(聯合ニュース 2022/04/12)

 韓国統一部の当局者は12日、北朝鮮南東部の景勝地、金剛山にある韓国側資産に関し記者団から質問を受け、「海金剛ホテルの他にゴルフ場に対しても、北側による撤去の動きを把握している」と答えた。

 具体的な撤去状況については回答を控え、「現在、海金剛ホテルの解体作業とゴルフ場の撤去作業が進行中」と繰り返した。

 この当局者は北朝鮮に対し、「韓国企業の財産権を侵害する一方的な措置を直ちに中断するよう厳重に促す」と述べた。これらの措置に対する説明と、金剛山を巡る問題の解決に向けた協議も求めた。

 海金剛ホテルは韓国の現代峨山が2000年にオープンさせた。最近撮影された民間の衛星画像から、ホテルの解体作業が相当進んでいることが分かった。ここから約1.8キロ離れたゴルフ場でも撤去作業とみられる様子が映っている

 このゴルフ場は韓国のリゾート運営会社アナンティが造成した。用地は現代峨山が北朝鮮から賃借した土地を50年間転借した。2008年5月に開業するも、2カ月後に韓国人観光客が北朝鮮兵に射殺される事件が起きて南北協力事業の金剛山観光が中断され、ゴルフ場も閉まったままだ。

 一方、アナンティ側はこの日、金剛山でのゴルフ場とリゾート運営から撤退し、507億ウォン(約51億4000万円)の損失を計上する方針を明らかにした。

 統一部は金剛山にある韓国側資産の撤去問題とあわせ、今月9日に金剛山付近で発生した山林火災による韓国側施設の被害有無についても北朝鮮に問い合わせているが、返答はない。