(朝鮮日報 2021/01/14)

〇与党「トリチウムは自然界の物質ではない」
〇KAIST教授「自然界に存在…事実を話しても聞き入れられず」

 与党共に民主党は13日、月城原発からの放射性物質(トリチウム)漏れ疑惑を重ねて指摘し、18日に月城原子力本部を訪れ、現場調査を実施し、徹底した調査と透明な情報公開を要求すると表明した。その上で、「住民が求める官民合同調査委員会の設置も検討していく」と説明した。

 同党では李洛淵(イ・ナギョン)代表が11日、「衝撃だ」と発言し、12日には金太年(キム・テニョン)院内代表が「国会レベルの調査の必要性を検討する」と述べていた。それに続き、18日の現場調査、官民合同調査委の設置にまで言及した格好だ。月城原発の経済性評価ねつ造に関連し、検察が捜査を進めていることに対し、民主党は連日攻勢をエスカレートさせている。野党は「過去に与党が政治的目的で国民の不安をあおった『狂牛病デマ』、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を巡る『電磁波デマ』と変わりない」と批判した。

 特に民主党の環境特別委員会の委員らは記者会見で、「隣接地域の住民の体内からトリチウムが検出されている。トリチウムは自然界に存在しない人工放射性物質だ」と主張した。

しかし、韓国科学技術院(KAIST)のチョン・ヨンフン教授は「トリチウムは自然界に存在する物質だ。事実を話しても聞かず、怖がっている」と語った。

 慶熙大原子力工学科の鄭ボム津(チョン・ボムジン)教授は「トリチウムは水がある場所でよく検出され、月城付近の濃度はもちろん他地域よりも比較的高い」としながらも、「(年間の)被ばく濃度はカタクチイワシ1グラムを摂取した程度だ」と指摘した。鄭教授はまた、民主党の主張の根拠となったMBCの報道について、「月城原発の敷地から1リットル当たり最大で71万3000ベクレルのトリチウムが検出されたというが、それは外部には流出せずに回収され、廃棄物処理基準に従って処理される。危険を誇張し、住民の恐怖心を誘発している」との認識を示した。

 中央大エネルギーシステム工学部のチョン・ドンウク教授は「放射性物質が人体と環境に与える影響は法的に毎年、韓国水力原子力と原子力安全委員会が調査することになっている」とし、「(民主党の主張通りに)実際に数年間漏れていたとすれば、環境影響調査で既に問題になっているはずだが、これまでに環境への影響は見つかっていない」と指摘した。チョン教授は「最も安全に原発を管理することができる方法は使用済み核燃料の貯蔵施設を一日も早く建設することだが、環境団体が月城に乾式貯蔵施設を建設を求めるどころか、それに反対しており、原発閉鎖ばかり主張している」と述べた。


(朝鮮日報 2021/01/14)

 政権側の新聞・放送は最近、相次いで月城原子力発電所の敷地内の地下水が放射性物質のトリチウムで汚染されていると報じた。

すると、民主党は「月城原発1号機の閉鎖決定は国民の安全を守るための当然の措置だったことが確認された」と主張した
。李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は「1年以上月城原発を検査しながら、放射性物質の流出を確認できなかった監査院は何を監査したのかとても疑わしい。原発マフィアとの結託があったのかなどを明らかにすべきだ」と述べた。牛海綿状脳症(BSE)や終末高高度防衛ミサイル(THAAD)を巡るデモを広めたのと同じことをまた始めようとしているようだ。

 原発の建屋の地下集水槽にたまった水から1リットル当たり71万ベクレルの濃度のトリチウムが検出されたという。原発排水の基準値(4万ベクレル)の18倍に達する数値だという。しかし、集水槽などの水は浄化処理されるか、冷却水で希釈されて最終的に10-20ベクレルまで濃度を下げた後、海に排出される。その過程には問題はない。「18倍」というのも、中身を見れば大騒ぎすることではない。放射能濃度4万ベクレルの水を成人が1日に2リットル飲んだとしても、年間の放射線量は医療用CTスキャン1枚を撮影した場合の10分の1にすぎない。デマは科学的事実をよく知らない大衆を「18倍」という数字で幻惑する。

 韓国水力原子力(韓水原)は2014年から2回、月城原発周辺の住民数百人を対象に尿検査を実施した。トリチウムの濃度は最高でも年間の放射線被ばく量がバナナ6本、カタクチイワシ1グラムを摂取した場合と同じレベルだった。月城原発を巡るトリチウム汚染報道は極めて小さい事実を前提に誇張した事実上のフェイクニュースにほかならない。韓水原は月城原発1号機の経済性評価ねつ造を実行した機関だ。月城原発1号機閉鎖の前衛部隊の役割を果たし、文在寅(ムン・ジェイン)政権の言いなりになる機関だ。そんな機関が月城原発1号機の安全性を問題にできず、経済性評価をねつ造しなければならなかった理由は何か。安全性に文句を付けることができなかったからだ

 それでも与党は「衝撃的だ」とか「原発マフィアと結託した」だとかいう反応を示している。脱原発派で占められた原子力安全委員会や韓水原の責任者が「問題はない」と言っているにもかかわらず、与党が無理に針小棒大に事を荒げている

検察は現在、月城原発1号機の経済性評価ねつ造事件を捜査している。文大統領が直接関与している事件だ。トリチウム検出報道に乗じて安全性に難癖を付け、月城原発1号機の閉鎖を合理化しようとしているのだ。国会が監査院に月城原発1号機の監査を依頼したのは、経済性評価が適正かどうかについてだった。監査院に放射性物質の件で言いがかりをつけるのもおかしい。話にならないことを言っている本人たちが承知しているはずだ。

 BSEやTHAADを巡るデマの当時も同様だった。2008年のBSE問題も扇動する歪曲(わいきょく)報道がきっかけだった。14年のTHAADデマもそうだ。脳に穴が開いて死ぬ、THAADの電磁波で人体が加熱されるという主張だった。今聞けば笑えるデマだが、当時には随分と大衆を幻惑した。民主党は月城原発1号機の捜査を阻止するため、デマを再現しようとしている。しかし、BSEやTHAADのデマの経験がある国民にどれだけ通用するかは疑問だ


“信じる”かどうかは科学的根拠ではなく政治思想によってですね。