進む」は3%、「今と変わらない」57%だった。調査方法などが異なり単純に比較できないが、国交正常化から50年の2015年郵送世論調査では「よい方向」15%、「悪い方向」10%、「今と変わらない」67%だった。今後の日韓関係の進展に一定の期待があることがうかがえる。

 内閣支持率は40%(前回2月調査は35%)で上昇した。不支持率は50%(同53%)だった。

 今年の春闘では賃上げをめぐり大企業の満額回答が相次いだ。賃上げが中小企業や非正規労働者にも広がるか期待度を4択で尋ねると、「期待できる」は「大いに」3%と「ある程度」33%を合わせて36%で、「あまり」50%と「全く」12%を合わせた「期待できない」62%の方が多かった「期待できる」と答えた人の内閣支持率は50%で、不支持率は42%と逆転した。

〈調査方法〉コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、18、19の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した981世帯から506人(回答率52%)、携帯は有権者につながった2178件のうち798人(同37%)、計1304人の有効回答を得た。