(時事通信 2020/09/01)

 香港の林鄭月娥行政長官は1日の記者会見で「香港に三権分立はない」と述べた。香港の学校教科書から三権分立に関する説明が削除されたことを受け見解を示した形だが、政府トップの行政長官が明確に三権分立を否定する発言を行うのは異例だ

 林鄭長官は「香港では行政、立法、司法機関が相互に協力しバランスを取るが、この三つの機関は最終的には行政長官を通じて中国政府に責任を負う」と説明。

三権はあくまで中国政府が承認したものであり、香港の体制は「行政主導のシステム」との認識を示した


(共同通信/産経新聞 2020/0901)

 香港政府の林鄭月娥行政長官は1日、定例記者会見で「香港は三権分立ではない」と明言し、行政が立法、司法を上回る権力で主導する体制だと指摘した。香港国家安全維持法(国安法)により香港社会への統制が強まる中、民主的な政治体制を否定した形だ。

 香港基本法(憲法に相当)には三権分立は明記されていないが、三権が相互に抑制し、バランスを保つ仕組みが定められており、民主派を中心に香港の政治制度は三権分立と見なされてきた。

 これに対し中国当局や香港の親中派はかねて三権分立を否定し、香港の政治制度は「行政主導だ」と主張してきており、争いがあった

 会見では、高校の教科書改訂で「三権分立」の記述が削除されたことをめぐり記者が質問。林鄭氏は、これまで争いがあったのは政府の宣伝や教育が不足していたためだと説明し「今日から、今の政府から誤りを正し、勇気を持って正しいことを言わなければならない」と述べた