(朝日新聞 2020/11/17)

 世界貿易機関(WTO)の事務局長選で、落選が確定的になった韓国の候補が「敗北宣言」を出せず、韓国政府が対応に苦慮している。本命のナイジェリア候補に反対するトランプ米政権から、負けを認めずに選挙戦に踏みとどまるよう求められているからだ。

 バイデン次期大統領が米大統領選の勝利宣言をした2日後の9日、韓国の康京和(カンギョンファ)外相はワシントンでポンペオ米国務長官と会談した。韓国外交省によると、会談ではWTO事務局長選への対応が協議されたが、結論は出なかった

 事務局長選には8人が立候補し、最終的にナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相と、韓国の兪明希(ユミョンヒ)・通商交渉本部長の2人に絞られた。事務局長の選出は164加盟国・地域の全会一致が原則で、意見集約の結果、オコンジョイウェアラ氏への支持が大勢を占めた。WTOの選考事務局は、オコンジョイウェアラ氏への推薦を決めた。

だが、これに米国が反対を表明。兪氏を支持すると強調した。理由は明確に示していないが、ナイジェリアは多額の投資を中国から受けており、「中国の影響力がWTO内で強まることを嫌った」(日本政府関係者)との見方が支配的だ。次期事務局長を9日の一般理事会で選出する予定だったが、延期となった。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、兪氏が立候補表明した6月下旬以降、ドイツやロシア、豪州、インド、ブラジルなど10カ国以上の首脳に電話で支持を要請するなど、全面的に支援。兪氏は最後の2人に残る健闘を見せたが、韓国の与党関係者は、「途上国に影響力を持つ中国の支持を取り付けるなど、本気で勝ちに行く外交努力は見えなかった」と話す。

 ソウルの外交筋によると、文政権は兪氏の敗北を宣言するタイミングを模索。だが、選挙戦からの撤退を許さないトランプ政権の意向は強く、対応に苦慮しているという

 WTOのトップを選出できない状況が長期化すれば、批判の矛先は米国だけでなく、韓国にも向けられかねない。韓国の与党関係者は、「トランプ自身は大統領選の敗北を認めないが、韓国がすでにレームダック(死に体)になったトランプに遠慮する必要はない」と懸念する。(ソウル=鈴木拓也)


(聯合ニュース 2020/11/17)

 韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は17日、立候補している世界貿易機関(WTO)事務局長選から撤退する意向がないことを示唆した。

 兪氏は出演したラジオ番組で、候補から辞退する可能性が取り沙汰されていることに関し、「辞退は第1ラウンド、第2ラウンドで次の段階に進出する候補を決定するときに行うもので、第3ラウンドは最終候補を対象にコンセンサス(合意)を形成するプロセスだ」と述べて事実上、撤退を否定した。また、建設的な協議をするため、合意形成には予想よりも時間がかかるとの見方を示した。

 当選の可能性を問われると、「主要国と協議しながらコンセンサス形成プロセスに加わる」と述べるにとどめた。

 WTO事務局長選で、兪氏はナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相とともに最終候補に残ったが、加盟国を対象にした調査でオコンジョイウェアラ氏がより多くの支持を集めた。

 これを受けてWTOはオコンジョイウェアラ氏を事務局長に選出しようとしたが、米国が反対を表明し、決着がついていない。


以前あったように「4年の任期を6年に延ばして3年ずつ」なんてことにならなきゃ良いですが・・・