(NHK 2022/12/27)
中国各地で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、内陸部の四川省では15万人余りを対象にした調査で、陽性と確認された人がおよそ6割に上ったほか、地方都市や農村部では薬が売り切れたり値段が高騰したりするなど影響が広がっています。

中国では、今月7日に新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたあと、各地で感染が急拡大しています

人口およそ8300万の内陸部の四川省では、地元当局が省内の感染状況を把握するため、今月24日と25日の2日間、15万8500人を対象にオンライン形式の調査を行いました。

このうち、PCR検査や抗原検査で陽性が確認された人は、およそ10万人と63%に上り、四川省でも感染が広がっている実態が明らかになりました。

調査をした四川省疾病予防センターは「PCR検査などを受けていない3割近い人にも発熱やせきなどの症状があり、実際に感染している割合は検査で陽性が確認された63%より高い」という見方を示しています。(略)

(朝日新聞 2022/12/25)

 中国で新型コロナウイルスの感染者急増に歯止めがかからない。感染者数は早期に14億の人口の半数に達するとの見立てもある。「ゼロコロナ」政策を続けてきた中国で、なぜこれほど感染が拡大したのか。今回の波はいつピークを迎えるのか。専門家への取材やデータ予測から探った。

〇人口14億人の中国、「半数が感染する」

 中国政府は14日から無症状の感染者数の公表を取りやめ、公表される感染者数は実態とかけ離れた少ない人数となっている。だが、ネット上に出回った政府の内部資料とされる会議録によると、12月1~20日の感染者数の推計値は、人口の約18%に当たる2億4800万人に達した。1日あたりの新規感染者は約3700万人に及ぶという。その後も感染のペースが落ちていなければ、現在の感染者数は3億人を大きく超えている計算だ。(略)


(TBSニュース 2022/12/28)

政府は、新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国からの入国者を対象に入国時の検査を実施するなど水際対策の強化を決めました。

岸田総理
「中国からの入国者に対して臨時的な特別措置を講ずることといたします」

中国では新型コロナの感染が急拡大していることから、政府は、▼香港・マカオを除く中国に7日以内に渡航歴がある入国者と、中国からの直行便での入国者全員に入国時検査を実施することを決めました

また、▼陽性者については、すべてゲノム解析の対象とし、症状がある場合は7日間、無症状の場合は5日間、待機施設に隔離するとしています。

この他、入国検査に万全を期すため、▼日本と中国を結ぶ直行便について到着空港を成田・羽田・中部・関西の4つの空港に限定し、増便を行わないよう関係する航空会社に対して要請するということです。

これらの措置は今月30日午前0時から適用されます。

一方、中国政府は来月8日から水際対策を撤廃する方針で、今回の日本の対応について「防疫措置は科学的かつ適切であるべきで、正常な人員の往来に影響させるべきではない」と苦言を呈しています。


(TBSニュース 2022/12/27)

日本政府が新型コロナの感染が急拡大している中国からの入国規制を強化する方針を示したことについて、中国政府は「正常な人員往来に影響させるべきではない」と苦言を呈しました。

岸田総理はきょう、中国からの入国者全員に対して30日午前0時から検査を実施し、陽性の場合は7日間隔離するなど、規制を強化する方針を示しました。

これについて、中国外務省は「各国の安全往来を保証し、グローバルなサプライチェーンの安定を維持し、世界経済の回復と成長を推進すべきだ」と述べたうえで、次のように苦言を呈しました。

中国外務省 汪文斌 報道官
「中国政府としては、防疫措置は科学的かつ適切であるべきで、正常な人員往来に影響させるべきではないと考える」

中国政府は来月8日から水際対策を撤廃する方針を決めており、市民の間では日本への海外旅行再開に対する期待が高まっています。

日本側が規制を強化したニュースはウェイボの検索ワードランキングで1位になったほか、SNS上には「来年東京に行きたかったのに、まいったな」など規制を残念がる声が相次いで投稿されるなど、日本の対応が中国で高い関心を集めています