(聯合ニュース 2021/04/28)

 在日本大韓民国民団(民団)で、トップの中央本部団長を決める選挙に端を発した内紛が深刻な様相を呈している

 同選挙を巡っては、今月6日に開かれた民団の最高議決機関である第55回中央大会で候補だった中央副団長の任泰洙(イム・テス)氏が候補者としての資格を剥奪され、呂健二(ヨ・ゴニ)団長の再選が決まった。この際に投票された約1600票は開票されなかった。

 これを受け民団の各地方本部は史上初の無開票での当選に抗議し、「民団中央正常化委員会」を設置。臨時中央大会の開催を要求している。

 正常化委員会はこの日、東京で開いた記者会見で臨時中央大会の開催を推進すると発表した。正常化委員会には28日時点で、47の民団地方本部のうち35の地方本部の団長が参加しているといい、関連規定により臨時中央大会の開催を要求することができるという

 正常化委員会は、臨時中央大会が開催されれば、無開票で再選した呂氏の不信任案を採決し、改めて団長選挙を実施するという立場だ。

 記者会見に出席した呉公太(オ・ゴンテ)前中央本部団長[ヨ・ゴニ氏の前の団長]は「今回の選挙は本当に恥ずかしい。民団の正常化のためには臨時大会を開いて、新しい団長を選出するしかない」と述べた。

 ただ民団の執行委員会は臨時中央大会の開催を巡り妥当性を審議するとの立場だとされ、大会の開催は不透明な状況だ。

 前回から約3年ぶりとなった中央本部団長選挙は新型コロナウイルスの影響により郵便投票で実施された。

 民団は2月26日に開かれた中央大会で新団長を選出する予定だったが、選挙管理委員会が任氏の候補者としての資格について問題提起したことで開票が延期された

3月12日に再び開かれた団長選出のための中央大会で選管委は任氏の資格取り消しを報告。一方、中央大会臨時議長団は選管委の措置を無効として開票を宣言した。選管委と臨時議長団が対立する中、開票は行われなかった。

 選管委は任氏の資格を取り消す理由について、犯罪歴を選挙運動期間中に説明しなかったためなどとしている

 民団は47の地方本部と260の支部、約30万人の団員で構成されており、韓国政府は毎年約80億ウォン(約7億8000万円)を支援している


神輿は負けを認めた(?)↓のに、担ぎ手は降ろす気がないようですね。

(統一日報 2021/04/28)

 第55回定期中央大会における中央団長選挙に立候補していた任泰洙氏が19日、各地方本部に向けて「今後は在日韓国人の一人として、在日同胞の生活安定と本国への貢献、そして韓日関係の改善などに努力する所存だ」と表明した

任氏は、一連の騒動と関連して、「『怪文書』をめぐり多大なご迷惑をおかけし、混乱を引き起こした当事者の一人としてお詫びする」としている。

中央団長選が一段落したことを感じさせる内容の挨拶文だが、「民団中央正常化委員会」(李壽源代表)はまだ解散していない

呂健二団長・朴安淳議長は2期目とはいえ、金春植監察委員長を迎え3機関長は新体制となった。これを支える執行役員については、まだ検討中だという。


2021年04月07日
民団トップ選挙 『恐喝未遂で前科』を隠してごまかそうとした候補者の資格剥奪で現団長が再選!


(統一日報 2021/04/21

 在日民団の第55回定期中央大会の結果を不服とする任泰洙氏側が、自らの過失を顧みず民団組織の混乱を引き起こしている。彼らは私的組織を結成し、東京本部(李壽源・民団東京本部団長)を紊乱の拠点にしようとしている。今月7日、第55回定期中央大会が終了した翌日に結成された「民団中央正常化委員会」が火種となり、民団組織の分断と混乱が深化している。13日に行われた東京支団長会議のもようにも、「朝総連のようだ」と抗議の声が上がっている。

◇東京支団長会議の内容に抗議の声

民団東京本部の李壽源団長は13日、支団長・傘下団体長会議を招集した。21人が参加した当日の会議では、「臨時中央大会」の開催を求める署名活動に賛成するという、民団東京本部としての決定を下した

しかし、会議に参加した関係者は、「異常な雰囲気だった」と語った。参加者たちは発言を一人2分に制限され、自由な討論は許されなかった。

具体的には、「混乱の原因だった任泰洙氏の問題に触れると、『個人への誹謗中傷はやめろ』と、李壽源団長や安容範監察委員長に遮られた」とのことだった。議長団までもが発言を封殺され、あまりのことに途中で退席し、「議長団として同意できない」との意思を表明したという。

