(中央日報 2022/09/15)

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が来週米国ニューヨークで開かれる国連総会を契機に米国、日本とそれぞれ二者首脳会談を行う

泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長は15日、龍山(ヨンサン)大統領室の会見で、今月18~24日に行われる尹大統領の英国・米国・カナダ歴訪日程を紹介しながら「国連総会で韓米首脳会談と韓日首脳会談をすることで合意し、時間を調整中」と明らかにした。

韓日首脳会談は2019年12月に中国成都で開かれた韓日中首脳会議を契機として、当時文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相が二者会談をして以来2年10カ月ぶりとなる。

尹大統領と岸田文雄首相はこれに先立って今年6月スペインで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を契機として数回顔を合わせたものの、正式な二者会談には至っていなかった。

韓米首脳会談は米国のジョー・バイデン大統領の訪韓によって5月21日にソウルで両国首脳が会って以来、約4カ月ぶり。

大統領室高位関係者は「米国、日本とは二者会談を行うことでいち早く相互に合意し、日程を調整している」としながら「タイトな日程のため、30分ほどの時間、顔を合わせながら行う会談になるだろう」と明らかにした。

韓米首脳会談に関連しては「過去の首脳会談以降、関係部署が発展させてきた履行方案を具体化し、さらに重要な問題は首脳が今一度識別して共感する会談になるだろう」と説明した。

韓日首脳会談については「互いに今回は会ったほうがよいと快く合意した」とし「どのような話をするかはまだ決めていない。強制徴用などの懸案は韓国が自主的にプロセスを進めて日本とも内密に意見をやりとりしており、首脳が突然会ってチェックする必要もない状態で会うことになった」と紹介した。(略)


(朝日新聞 2022/09/15)

 韓国大統領府は15日、国連総会が開かれている米ニューヨークで来週、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と岸田文雄首相の会談を「調整中だ」と明らかにした。

 実現した場合には、日韓関係の懸案になっている戦時中の元徴用工の訴訟の問題や、両国の人的交流の拡大などについて話し合うとみられる

 韓国大統領府高官は「会談することで合意し、時間を調整中だ」とした上で、「30分あまりの短時間に集中的に進行する会談になるとみられる」と説明した。日程は「20日か21日」だとしている。

 「戦後最悪」とも言われる日韓関係の改善に向け、5月に就任した尹大統領は早期の日韓首脳会談を求めていたが、日本側は懸案の解決の見通しが見えないことから慎重な姿勢をとってきている。

 松野博一官房長官は15日午後の記者会見で、両首脳の会談について問われ、「具体的な日程は現時点で何ら決まっていない」とした。その上で、「国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、さらに発展させていく必要があり、関係改善のため、韓国政府と緊密に協力をしていく」と語った

 両首脳は、6月下旬にスペインで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の晩餐(ばんさん)会の会場で、あいさつを交わした。この時が初の対面の接触で、数分ほどの「立ち話」だった。(稲田清英=ソウル、楢崎貴司)


(TBSテレビ 2022/09/15)

(略)ある外交関係者はJNNの取材に対して両首脳の対面は、立ち話程度にとどまるとの見方を示しました。(略)


(朝日新聞 2022/06/29

 スペインで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に先立ち、28日夜(日本時間29日未明)、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が短時間「立ち話」した。歴史問題が影を落とし、関係が悪化している日韓両国。首脳同士のやりとりには国内の世論も敏感に反応しがちなことから、両国はこれまでも接触の仕方に細心の注意を払ってきた。日本政府が巧みに使ってきたのが「立ち話」だ

 「立ち話」があったのは、開幕前夜に開かれたスペイン国王主催の晩餐(ばんさん)会の会場。韓国大統領府によると、岸田氏が尹氏に話しかけ、6月1日に投開票された韓国統一地方選の与党勝利を祝った。尹氏は「岸田首相も参院選で良い結果が出ることを願っている」と述べ、「私たちは参院選が終わった後、韓日間の懸案を早急に解決し、未来志向的に進む考えを持っている」と伝達。岸田氏は「日韓関係がより健全な関係に発展できるように努力しよう」と応じたという。時間にして3、4分だった。

 首脳同士が会談する場合、日本では首相官邸や迎賓館、外国で言えば大統領府などで、互いにひざをつき合わせて十分な時間をとって話し合うのが一般的だ。国際会議などで行う会談でも、会場には会談用の部屋が設けられ、出席者のネームプレートや両国の国旗などもあらかじめ用意されている

◇「立ち話」も事前に調整するケースあり

 一方、「立ち話」は形式も簡素化されており、今回のように国際会議などの合間の時間を利用した短時間の懇談になるケースが多い。立ち話とはいえ、立ったまま話す場合もあれば、互いに椅子に腰掛けることもある。

