(東亜日報 2020/07/29)

1886年、朝鮮と国交を結んだサディ・カルノー・フランス大統領は、陶磁器二セットをプレゼントした。セーヴル陶磁器製作所で作られた「白磁彩色サラミナ瓶」と「クロディオン瓶」だ。サラミナ瓶は、国立故宮博物館の所蔵品として残ったが、クロディオン瓶一セットは消えた。失われたと思っていたクロディオン瓶が最近、ひょんなことに東京プリンスホテル[ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町]のレストランで見つかった。高宗(コジョン)[李氏朝鮮第26代国王、大韓帝国初代皇帝]にプレゼントされた陶磁器が日本に渡った事情は何だろうか?

クロディオン瓶は、深くて神秘的なコバルト色と筆の跡がかげろうのように残っている名品だ。金属酸化物の大半が1000度で分解するので、青い色を出すためには最高級の技術が必要となる。だからクロディオン瓶の青い色を「セーヴルブルー」とも呼ぶ。つまみと外郭には金枠が張り巡らされている。

朝鮮王室で使われた洋風陶磁器を披露する「新ロイヤル陶磁」展を準備していた国立故宮博物館の学芸チームは、クロディオン瓶の所在を写真で追跡した。1918年には大韓帝国皇室の家族写真で、その様子が確認された。ところが、1950年代は日本東京の英親王邸宅の写真でクロディオン瓶が発見された。英親王の赤坂邸宅が1930年に完成し、石造殿家具の一部が渡ったが、この時、クロディオン瓶も一緒に渡ったと、学芸チームは推測している。

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1955年に英親王の邸宅は、西武グループの創業者・堤康次郎(1889~1964)に売却された。以後西武グループの系列会社であるプリンスホテルで利用された後、2016年に改装を経て、現在はフレンチレストランと結婚式場として運営している。レストランが英親王邸宅の構造と内装をそのまま活用したので、クロディオン瓶も90年以上残っているという

クァク・ヒウォン研究士は、「日本でクロディオン瓶を直接見た時は鳥肌が立ったが、すぐに磁器に込められた近代朝鮮王室の悲しい歴史が浮かんで、心が痛かった」と打ち明けた。氏は、「現在プリンスホテルの旧館である英親王の邸宅は、撤去の危機にもさらされたが、ホテル側がその気を変えて幸い原型を維持している」と付け加えた。

その後、クロディオン瓶は、国内に戻ったのだろうか?現在は、民間企業である西武グループが所有して不透明な状況だ。第二次世界大戦で敗亡後、日本皇族の財産が没収される時、皇族メンバーだった英親王の邸宅も不動産業者に渡った。学芸チームは、作品のレンタル協議も進めたが、新型コロナにより余裕がなかった。クァク研究士は、「まずは海外所在文化財を確認したことに意味を置いている」と語った

29日から10月4日まで。無料。お問い合わせは02-3701-7652まで。


赤坂プリンス クラシックハウス(旧李王家邸)外観

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現在も邸内のレストラン『LA MAISON KIOI(ラ メゾン キオイ)』に飾られていますね。

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今後『○○還収委員会』ができてやって来るんでしょうね。