結局、この日は強引に多数決が取られ、14日には支団長・傘下団体長宛てに「臨時中央大会の開催を求める強い意思を確認した」との文書が送付された

そもそも、決定権のない会議で多数決をとる意味はあまりない。関係者からは、「『東京本部の総意』という形がほしかったのではないか」との指摘・批判が強い。特に、代議員ではなく、東京本部団長がこのような会議を招集したこと自体が言語道断だ。

もともと今回の騒乱は、任泰洙氏が全ての原因を提供した。中央選挙管理委員会(辛容祥委員長)が投票を無効としたのは、任泰洙氏が候補登録のとき、決定的な欠格事由を隠したまま郵便投票が行われたからだ。任候補は、団長候補(民団組織の代表)としての瑕疵を隠しただけでなく、その隠蔽を糊塗するため、さらに重ねて嘘を吐いた。投票はいわば、「虚偽の情報によって汚染された」ものとなった。

任候補側は、候補としての資格が問題となった時点で謝罪し、自ら候補を辞退すべきだった。にもかかわらず任候補側は逆に開き直り、現在にいたるまで「起訴されたのかどうか」を曖昧なままにしている。

表向き、民団東京本部を拠点としている「民団中央正常化委員会」という私的組織は、混乱の原因である任泰洙氏側に対し叱責もせず、反省・謝罪も求めていない。原則に沿って、厳正な選挙管理をした「選挙管理委員会」を攻撃し続けている

数をたのんで暴論を押し通すのは、常識的な、いわゆる自由民主的な姿勢ではない。”個人は全体に従う”という、共産党の「党内民主主義」を彷彿させるものだ。まるで、朝鮮労働党在日支部(朝総連)のやり方だと言うほかない。

◇正常か委員会とは何か

そもそも、今回の騒乱の中で現れた「民団中央正常化委員会」(正常委)とは何者なのか

同委員会の趣旨文によれば、李壽源・民団東京団長や呉公太・中央常任顧問などが、臨時中央大会の開催を求める署名運動のため、地方民団長などに呼びかけたものだという

李壽源代表は本紙の取材に対し、「中央委員・代議員の参加のもと、意見を出し合う場として大会の開催が急務」で、それ以上は考えていないと述べたが、13日の東京支団長会議では、呂健二団長を下ろすため、「大会を二回開く」と明言した

そして16日、正常委は「呼びかけ人」に中央常任顧問らの名を加え、「民団中央の組織正常化のため、臨時中央大会の開催を要求する」と新たな趣旨文を発表した。

要するに、李壽源代表は呉公太顧問などからの指示を受けているとみられる。正常委の事務局は、東京本部に設置されているとのことだったが、実体はなかった。任泰洙氏の選挙事務所がいまだに存続していることから、そちらで中央本部組織に反旗を翻していると思われる

◇扇動された“民意”の暴走

この一連の騒動で看過できないのは、”民意”が声高に叫ばれてきたことだ。虚偽の事実を流布し、選挙管理規定に違反しても、常識を無視しても、”民意”が最優先だというのだろうか。これはまさに、韓国で「ロウソク革命」のときに叫ばれた「民衆革命」の論理だ

「民衆革命」に憧れを持つ人もいるかも知れないが、これは法治の破壊で、代議制民主主義を否定するものだ。

法や憲法の上に”民意”を置く言い分は、朴槿惠大統領を違憲弾劾した「ロウソク革命」の暴挙とうりふたつだ。

文在寅は「ロウソク(民意)が憲法だ」と言い放った。「正常委は日本でロウソク革命を起こそうとしているのか」と厳しい批判の声が上がっている

◇民団は日本社会の一員

今年3月末、日本の出入国在留管理庁は在留外国人数の統計を発表した。国籍別のランキングにおいて、韓国は中国・ベトナムに次いで第3位となった戦後、在留外国人の9割以上を韓国・朝鮮籍が占めていた頃とは変わった、と実感せざるを得ないような、象徴的な出来事だ。「在日」は果たして、当時の排他的・闘争的な考え方や行動から脱却し、成長しているのだろうか。

独立した自由な個人が、「民族」という観念にかこつけて、自由開放社会の規範を無視し、自然法的・常識的な観点を無視する暴走が許されるべきなのか、各々が考えなくてはならない

◇「朝総連」を真似るのか

朝総連は、閉鎖的邪教民族主義をうんぬんし、洗脳教育・扇動活動などを通じて自由開放社会と敵対してきた。そして、正常な社会の一員としての「責任と義務」は果たさず、民族学校教育の無償化や差別に対してばかり声を上げ、厚かましくも彼らが敵対する社会から「権利と保護」ばかりを求める

「民団の問題だから日本の法治や規範とは関係がない」という、今回の正常委の暴論は、朝総連のそれと何が違うのだろうか

日本社会で朝総連のように振る舞えば当然、朝総連と同列に扱われる。常識を無視するような在日民団は、日本社会から孤立する。それでいいのだろうか。