(聯合ニュース 2021/04/08)

 来年3月の韓国大統領選の前哨戦とされる首都ソウルと第2の都市釜山の市長選が7日行われ、いずれも保守系最大野党「国民の力」の候補が圧勝した。与党候補がともに敗北を認め、野党候補は当選を祝う花束を受け取った。

 ソウル市長選は保守系最大野党「国民の力」の呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長(60)が、事実上の一騎打ちとなった与党「共に民主党」候補の朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業部長官を退け当選を確実にした。釜山市長選も国民の力の朴亨ジュン(パク・ヒョンジュン)候補(61)が当選を確実にした。任期はいずれも来年6月まで。

 野党のダブル勝利により、任期が残り1年余りとなった文在寅(ムン・ジェイン)政権への風当りが強くなりそうだ。文政権は不動産政策の失敗や相次ぐ公職者のスキャンダルで国民の怒りを買っており、このままでは大統領選でも与党に強い逆風が吹く公算が大きい。

 投票率はソウル市長選が58.2%、釜山市長選は52.7%だった。

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※加えて、民主党→共に民主党  ゲピョユル→開票率

(朝日新聞 2021/04/08)

 ソウル・釜山両市長選が7日に投開票され、韓国メディアによると、両市長選ともに、文在寅(ムンジェイン)政権への「審判」を訴えた最大野党の候補が当選を確実にした。来年3月の大統領選に向け、支持率低迷にあえぐ文大統領の政権運営はさらに厳しくなりそうだ

 両市長選はともに与党の前職がセクハラ問題を抱えて任期途中に自殺、辞職したため実施された。投票率はソウル市長選58・2%、釜山市長選52・7%(暫定値)だった。

 韓国メディアの報道によると、釜山市長選では、李明博(イミョンバク)元大統領の政務首席秘書官を務めた保守系最大野党の朴亨埈(パクヒョンジュン)候補(61)が、文政権で海洋水産相を務めた進歩(革新)系与党の金栄春(キムヨンチュン)候補(59)に圧勝。ソウル市長選でも、元市長で野党の呉世勲(オセフン)候補(60)が文政権で中小ベンチャー企業相を務めた与党の朴映宣(パクヨンソン)候補(61)を退けた。

 野党は文政権への批判を前面に押し出した。不動産高騰による格差拡大や、公社職員らの土地投機疑惑で文政権への風当たりが強まるなか、野党候補は保守層だけでなく無党派層にも支持を広げた。与党候補は選挙戦序盤から劣勢で、政策論で争点を作れなかった。選挙戦後半は野党候補の過去の不動産をめぐる疑惑などを指摘したが決め手を欠いた。無党派層への浸透を図れず、革新支持層も固めきれなかった。(ソウル=鈴木拓也)

◇大統領選めぐる争いは混沌

 両市長選での革新系の与党候補の苦戦は、残り任期1年となった文氏の求心力低下を印象づけた

 今回、最大の争点は高騰を続けるマンション価格などの不動産問題だった。小学6年生の子供がいるソウル市北部に住む主婦(43)は与党を支持してきたが、今回の市長選では野党候補に票を投じた。

 主婦は「人気地域の物件は庶民に届かない存在になった」と感じている。学歴社会の韓国では、有名大学への合格率が高い塾が集まる地域のマンション価格が高騰する。「不動産も教育も子どもの人生がかかった問題。今回は与党から野党に変えないといけない」

 2017年5月の大統領選で政権を取った文氏の支持率は当初70%台を誇り、18年の統一地方選、20年の総選挙でも連勝した。しかし、看板政策の南北関係改善が19年のハノイでの米朝首脳会談の決裂で頓挫した後、世論にアピールできると踏んだ不動産政策で成果を出せなかった

 不動産による資産形成を難しくしようと、関連する税を大幅に引き上げたが、マンション価格の上昇には歯止めがかからず、文政権の発足以来、ソウルでは平均価格が8割近くも上がった。不動産の所有者も税負担増で売りにくくなり、幅広い層の不満がたまった。3月からは公社職員の土地投機疑惑も与党側に打撃となった。

 文氏の支持率が過去最低の30%台前半で低迷するなか、大統領選をめぐる争いは混沌(こんとん)としてきた。

 文氏は局面打開を図るため南北関係改善を訴え続けるが、北朝鮮に応じる気配はない。新型コロナの行方に左右される経済は、ワクチン接種が想定より遅れる。文氏は最近、対日関係の改善にも意欲を見せるが、求心力の低下のあおりで日韓関係改善に踏み出す政治的な余力はさらに弱まりそうだ

 与党の選対責任者の李洛淵(イナギョン)前党代表(68)の支持率は文氏の支持率とともに下落。与党では李在明(イジェミョン)京畿道知事(56)の存在感が増していきそうだ。野党も安泰ではない。世論調査の支持率トップは尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長(60)。保守系と目されるが「国民の力」とは現時点で一線を画す。ソウル市長選では呉氏への一本化に応じて応援に回った中道野党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)代表(59)も人気を保つ。

 韓国政治を30年以上見続ける政治コンサルタント企業の朴聖珉(パクソンミン)代表は「世論は政権交代を望んでいるが、最大野党に有力候補がおらず勢力も分散している。大統領選の構図はまだ見えない」と語る。(ソウル=神谷毅)


もうなりふり構わず国連無視して北支援ですね。