(NHK 2021/10/26)

国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は香港にある事務所について、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法によって「自由に活動することが事実上不可能になった」として年内に閉鎖すると発表しました。

「アムネスティ・インターナショナル」は25日、香港にある2つの事務所のうち、香港での活動を担当する事務所を10月末に、アジア・太平洋地域の調査などを担当する事務所を年内に閉鎖すると発表しました。

理由についてアムネスティは「香港国家安全維持法により、政府からの報復を恐れることなく自由に活動することが事実上、不可能になった」と説明しています。

そのうえで、香港国家安全維持法について「どのような活動が犯罪と見なされるのかはっきりせず、人権や、表現の自由、集会などを制限し、反対意見を抑え込む口実として使われている」と指摘しています。

アムネスティは、香港でおよそ40年にわたって活動し、おととしの大規模な抗議活動では、警察の取締りを過剰だと追及するなど、積極的な発言を続けてきました。

香港では国家安全維持法による圧力に耐えかねて、民主化運動に取り組んできた団体の解散が相次いでおり、国際的な人権団体も閉鎖に追い込まれる事態となりました。