(NHK 2022/11/17)

16日に閉幕したG20サミット=主要20か国の首脳会議で、中国の習近平国家主席がカナダのトルドー首相に対し、非公式に行った会談の内容が漏れているなどと苦言を呈する一幕がありました

これは、カナダメディアが伝えたもので、インドネシア・バリ島で開催されたG20サミットの会議場で、16日、中国の習近平国家主席とカナダのトルドー首相が立ち話をする様子がとらえられています

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この中で習主席は「会談内容が漏れているのは不適切だ」と述べたうえで「誠意があるならば、互いを尊重しながら話ができる。そうでなければ、どんな結果に終わるか分からない」などと、笑顔を見せながらも苦言を呈しています

これに対し、トルドー首相が「カナダでは自由で開かれ、誠実な対話がある。われわれは引き続き建設的な関係を続けていきたい」と応じると、習主席は「まず条件を整えるべきだ」と伝え、互いに握手をして立ち去りました

カナダのメディアは、両首脳が15日に非公式に会談し、トルドー首相が、中国がカナダの選挙に干渉しているなどと懸念を示したと伝えており、習主席は非公式の会談内容が漏れていると抗議したものとみられます

習主席の非公式な会話が、映像でとらえられるのは極めて異例です。

中国とカナダの関係をめぐっては4年前、カナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイの副会長を逮捕したあと、関係が悪化しています。


(CNN 2022/11/17)

中国の習近平(シーチンピン)国家主席がカナダのジャスティン・トルドー首相に「説教」する珍しい場面を16日、カナダの放送局がとらえた。習主席はトルドー首相を相手に、会談の内容が漏れているとして小言を言っていた。

インドネシアで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の会場の一画。習主席は笑顔を浮かべ、中国語でトルドー首相に話しかけていた。しかしそれを英語に翻訳すると、あまり友好的な内容ではなかった。

「私たちが話し合ったことが、何もかも新聞に漏れている。それは適切ではない」。習主席の言葉は、翻訳するとそんな内容だった。

トルドー首相がうなずくと、習主席は「会話はそのように行われるものではない」とたたみかけた。

「もしあなたの側に誠実さがあるのなら、私たちはお互いを尊重する姿勢で対話を行わなければならない。そうしないと予想外の結果になるかもしれない」

習主席は中国語でそう話しかけたが、通訳を試みた習主席の通訳者が「もしあなたの側に誠実さがあるのなら」まで訳したところでトルドー首相が割って入り、「カナダでは自由で開かれた率直な対話を信条としている」と強調、「私たちは今後も共に建設的な努力を続けるが、見解が異なることもある」とした。

通訳者は習主席を代弁して「まず条件を整えましょう」と語り、習主席はトルドー首相と握手すると、側近と共にその場から立ち去った

習主席が他国の首脳とどんなやりとりをしているか、その一端を垣間見せた出来事だった。


(朝日新聞 2022/11/17)

 非公式の首脳会談の内容が報道されたことをめぐり、中国の習近平(シーチンピン)国家主席がカナダのトルドー首相に、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の会場で不満を伝えていた様子が明らかになった。様子を記録した動画がツイッターに投稿された。首脳間のこうしたやりとりが公になるのは異例で、両国間の溝も浮かんだ。

 この動画は、カナダメディアの記者が、ツイッターに投稿したもの。インドネシアのバリ島で開かれたG20サミットの会場で16日、習氏がトルドー氏に対し「会談の内容が全て新聞にリークされた。適切なことではない」と語る様子が映っている。

 さらに習氏は、トルドー氏の返答を遮るような形で、「誠意があるならば、相互尊重の姿勢によって意思疎通を図るべきだ。そうでなければ結果がどうなるか見通せなくなる」とも伝えた。両者は最後に、握手をして別れた

 カナダメディアなどによると、両氏はこの前日の15日、G20の会場で約10分間、会談していた。トルドー首相は、中国がカナダの選挙に干渉している疑いがあるなどとして「深刻な懸念」を伝えたという。トルドー氏も記者会見で会談の事実を認めた

 一方、中国側はこれまで、会談が開かれたことも含めて一切、公表していない習氏はこの会談内容やトルドー氏の懸念が漏れたことに対する不満を直接、トルドー氏に伝えたものとみられる

 カナダは2018年、米国の要請で中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者の身柄を拘束した。直後に中国当局がカナダ人男性2人を中国で拘束するなどして、両国関係は極度に悪化した。

 昨年9月、米司法省が司法取引で孟氏を釈放すると、中国当局もカナダ人2人を釈放。こうした動きが今回、両首脳の非公式会談に結びついた形だ。

 ただ、これまでカナダは中国の人権問題を強く批判してきた。中国側は国内世論も考慮しつつ、カナダとの関係改善は慎重に進めたい姿勢とみられる。(高田正幸)