(産経新聞 2022/11/24)

【ソウル=時吉達也】韓国国会は24日、呉碩峻(オ・ソクチュン)最高裁判事候補の任命同意案を賛成多数で可決した。いわゆる徴用工訴訟問題で、日本企業の資産売却手続きの審理を担当した前任の最高裁判事が9月上旬に退任、「空席」が続いていたが、異例の状況が解消される。呉氏就任に伴い最高裁の審理が再開される見通しで、日韓間の外交協議にも影響を与えそうだ。

呉氏は8月末までに人事聴聞会などの手続きを終えていた。国会で過半数を占める最大野党「共に民主党」が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との交流などを問題視し、任命に反対していた。呉氏の任期は25日からとなる見通し。聯合ニュースは、徴用工を含む前任判事の担当事案について「そのまま引き継ぐ可能性が高い」と報じた

韓国メディアによると、呉氏は国会に提出した答弁書で、徴用工問題について「司法での解決だけが最善ではない」と述べ、外交協議を通じた解決を検討すべきだとの立場を示している。一方、原告の支援団体などは「最高裁が判断を不当に先延ばししている」と批判。売却命令を早期に確定させ、「現金化」手続きを進めるよう求めている。

徴用工問題をめぐっては、日本企業側の敗訴が確定した2018年10月の韓国最高裁判決から4年が経過。昨年9月、差し押さえられた三菱重工業の韓国国内資産の売却を地裁が命じ、同社の抗告に対する最高裁の審理が行われている。

日本政府は徴用工問題が1965年の日韓請求権協定で「解決済み」との立場。尹政権は、韓国の財団が日本企業の賠償金を肩代わりする案を中心に、年内を視野に解決策の策定を急いでいる。