(聯合ニュース 韓国語 2020/08/05)

右翼史観を強弁するという批判を受けた日本出版社『育鵬社』の教科書が最近、一線学校の教科書選定で相次いで脱落した。

5日、朝日新聞によれば、横浜市教育委員会は昨日の定例会議で、来年から4年間、市立中学校で使用する教科書に育鵬社ではなく他の出版社の教科書を選択した

これらは来年から、歴史は帝国書院の教科書を、公民(社会に該当)は東京書籍の教科書を使用することを無記名投票で決めた。

育鵬社の歴史および公民教科書は、横浜の147校の中学校(在学生約7万7千人)で使われていたが、今回の決定で来年から横浜市立学校から退出される。

これに先立ち、東京都、神奈川県藤沢市、大阪府の河内長野市・四条畷市なども来年からは育鵬社の教科書ではなく他社の教材を授業に使用することに決めた

横浜は、同じ教科書を使うように一つにまとめられた区域の中で全国最大規模であり、この出版社の教材採択率は来年にかなり低くなるものと予想される。

文部科学省によれば、今年度基準で育鵬社の教材の全国採択率は歴史6.4%、公民5.8%だ。

育鵬社の歴史教科書は、日本が起こした侵略戦争を正当化し、歴史の暗い側面を直視していないという批判を受けてきた。

公民の場合、憲法に対する一般的な理解とかけ離れた説明が多く、国民の権利より義務を強調するという指摘を市民団体などから受けてきた

日本企業フジ住宅に勤める在日韓国人女性が提起し、最近、1審判決が下された訴訟では、会社側が育鵬社の教科書採択率を高めるために教科書採択に影響を与える質問作成などを職員に組織的に勧告したことが明らかになった。

育鵬社の教科書が採択されなくなったのは、様々な論議の他にも、安倍晋三政権が推進した、いわゆる教育右傾化政策も影響を与えたという分析が出ている

各出版社が出した教科書の内容が、すでに政権の好みに合わせてかなり修正され、これにより、あえて育鵬社を教材に選択する必要がなくなったためという意味だ

浪本勝年,立正大名誉教授(教育政策)は「法律や制度の変更で『自虐的』とされた記述が減り、以前と比べて教科書同士の差が縮まった。教育委員が保守系の人物であっても、育鵬社を無理に選択する必要が薄れたのではないか」と朝日に意見を明らかにした。

保守・右翼勢力は、日本の歴史的誤りを批判的に記述した教科書が『自虐史観』を含んでいると非難してきたが、安倍政権が7年以上続く間、このような内容が大幅に減ったという意味と見られる。(機械翻訳 若干修正)


育鵬社版、横浜市継続せず 中学歴史・公民教科書 全国最大地区
(朝日新聞 2020/08/05)

 来年度から使われる中学校用教科書の採択が全国各地で進むなか、歴史認識や憲法観などをめぐって賛否が分かれる育鵬社の教科書を選ばず、他社版に切り替える動きが相次いでいる。4日には、同一の教科書を使用する地区として全国最大の横浜市で採択があり、歴史と公民のいずれも、12年度から使い続けている育鵬社版をやめ、他社版を選んだ。

 この日、横浜市教育委員会の定例会が開かれ、教育長と5人の委員の計6人が無記名投票した。歴史は4人が推した帝国書院版、公民は5人が推した東京書籍版に決まった。育鵬社版を推したのは歴史2人、公民1人だった

 横浜市は09年に18区中8区で「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社版の歴史を採択。11、15、19年は全市一括で育鵬社版の歴史と公民を選んだ。

 文部科学省によると、育鵬社版の20年度の全国での採択率は冊数で歴史6・4%、公民5・8%。147の市立中(在校生約7万7千人)が使う横浜市の選択が数字を押し上げてきた。

 育鵬社の教科書をめぐっては、歴史は「過去の戦争を正当化し、負の側面を直視していない」、公民は「標準的な憲法の理解から外れた記述が多く、国民の権利より義務を強調している」といった批判が市民団体などから出ていた。

 ■縮まる記述差、切り替え相次ぐ

 これまで育鵬社版を使ってきた自治体の状況をみると、栃木県大田原市では継続が決まったが、東京都(都立中高一貫校)、神奈川県藤沢市、大阪府の河内長野、四條畷両市などが他社版に切り替えた。

 浪本勝年・立正大名誉教授(教育政策)は切り替えが相次ぐ背景に、「法律や制度の変更が影響している」とみる。2006年に第1次安倍政権下で成立した改正教育基本法は、「教育の目標」に「我が国と郷土を愛する」「伝統と文化を尊重」などの項目を盛り込んだ。14年には第2次安倍政権下で教科書検定基準が改められ、近現代史で通説がない数字に触れる際はそのことを明示▽政府見解や最高裁判例がある場合はそれに基づく記述をする、と決まった

 教科書では、関東大震災時に虐殺された朝鮮人の人数が「数千人」から「数百人~数千人」に変更されたり、領有権をめぐって隣国と争いがある竹島や尖閣諸島の記述が増えたりした

 浪本名誉教授は、1997年設立の「新しい歴史教科書をつくる会」が従来の教科書を「自虐的」と批判したことに触れ、「一連の法律や制度の変更で『自虐的』とされた記述が減り、以前と比べて教科書同士の差が縮まった。(教科書を採択する立場の)教育委員が保守系の人物であっても、育鵬社版を無理に選ぶ必要性が薄れたのではないか」と話す。

 育鵬社版を使う大規模自治体では、大阪市の採択日が8月下旬。今は他社版を使う名古屋市は7月29日の採択予定日に議論がまとまらず、歴史と公民のみ7日に再協議する。(吉野慶祐)