(朝日新聞 2020/11/25)

 菅義偉首相は25日、来日中の中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相の表敬訪問を受けた。日本側によると、首相は中国公船による尖閣諸島周辺海域への領海侵入をめぐり、中国側の前向きな対応を強く求めた。国家安全維持法などで統制が強まる香港情勢についても、懸念を伝えたという。中国外務省は同日、前日の外相会談で合意した日中のビジネス関係者の往来を、30日から開始すると発表した。

 首相が中国高官と面会するのは就任後初。首相は会談の冒頭、「両国の安定した関係は国際社会にとっても重要だ。共に責任を果たしていきたい」と述べた。

 中国側の発表によると、王氏は会談で習近平(シーチンピン)国家主席のメッセージを口頭で伝え、「正常な軌道に戻った中日関係を大事にしたい」などと述べた。一方で「互いを信頼し、敏感な問題を適切に処理することも大事だ」と主張したという。王氏は会談後、尖閣をめぐって記者団に「(日本側の)漁船が繰り返し敏感な海域に入っている。このような船舶を入れないようにするのがとても大事だ」と強調し、この問題で一歩も譲らない姿勢を鮮明にした

王氏の発言は中国外務省も直後に公表した

 王氏は前日の日中外相共同記者発表でも同様の発言をした。日本外務省の吉田朋之外務報道官は、25日の会見で「王氏の発言は中国側の独自の立場に基づくものでまったく受け入れられるものではない」と反論。両国間で歩み寄りが見られず、問題の根深さが改めて浮き彫りになった形だ。

 首相表敬に先立ち王氏は同日、東京都内で自民党の二階俊博幹事長らと昼食をともにした。日本側関係者によると、二階氏らは日本の農産品に対する輸出規制の早期撤廃を要求。中国側の発表によると、王氏は「両国の世論改善を推し進めることが重要だ」と中国との関係が深い二階氏の役割に期待を示し、二階氏は「自民党は日中関係の安定と発展に尽力する」と応じたという。

 懸案となっている習氏の国賓訪日については、いずれの会談でも公式の言及はなかった。首相表敬前、王氏は朝日新聞の取材に「(今回は)具体的な協議にはならない。双方が適切な条件と環境を醸成する必要がある」とのみ語った。王氏は25日夜、次の訪問先である韓国へ発った。(安倍龍太郎、北京=冨名腰隆)


(時事通信 2020/11/25)

 菅義偉首相は25日、来日している中国の王毅国務委員兼外相と首相官邸で約20分間会談した。首相は、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵入や、中国が統制を強める香港情勢に懸念を伝え、中国側の「前向きな対応」を強く求めた。同時に、安定した日中関係の重要性も訴えた。

 冒頭、首相は「両国の安定した関係は地域、国際社会にとっても重要であり、ともに責任を果たしていきたい」と呼び掛けた。日本産食品の輸入規制撤廃や、日本産牛肉の輸出再開、精米の輸出拡大に理解を要請。拉致を含む北朝鮮問題でも中国の協力を求めた。

 一方、王氏は会談後、記者団の取材に応じ、尖閣周辺海域での日本漁船の活動に触れ、日本側が「既存の共通認識を破壊した」と主張。こうした現状を改めることで「問題を沈静化させることができる」と語った

 延期されている習近平国家主席の国賓来日に関する質問には直接答えず、2022年の日中国交正常化50周年が「重要な節目」と指摘。「強固な基盤を築き、良い環境をつくって両国関係のさらなる発展を促したい」と述べた。

 両氏は、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ経済の回復に向けた連携を確認。王氏は「感染症対策と経済回復で協力する用意がある」とする習氏のメッセージを首相に伝えた。日中両外相は24日、ビジネス関係者の相互往来を月内に再開することで合意している。


(中国外交部 2020/11/25)

  当地时间2020年11月25日,国务委员兼外长王毅在东京就钓鱼岛问题应询表示,中方高度关注钓鱼岛最近的情况。事实是,近一段时间,日方一些来历不明的渔船反复频繁进入钓鱼岛敏感海域,中方不得不作出必要反应。对于这个问题,中方立场是明确的,我们将继续坚定维护自身主权,同时也提出三点希望:一是双方要切实恪守中日达成的四点原则共识;二是要避免在敏感海域采取使事态复杂化的行动;三是一旦出现问题,应及时沟通,妥善处理。王毅说,中日双方应共同努力,真正把东海建设成和平之海、友好之海、合作之海,这符合中日两国人民的根本和长远利益。


2020年11月25日
日中外相共同記者会見で中国外相「真相が分かっていない日本漁船が釣魚島周辺水域に入っている。やむを得ず非常的な反応をしなければならない。自国の主権を守っていく」アル!

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