(聯合ニュース 韓国語 2020/11/26)

〇硬い地域政治・政党政治文化…上部組織・同じ党の団体長に反旗
〇来月1日、永久設置決議案の審議控え、ベルリン市民は冷たい風の中デモ

ベルリンは東京、他の都市とは違った。

『平和の少女像』守りをめぐる『ベルリンモデル』には、ドイツ式の地域中心政治文化、市民社会文化がそのまま含まれている

ベルリンの市民社会がモアビート[Moabit]地域の通りに設置された少女像の撤去命令に反対する世論を形成すると、地域政界が反応した。
※ミッテ区:以下5地域からなる。ミッテ(Mitte)、ティアガーテン(Tiergarten)、モアビート(Moabit)、ヴェディング(Wedding)、ゲズント・ブルンネン(Gesundbrunnen)

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▲去る10月13日、ベルリンで少女像守りデモに出た市民

そして、硬い代議民主主義システムの中で、地域議会の解決策摸索につながる構造が作動している。

もちろん、政治過程に介入する外部要素であるロビーと外交も作用している。日本政府関係者らはドイツ連邦政府側に少女像の撤去を要求をした。

日本側のロビーはベルリン市にも伸びた。少女像の管轄地域であるミッテ区庁にももちろんだ。

しかし、少女像の設置許可および撤去問題はあくまでも地域政治の役割だ。それも区単位だ。

特に『ベルリンモデル』では政党の下部地域単位で、上部地域単位の意見を黙殺する姿も見せた

政党の構造が垂直的でないドイツ政治の断面だ。

また、地域団体長が同じ党の所属だとしても支持せず、反対意見を出す姿も見られた。

市民社会の世論形成にはドイツメディアの役割も大きかった。過去の歴史を反省せずに覆おうとする、これまでの日本の試みを今回の事件を通じて光を当てた

第2次世界大戦当時、インドネシアに滞在していたドイツ人女性たちも日本軍の性奴隷になったという事実が、ドイツ社会で初めて浮上した。日本のロビーで始まったことが、日本に掻いてできもの[藪蛇]になった。

ナチスドイツが女性たちに行った戦時性暴行問題も取り上げられた。少女像をめぐる論議が、ドイツの恥ずかしい過去の歴史の一つを顧みる機会になったのだ。

◇同じ党の自治体長・上部政党組織に「違うのではない」

ドイツは内閣制であり連邦制国家だ。議会中心で地域政治が強い。

中央党の有力政治家たちの相当数が青少年、青年時代から党員として加入し、地域政治を経験した後、中央政治の舞台に進出した。

ヨーロッパ連合(EU)執行委員長であるウルズラ・フォン・デア・ライエン[独 Ursula Gertrud von der Leyen]、アンネグレート・クランプ=カレンバウアー[独 Annegret Kramp-Karrenbauer]キリスト教民主同盟代表兼国防長官[相]がそうだ。

社会民主党の総理候補に早目に決定されたオルラプ・ショルツ[独 Olaf Scholz]財務長官も高校生の時から党員として活動して地域政治をした。

ドイツでは地域議員の自律性が強く、地域議会内でも対話を通じた協議および妥協文化が根付いている。

少女像の撤去命令を下したミッテ区庁のシュテファン・フォン・ダセル[独 Stephan von Dassel]庁長は緑の党所属だが、緑の党所属区議員はミッテ区議会の『設置期限(1年)尊重決議案』に賛成票を投じた

緑の党区議員は市民社会の反発が起きると、いち早く芸術の自由が他国の政治的意志で制約を受けてはならないという立場を示した。

同じ党の議員が背を向けたことは、ダセル庁長に相当な打撃となった。

社会民主党区議員は、社会民主党が連合政府の主軸であるベルリン市に反旗を翻した

先月25日付の日刊ターゲスシュピーゲル[独 Der Tagesspiegel]によれば、ベルリン市社会民主党所属の高位級人士は先月12日にダセル庁長に送った文書で「少女像と碑文の設置の許可撤回を命令したミッテ区庁の決定を明確に歓迎する」と感謝の気持ちを表わした。