 会談と立ち話に定義はないため、その境目はあいまいだ。立ち話も事前に外交当局間で何をやりとりするかを調整した上で実施するケースもある

 では、どう使い分けているのか。背景には、両国の距離感が呼び名の使い分けに影響している。

 岸田首相は27日、ドイツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)の合間で、バイデン米大統領とソファに座って約10分間意見を交わした。日本政府はわざわざ「日米首脳会談」と発表した。会談とした理由について、外務省関係者は「首相官邸の判断」と話す

 今回、日本政府関係者は日韓首脳会談の可能性にも言及していたが、結局は「立ち話」に落ち着いた。

 韓国による5月の島根県・竹島(韓国名・独島)周辺での海洋調査の実施に対する国内世論の反発が高まっていたことや、最大の懸案となっている元徴用工問題で進展が見込めないことが理由だった。会談をしたとなれば、参院選を前に保守派を中心に国内の批判を浴びる可能性があるとの判断だった。

◇安倍首相、朴大統領の初接触も「立ち話」

 一方、初めて顔を合わせる日韓首脳が一つの会議場に丸一日いるのに、一切の接触がないのは不自然だ。さらに米国は日韓両政府に関係改善を強く求めていた。米国の手前、何も言葉も交わさないというわけにはいかない。こうしたことから苦肉の策として、短時間の接触で韓国統一地方選の与党勝利を祝うなどの「立ち話」を選んだのだった。

 こうした間の取り方は、今回が初めてではなく、これまでも日韓首脳の接触の仕方は、両国の距離感を反映してきた。

 安倍晋三首相(当時)は2013年9月、ロシアで開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、同年2月に就任した朴槿恵(パククネ)大統領(同)と初めて顔を合わせたが、夕食会前のわずか4分程度の「立ち話」に終わった。

 当時の菅義偉官房長官は「通常のあいさつ」と説明し、首相周辺は「対話のドアを閉ざしているのは、我々ではないという一貫した姿勢を示せた」と語った。

 両者が会談形式で顔を合わせたのは、翌14年3月の日米韓3カ国の首脳会談。日韓の関係悪化を憂慮するオバマ米大統領の仲介によって実現した。今回、バイデン大統領が日韓の仲を取り持ったが、その先行事例と言える。

 しかし、その後も慰安婦問題をめぐって対立が続いた。結局、日韓首脳による正式な会談にこぎつけたのは15年11月。約3年半ぶりの開催となった。

 一方、朴氏の後任である文在寅(ムンジェイン)大統領と安倍氏の会談は、文氏の就任から2カ月後の17年7月に実現。この場で両首脳が定期的に相互訪問する「シャトル外交」の再開でも合意した。

■日本側「立ち話」、韓国側「歓談」……食い違ったことも

 しかし、文政権は朴政権下で結んだ慰安婦合意に反発。18年には韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工への賠償を命じる判決を出したことで、日韓関係は再び「冬の時代」に突入。首脳会談も遠のいた。

 そんななか、「事件」が起きたのは19年11月、タイで開かれた東南アジア諸国連合と日中韓(ASEAN+3)首脳会議の前だった。両氏はソファに座って約10分間対話した

 日本政府の発表は「言葉を交わした」だけで、いわゆる「立ち話」との認識だった。

 これに対し、韓国側は「友好的に歓談した」と発表。さらに文氏側近がソファに腰掛けて言葉を交わす両首脳の様子を撮影した写真を公開した国内に関係改善を印象づけたかったとみられる。日本側は「不愉快だ」(首相周辺)といらだった。

 また、「戦後最悪の日韓関係」と呼ばれるまでに悪化したなか迎えた昨年6月のG7サミットでは、菅義偉首相と文氏が初接触。日本政府関係者によると、バーベキューの際などに文氏から計3回話しかけられたが、菅氏は「ご丁寧にありがとうございます」などと応じるにとどめ、突っ込んだやりとりになることを避け続けた。

 首相関係者によると、文氏とのやりとりが発生した場合に備えた想定問答は用意していたが、元徴用工問題などでの進展が見通せない状況は変わらず、「首相の判断」(外務省幹部)でかわすことを選んだ。

 文氏はサミット閉幕後、SNSに「残念に思う」とつづり、韓国の有力紙は「菅首相は納得しがたい外交的欠礼を犯した」などと批判した。結局、菅氏の在任期間中、首脳会談は一度も開かれなかった。

 そして、今回発生した日韓首脳の「立ち話」。韓国大統領府は2人のやりとりを詳細に発表したが、日本側の発表は3行のみ。「ごく短時間、簡単なあいさつ」とした上で、「『岸田総理からは、非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すために尽力いただきたい』と述べた」との内容で、尹氏に努力を促した形になっている。岸田氏が尹氏に「努力しよう」と呼びかけたとする韓国側の発表とは食い違いがある。ここでも韓国側との温度差が浮き彫りになった形だ。(野平悠一)