尖閣問題を解説「冷静に考えて」 領海侵入14年以降は半減 政府間の緊張状態は沈静化 「中国は尖閣・沖縄を侵略するか!?」講演会(沖縄タイムス 2022/06/05)

 日中関係に詳しい沖縄県出身の泉川友樹さん(43)=東京=を招いた講演会「中国は尖閣・沖縄を侵略するか!?」が5月27日、石垣市民会館で開かれた。中国との経済交流を支援する日本国際貿易促進協会の業務部長を務め、政治家らが訪中の際には日本側通訳を担うなど尖閣問題の経緯をつぶさに見てきた立場で解説した。(八重山支局・粟国祥輔)

 泉川さんは石垣市の行政区域で中国も尖閣諸島の領有権を主張していることを踏まえた上で、中国の領海侵入が2012年の月平均5日から低い水準で推移しており、背景には14年に事態悪化を防ぐことなどを盛り込んだ「4項目合意」が交わされたことを紹介した

 12年の尖閣国有化に端を発した緊張状態について、「少なくとも政府間においては事態は沈静化している。これが実態だ」と強調。「このままでは沖縄が中国に乗っ取られる」とする主張に対しては「毛沢東が明確に沖縄は日本領土と言い切っている」と否定し「石垣市の皆さんには事実に沿った正確な情報に基づいて冷静に尖閣問題を考えてほしい」と呼びかけた

 中国の領海侵入について14年以降は約半分(月平均2・5日)に減少していることをデータで示し、22年は5月末現在で同1・6日と最低水準で推移していると説明。「月1回のペースで侵入時間は1時間半~2時間」とした上で、政治的な意図を持った日本の民間船が領海に入ってきた場合は「中国の侵入を誘発することになる」と指摘した。

 4項目合意では「双方は異なる見解を有していると認識し」との一文があり、中国の侵入行為は「この見解に沿った主張」とした。接続水域への常駐については「公海」の上、日中漁業協定の適用水域だと批判を退けた。

 泉川さんは「この現状は安全保障上の脅威なのか。自衛隊配備は本当に必要なことなのか」と疑問を呈し「それよりも、今は外交が有効に機能している。ここを後押しして決着を図る動きが望ましいのではないか」と訴えた。

 講演会は市民有志「フォーラムZEROの会」が主催。市民約60人が耳を傾けた


(日本経済新聞 2014/11/08)

北京で10日から開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が会談することが固まった。政府関係者が7日、明らかにした。日中両政府は同日、政治対話を再開し、信頼構築に努めるなどとした合意文書を発表した。沖縄県・尖閣諸島や靖国神社参拝問題を巡って冷え込んだ両国の関係が改善に向けて動き出す。

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本格的な日中首脳会談は、野田佳彦首相(当時)と胡錦濤主席(同)による2011年12月以来、約3年ぶりで、第2次安倍政権の発足後初めて。12年5月には野田首相と温家宝首相(同)が会談した。

安倍首相は7日夜、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、「習主席と会い、握手を交わし、対話をしたい」と述べ、日中首脳会談をする考えを表明した。会談後、山口代表が記者団に明らかにした。

この後、安倍首相はBSフジ番組で「日中首脳会談の条件整備を進める中で、4項目の文書で合意できた」と指摘。「環境整備はできた。日本も中国も首脳会談を行った方が両国に有益だと考えているのは間違いない」と語った。

日中両政府は7日、首脳会談の調整のため、訪中した谷内正太郎国家安全保障局長と中国の楊潔篪国務委員が合意した「日中関係の改善に向けた話し合いについて」と題する文書を発表した。首脳会談の前提と位置づけており「政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努める」など4項目を明記した。

首脳会談の調整では7月に福田康夫元首相が訪中し、習主席と極秘に会談。対話を呼びかける安倍首相のメッセージを伝え、習主席も日中関係の改善に意欲を示していた。

これに関連し、岸田文雄外相は7日、北京市内で記者団に、2年2カ月ぶりに公式の日中外相会談を開く見通しとなったことを明らかにした。「日中関係改善の流れを確かなものにし、日中関係のギアチェンジの契機にしたい」と強調した。首脳会談については「開催を視野に具体的な調整をしている」と語った。

首脳会談の実現に向け、中国側は安倍首相が靖国神社を訪れないことや沖縄県・尖閣諸島を巡って領土問題が存在することを認めるよう日本側に求めてきた。