(共同通信 2022/06/07)

 【北京共同】北朝鮮外務省は7日、日本人拉致問題の解決を目指し5月29日に東京都内で開かれた「国民大集会」に岸田文雄首相が出席したことに絡み、「拉致問題はわれわれの誠意と努力で既に全て解決され、朝日間の問題として存在しない」と主張した。同省日本研究所の李炳徳研究員名義の記事をウェブサイトに掲載した。

 李氏は岸田氏が集会で拉致を内閣の「最重要課題だ」と表明したことを「参院選で支持票をかき集めようとする政治詐欺劇だ」と批判。また「20年前、安倍をはじめとする右翼勢力が醜悪な政治的野心を実現するため拉致問題を極大化した」と主張した。


(中央日報 2022/06/08)

岸田文雄首相が日本人拉致被害者問題の解決に取り組むと言った発言に対して、北朝鮮が拉致問題はすでに解決済みだと主張した。

北朝鮮外務省は7日、日本研究所のリ・ビョンドク研究員の「お決まりの政治詐欺劇-拉致騒動」という文章で「再三強調するが、拉致問題はわれわれの誠意と努力ですでにすべて解決されたし、これ以上朝日(日朝)間の問題として存在しない」と強調した。

この文章でリ研究員は「20年前に安倍氏をはじめとする右翼勢力が彼らの醜悪な政治的野心を実現するために拉致問題を最大化して政権維持に悪用してきたというのは世の中が知っている事実」と主張した。

また「2002年朝日平壌宣言が採択されて両国間の関係改善の雰囲気が高まると、日本の右翼勢力は事実無根の拉致関連資料をねつ造して国内外で大々的な反共和国対決騒動を行った」と指摘した。

同時に「今回岸田首相が型にはまったことを繰り返して口にするのはすでに取り返しのつかない解決済みの拉致問題を持って参議院選挙で支持票を集めようとする自己中心的で典型的な政治詐欺劇」とし、「日本反動の低劣な策動は破局的な結果をもたらすだろう」と非難した。

岸田首相は先月29日、東京で開かれた北朝鮮拉致被害者の早期帰国を促す「国民大集会」に参加して「一日でも早く帰国を実現するために政府をあげて対応する」と述べた。

2002年9月小泉純一郎元首相が北朝鮮を訪問した時、金正日(キム・ジョンイル)総書記が日本人拉致事実を認めて再発防止を約束したことがある。

だが、その後正確な拉致人数や被害者生存の有無および帰還問題をめぐり両国が対立し、今まで争点となっている。