(朝鮮日報 2020/08/10)

〇外交関係者「1泊3日の強硬日程…ウェブ会議ではできない敏感な事案?」

 康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が9日、独ベルリンに向かって出発した。「新型コロナウイルスの世界的大流行」が始まる前の2月以来、6カ月ぶりの海外訪問だ。外交部当局者は「康京和長官は10日(現地時間)にハイコ・マース独外相と第2回韓独戦略対話などを行い、11日午後に帰国する予定だ。新型コロナウイルス対応協力、国際情勢意見交換、各種事案に関する両国協力案などを話し合う」と明らかにした。

 しかし、ドイツは、新型コロナウイルス感染拡大により訪問外交が全面的に中断される直前の2月に康京和長官が訪問した欧州3カ国(ドイツ・スイス・英国)の一つだ。6カ月ぶりに海外訪問を再開するにあたり、米国(防衛費交渉の行き詰まりや在韓米軍削減の可能性)、日本(徴用賠償問題)、ニュージーランド(外交官セクハラ〈性的嫌がらせ〉問題)など大きな外交懸案が取りざたされている国々ではなく、緊急懸案もない国を再び訪問する背景をめぐり、さまざまな憶測が出ている

 ある元外交部次官は「康京和長官がドイツを『1泊3日』という強硬日程で再訪するのは、ウェブ会議では解決が難しい敏感な事案があるからだ。ドイツに『韓国の主要7カ国首脳会議(G7サミット)拡大会議参加』協力を要請する可能性が高い」と語った。

 従来のG7サミットに韓国・ロシアなどを入れてG11に拡大しようと提案したドナルド・トランプ米大統領の構想に対し、ドイツは公式に反対している。マース外相は6日、報道機関とのインタビューで、「G7とG20は合理的に組織された(別個の)枠組みだ。我々はG11やG12が必要でない」と述べた。康京和長官の海外訪問の「真の使命」が「ドイツの見解を変えること」にあるという見方が出ているのもこのためだ。青瓦台は、トランプ大統領が今年5月に提案したG7拡大案には即座に歓迎メッセージを出したが、従来のG7維持の必要性を表明した日本に対しては「恥知らずのレベルが全世界最上位圏」と敏感に反応した。


(中央日報 2020/08/11)

ドイツのハイコ・マース外相が主要7カ国(G7)拡大問題をめぐり「今回のG7首脳会談に韓国が参加することをとても歓迎する」として「韓国は国際的に重要な国」と10日(現地時間)、明らかにした。

この日、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官がドイツ・ベルリンを訪問してマース外相と「第2回韓独外相戦略対話」を行ってから記者会見を行った

マース外相の発言は一見韓国のG7首脳会議への出席を歓迎するような言及だったが、G7の正式メンバーへの合流を意味するのかは定かでなかった

ただし、康長官は同じ質問に「韓国が米国側から(G7に)招待されたことを歓迎し、積極的に賛成する」としつつも「これを越えてG7拡大問題はマース外相がおっしゃった通り、国際社会の枠組みの中で議論を経て進展を遂げるべき状況だと考えている」と答えた。

外交部がその後配布した報道資料にもマース外相は「今秋、G7首脳会議が開催される場合、韓国が参加することを歓迎する」と発言したと記されていた。

外交部や康長官の説明によると、ドイツが韓国を含むG7の永久的な拡大を賛成したとみることは難しかった。マース外相がロシアのG7会議への参加に対しては「クリーム半島の併合とウクライナ東部紛争を先に解決しなければならない」として明らかに反対の意向を明らかにしたのも「G7体制拡大を望まない」というドイツのかつての立場と軌を一にした。

康長官は「(G7)議長国によって議題が決まるが、韓国が十分に寄与できる力があると考える」ともした。

これに先立ち、今年G7首脳会議の議長国である米国のドナルド・トランプ大統領は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「G7拡大が必要だ」として韓国の参加を求めた。

これを受け、マース外相は先月26日(現地時間)、ドイツの日刊紙ライニッシェ・ポストとのインタビューで「G7と主要20カ国(G20)は合理的に組織された体制」として「ドイツはG11かG12を必要としない」として事実上反対の立場を明らかにした。

ただし、新型肺炎でG7対面会議が開かれることも不透明という見方も外交街から出ている。トランプ大統領が6月開催しようとしたG7会議は新型肺炎で9月に延期された。それでも米国では9日(現地時間)を基準に新型肺炎による感染者数が500万人を突破するなど依然として落ち着いていない。

両国の外相記者会見では駐独米軍縮小に関連した質問もあった。康長官は「韓国とドイツにおいて米国は安保政策にとても重要な軸であり、駐独米軍の縮小問題を(韓国も)注意深くみている」として「在韓米軍の縮小問題は全く議論されたことがない」と答えた。

マース外相は「駐独米軍はドイツを含む欧州の安保のためのもので、多くの米軍は欧州にそのまま駐留することになるだろう」と話した。

外交部はマース外相が韓国の対北朝鮮政策に支持を示し、康長官は謝意を表したとも伝えた。康長官は「韓国と北朝鮮関係が膠着状態に陥っているにもかかわらず、北朝鮮の核問題の平和的な解決が重要だということで両国が意見を一致した」として「韓国は北朝鮮が対話に早急に復帰するように促し、韓半島(朝鮮半島)の平和プロセスの実質的進展をさらに強化していくだろう」と明らかにした。

康長官は世界貿易機関(WTO)事務局長選に出馬した兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長へのドイツ側の支持も呼びかけた。

康長官の今回のドイツ訪問は新型肺炎が急増した2月以降6カ月ぶりの海外出張だった。

韓国とドイツは2017年7月、文在寅大統領のドイツ訪問の際、両国外相戦略対話を発足させた。2018年7月マース外相がソウルを訪ね、康長官が2年ぶりにベルリンを訪問した。


何の手土産もなく(もしくは韓国だけが価値があると思っている手土産をもって)行ったんでしょうね。

先月の拡大反対表明時にロシアに言及し、また中国がドイツの最大の貿易相手国のためG7の『反中国連帯』化に積極的ではないでしょうから、韓国としては「トランプから『ロシアは除く』と確約を得た」くらいのことがないと交渉にならないと思うんですがね。

韓国単独行動で、これら問題をドイツが受け入れて拡大賛成に翻意するような条件を出せるとは思えないですね。



開催が延長された上、議長が変わる可能性も出てきましたね。

(時事通信 2020/08/11)

 トランプ米大統領は10日、ホワイトハウスで記者会見し、先進7カ国首脳会議(G7サミット)を11月の米大統領選終了後に開催する意向を示した。G7サミットをめぐっては、8月下旬から9月下旬の間での開催が検討されていた。

 トランプ氏は「大統領選後の開催に傾いている」と述べ、周囲にもその意向を伝えたと明らかにした。その上で「(大統領選後の方が)落ち着いた雰囲気で、G7サミット開催にも良いだろう」と説明。対面形式にするかビデオ会議形式にするかは未定という。

 ロシアのプーチン大統領を招待するかと問われると「(プーチン氏は)重要な要素だ。もちろん招待するだろう」と強調した。トランプ氏はこれまでにもロシアやインドなどの参加を提唱している。


大統領が変わることになっても(トランプの任期は来年1月まであります)アウトリーチ(オブザーバー)で招待されることはあるでしょうが、議題に『G7拡大』が入る可能性はなくなるじゃないですかね。