ベルリン市の立場が日本側の論理に傾いたとことを窺うことができる地点だ。

しかし、ミッテ区の社会民主党支部は、碑文の修正を条件に掲げたが撤去命令に反対した。『設置期限尊重決議案』に賛成したのはもちろんだ。

『設置期限尊重決議案』を出した政党がミッテ区議会で1番小さな海賊党[独 Piratenpartei]という点も注目すべき地点だ。

◇連邦議会の仲裁努力も…見当違いをしてとんでもない所へ向かう

少女像の設置および撤去命令をめぐる論議は連邦下院でも関心を持っている。

日本議員が乗り出したことも作用したのだろう。

ドイツ議員親善会事務総長[日独友好議員連盟 事務局長]である城内実,日本衆議院議員は、全ミッテ区議員に映像メッセージを送って「少女像の本当の目標は日本に反対する政治的に否定的なキャンペーンを繰り広げること」としながら「芸術作品でなく虚偽事実に基づいた感情的操作道具」と主張した。

連邦下院議員はドイツ式仲裁の試みたが、見当違いをしてとんでもない所へ向かうこともした。

先月、撤去命令に対する市民社会の反発が激しい時、連邦下院緑の党のある議員が当時チョン・ボムク駐ドイツ韓国大使に、韓日大使館間の仲裁テーブルを作るから一緒に議論してみようと非公式的に提案したという。

事実上、日本軍慰安婦被害者問題を反日民族主義から始まった韓日間の外交紛争事案だとドイツを説得してきた日本側の論理が投影された提案だった。

これを受け入れていたら、その瞬間、日本の罠にかかることになった。

特に少女像の設置を戦争被害女性に対する普遍的な人権問題としてドイツ当局を説得してきた市民社会の努力にも冷水を浴びせただろう。

もちろん、当時チョン大使はこれを断ったという。

◇少女像の運命を決定する会議を控え、ベルリンの代表的広場でデモ

少女像の運命はまだはっきりと決定されていない。公式には撤去命令が保留になった状態だ。

ただし、設置期限である1年間は維持される可能性が大きくなった。ミッテ区議会の設置期限を守るという決議案の採択で、ミッテ区庁の撤去命令は効力を失うこととなった。

今は碑文の修正をするかどうか、永久設置にするかどうかなどが残っている。

ミッテ区議会は来月1日、左派党が提出した少女像永久設置決議案を審議する

現在、ミッテ区庁は碑文に戦争被害女性に対する普遍的な内容を追加する案をめぐって検討している

ダセル庁長は先月13日、撤去命令の保留を決め、少女像設置を主管した現地市民団体コリア協議会(Korea Verband)と日本側の利益を公正にする折衷案を講じると述べた。

この地点でも、市民社会の地域議会説得努力、日本側のロビーなどの様々な要素が作用して結果が出るものと見られる。

ベルリン市民は25日夕方、ミッテ地域でベルリンの最も代表的な広場の一つであるジャンダルメンマルクト[独 Gendarmenmarkt]でデモを行った

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▲25日、寒い気候にもかかわらず、ベルリンのジャンダルメンマルクト広場で少女像守り集会に出た市民

永久設置決議案の審議を控え、市民社会の念願を伝え、少女像設置の正当性を論理的に伝えたのだ

100人余りの参加者が少女像を連想させて椅子に座った。コリア協議会、全国的組織の極右反対市民団体であるオマス・ゲゲン・レヒツ[独 Omas gegen Rechts]、全世界の性暴行生存者のための現地市民団体であるメディカ・モンディアル[独 medica mondiale]会員たちと市民が参加した。

ベルリン少女像の存続問題をめぐる今後の過程も険しいが、ドイツ式対話と討論文化は確固たる正当性を持つ少女像の側に近いようだ

ヴィーラント・ワーグナー[独 Wieland Wagner]シュピーゲル紙[独 Der Spiegel]元アジア特派員は先月31日付日刊ターゲスシュピーゲル[独 Der Tagesspiegel]の寄稿文で「ベルリンは東京ではない」とし「ミッテ区のキリム碑をめぐる論争で役立つのはただ透明性だ。キリム碑を無理に片づける代わりに、民主的な権利を持つ国に相応しいように公開的に討論することが、今捉えなければならない機会」と述べた。(機械翻訳 若干修正)