(東亜日報 2022/08/09)

尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使が8日、韓日関係の改善と日本の植民地支配下で強制動員された被害者に対する実質的な賠償に向けて、日本企業の差し押さえ資産の現金化手続きを凍結すべきだと述べた。司法府が強制動員被害者の賠償のための日本企業の韓国内資産の現金化の手続きをひとまず停止することで、外交解決策を講じる時間を稼がなければならないという考えを政府当局者が明らかにしたため、注目される。

尹大使は同日、東京の駐日韓国大使館特派員団懇談会で、「現金化を通じて被害者が十分な補償を受けるだけの資金が調達されるかは疑問であり、被害者の補償は少なくなるほかない」とし、「現金化を凍結するのが良いだろう」と述べた。また、「現金化がなされれば、韓国企業と日本企業に数十兆ウォン、数百兆ウォンにのぼるビジネスチャンスが飛ぶ可能性がある」と懸念を示した。尹大使は、「被害者の尊厳と名誉が回復する過程が無視されて民事訴訟で終われば、最大の被害は当事者が負うほかない」とし、「今は外交の空間が切実だ」と話した。

尹大使の発言は、外交部が先月、大法院(最高裁)民事第2部、3部に強制動員被害者関連解決法の摸索のための外交的努力を説明する意見書を提出したことからさらに一歩踏み出したものだ。司法府が、現金化措置に対する最終判断を最大限先送りにし、韓日両国の政府が解決法を摸索できる「外交空間」を設けてほしいと提起したためだ。

政府当局者は「(大法院に)現金化凍結を要請しなければならないという(尹大使の)発言は、本部と交わされたわけではない」と述べ、慎重な立場を示した。 東京=イ・サンフン特派員 シン・ナリ記者