(日本経済新聞 2020/11/21)

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米アップルのスマートフォンの構成部品で韓国メーカーの存在感が高まっている。新型の「iPhone12」を分解調査したところ、価格ベースで韓国製の比率が27%と前モデル(iPhone11)と比べ9ポイント上昇し、日本との差が広がった。サムスン電子製を中心に有機ELパネルの採用が増えた。日本が強みを持つ分野が限られてきた。

調査会社のフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ(東京・江東)による10月に発表された「iPhone12」の分解調査を、日本経済新聞社が分析した

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アップルは複数メーカーから調達している。今回分解した端末をベースにしたフォーマルハウトの推計によると、iPhone12の原価は373ドル(4万円弱)。このうち27.3%を韓国、13.2%を日本が占めた。2019年秋に発売したiPhone11と比べると韓国は9.1ポイント上昇し、日本は0.6ポイント低下した米国の比率は25.6%で、前モデルに比べて0.2ポイント下がった。

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背景にあるのがディスプレーの主役の変化だ。12シリーズは液晶から画像が鮮明な有機ELパネルに全面的に移行した。有機ELパネルで世界シェアトップのサムスンの供給が大きく伸びたとみられる

一方、アップルの主要ディスプレー供給メーカーの日本のジャパンディスプレイ(JDI)はスマホ向けは液晶しか供給できず、12シリーズでゼロとなった。有機ELはかつてソニーやパイオニアなど日本勢が開発で先行したが、その後の韓国勢との投資競争についていけず、韓国メーカーの独壇場だ。

フォーマルハウトによると、有機ELパネルの想定価格は1枚70ドルと部品原価総額の約2割を占めるという。部品で最も価格の高いパネルで韓国勢が優位性を確立したことが、部品シェア躍進につながった。

韓国勢はフラッシュメモリーでサムスン、DRAMでSKハイニックスと10ドル以上の高価格の部品供給で強さが目立つ

一方、日本勢はカメラの画像センサーでソニー製のCMOSが使われ、電圧を安定させる機能などがある積層セラミックコンデンサーで村田製作所が高いシェアを維持している。

ただ、ソニーのCMOSの推定原価は1つ7.4~7.9ドル。コンデンサーはiPhone1台で数百個使用されるが、総額でも数ドル程度だ。

初の次世代通信規格の5G対応となったiPhone12では「対応する電波数が増え、セラミックコンデンサーなど日本勢が強い受動部品の数が拡大した」(フォーマルハウトの柏尾南壮ディレクター)という。それでも単価は低く、金額ベースのシェア向上につながらなかった。

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日韓のサプライヤー以外では、米国勢でクアルコムが通信用半導体、テキサス・インスツルメンツ(TI)がアナログ半導体の供給を維持している。全体の部品原価が上昇する中、高額品を韓国勢に押さえられたことでシェア後退を許した。米中テック戦争の影響が懸念される中国製の部品は全体の5%未満だった。

調査会社IDCによると、20年の世界スマホ出荷台数は前年比約12%減の12億台に落ち込むもようだ。スマホ全体の成長鈍化はコロナ前から顕在化しており、iPhoneの中長期的な出荷拡大余地も限られそうだ。ある部品メーカーの幹部は「アップルの値下げ要請も強まり利益率がさらに低くなりかねない」と話す。(松元則雄)


早速韓国では、こんな↓タイトルを付けた引用記事が出てますね。

『アイフォーン12』売れる度に日本泣いて韓国笑う?…「韓日格差さらに広がる」(アジア経済)
「韓国部品の独壇場になった」アイフォーン12開けてみた日本メディアため息(中央日報)