(朝鮮日報 2020/12/30)

歪曲表記、指摘受け一部訂正
尹東柱は依然として「朝鮮族」
「韓国外交部、より積極的に対処すべき」

 中国最大のポータルサイト「百度(バイドゥ)」が自社の百科事典サイトで、韓国の独立運動家、安重根(アン・ジュングン)と白凡・金九(キム・グ)を「中国国籍の朝鮮族」と最近まで表記していたことが30日、分かった。

 バイドゥは、訂正の要請が続いたことからようやく安重根と金九の国籍情報を「韓国」に変更したが、詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)については依然として国籍が「中国」、民族は「朝鮮」と書かれている。

 外交筋によると、中国人が最もよく利用するポータルサイトであるバイドゥは今年11月まで、自社の百科事典で安重根と金九を中国朝鮮族に分類していた。しかし、これを見た韓国のネットユーザーや市民団体などから強い抗議を受け、人物情報を訂正したことが分かった
※国籍は安重根は『朝鮮』、金九は『韓国』表記。死亡時が大韓民国建国後だったが関係?

 ただ、今年で生誕102周年を迎えた尹東柱については依然として百科事典に「中国朝鮮族」と書かれている

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外交筋は「バイドゥは事実上、中国共産党の宣伝部に統制されている」として「バイドゥが韓国の主要な人物を朝鮮族と分類したということは、北東アジアの歴史を中国中心に歪曲(わいきょく)しようという中国の歴史・外交政策と無関係ではないだろう」と指摘した。

 一部では、韓国外交部(省に相当)が公式に中国政府側に抗議を表明し、バイドゥだけでなく、中国の各機関の資料に記載されている誤った情報を迅速に修正するよう積極的に要求すべき、という指摘も出ている。

 最近、中国の有力メディアや有名ゲーム会社などは「キムチ」と「韓服」が自国の文化だと歪曲して報道したり、歪曲したコンテンツを制作・流布したりして、韓中間で大きな論議を呼んだ。明白な韓国文化が「中国の一部分」と歪曲され、中国社会に向けて何度も発信される状況について、「韓国政府は、中国の一団体の単純ミスまたは慢性的な問題と見なすといった生ぬるい対応をすべきではない」との指摘も出ている。

 韓国外交部は、今回の問題に関する本紙の質問に対し「政府はわが国の独立運動家など主要人物に対する民族表記の誤りを見つけるたびに、中国側に是正を要請しており、本部および公館レベルで随時、中国の主なメディアやウェブサイトなどをモニタリングしている」として「関連事案がデリケートかつ重要であることから、中国側に持続的に修正を要請しており、わが国の歴代大統領など有名な人物に関する民族表記の誤記が修正されたケースもある」と説明した。その上で「政府は歴史問題がわが民族のアイデンティティに関する事案であるという認識の下、中国の歴史歪曲の試みに対し断固として対応している」と述べた。


安重根と金九は現北朝鮮地域の朝鮮国生まれなので『朝鮮族(朝鮮系中国人)』ではないですが、

尹東柱(1917年~)は、曽祖父が現北朝鮮地域から『間島』(中国吉林省延辺朝鮮族自治州)に移住し、そこで生まれた典型的な『朝鮮族』です。ですが、間島は清-朝鮮時代には国境線交渉が合意に至らなかったところでもあります。

ただ、尹東柱が生まれる前の1909年には日清協約により清の領土となっています。

しかし、韓国では「間島は本来朝鮮の領土だったが日本が大陸での権益を得るために中国(清)に売り渡した」というのが“正しい認識”とされており、日清協約は無効という考えです。

さらに、尹東柱は平壌、ソウルの学校に通い、その後日本の学校(立教大・同志社大)
に通うなど中国で過ごしたことはないようです。

そのため、韓国は「尹東柱は韓国(朝鮮)人」と主張していますが、中国が過去に他国領土と認めたこともない現領土の領有権を毀損するような韓国の主張を受け入れることはないでしょうね。