(韓国経済新聞/中央日報 2020/06/30)

日本政府は昨年7月1日、半導体・ディスプレーの核心素材3品目に対する韓国輸出規制を宣言したが、輸出を1年間認めなかったものはないことが把握された。韓国の半導体・ディスプレー生産に大きな支障が生じないのは、一部の国産化および輸入先多角化のためでもあるが、最も大きな理由は日本政府が「脅しただけでアクションを取らなかった結果」と考えられている

これは日本が当初の意図とは違い国際社会の非難を考慮したためという分析が出ている。日本政府は昨年7月以降も引き続き韓国が戦略物資関連管理を徹底していないため輸出規制をすると主張してきた。しかし韓国だけでなく国際社会、日本国内でも歴史問題に関連して日本が輸出報復をするという認識が強かった。このため日本当局は3品目の輸出を2、3カ月遅延させて韓国企業に圧力を加えたが、全面的な輸出禁止にはしなかった

日本が核心素材の輸出を禁止して韓国の半導体・ディスプレー生産に支障が生じれば、グローバル産業生態系を破壊したという国際的な非難を浴びることを懸念したのだ。韓国産を使用する米国や中国など世界の主要電子企業の生産に大きな支障が生じるからだ。その代わりに韓国の管理問題を取り上げて輸出基準を厳格にすることで「輸出規制は強制徴用被害者判決に対する経済報復ではない」という自国の主張を合理化し、問題の原因が韓国にあるように見せかけた。

日本は米国も意識した。韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了カードを取り出し、米国が中国を牽制する韓国・日本の連携に問題が生じてはいけないと主張したのが、安倍政権に影響を与えたということだ。

韓国が過去1年間に核心素材管理問題を解決したため、日本主要メディアも日本政府の輸出規制の名分が消えたと指摘している。しかし強制徴用被害者問題の解決なしに日本政府が先に輸出規制を解除する可能性は低いという見方が多い。韓国の裁判所が差し押さえた日本戦犯企業の資産を現金化する場合、これを名分にして新たな経済報復を準備するということだ。


(韓国経済新聞/中央日報 2020/06/30)

昨年6月30日に日本政府が半導体製造の核心素材である高純度フッ化水素とフォトレジスト(感光液)、ディスプレー工程用フルオリンポリイミドの韓国への輸出を規制することにしたという産経新聞の報道が出た。サムスン電子とSKハイニックスは規制施行の7月4日より前に少しでも多くの量を確保するため購買担当役員らを日本をはじめとする海外に急派した。在庫でしのげる期間は約2カ月だった。日本政府が同年8月にフォトレジストとフッ化水素輸出許可を出さなかったなら乗り越えられなかったというのが半導体業界関係者らの話だ

韓国政府は「国産化」を掲げて素材・部品・装備産業(素材・部品・装備)支援に出た。それから1年。一部成果はあった。日本製と対等な品質の液体フッ化水素を開発したのが代表的だ。だが極端紫外線(EUV)露光工程用フォトレジストと超高純度の気体フッ化水素の国産化の知らせはまだない。「調達先を多角化すべきだが日本との協業を無条件で排除する必要はない」という指摘が産業界と学界から出る理由だ。

◇液体フッ化水素は国産化成功

韓国政府は「素材・部品・装備国産化政策」の結果に対し肯定的な評価を相次いで出している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日に青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)で開かれた首席秘書官補佐官会議で「この1年、奇襲的な日本の措置に揺らがず正面突破し禍転じて福となす契機になった。ただ1件の生産支障もなく、核心品目の安定的供給体制が構築されるなど『だれも揺さぶることはできない強い経済』に進む道を開いた」と自評した。

もちろん一部成果はあった。輸出規制品目に含まれたフッ化水素の場合、液体製品は国産化に成功したという評価が出ている。液体フッ化水素はウエハー(半導体原板)の不純物を除去する湿式エッチング工程に使われる素材だ。日本の輸出規制以前には日本のステラケミファ、森田化学工業などがサムスン電子やSKハイニックスなどに納品していた。だが規制後は国産化の努力が進められ、今年初めにソルブレーン、ラムテクノロジーなどが対等な製品を量産するのに成功した。漢陽(ハニャン)大学融合電子工学部のパク・ジェグン教授は「日本製品と差はない」と評価した。

開発・製造が液体より難しい気体フッ化水素では話が変わる。SKマテリアルズが17日に純度99.999%の製品を量産すると発表したが、業界では輸出規制以前に活用していた日本製製品よりも「純度が低い」という評価が出ている。業界関係者は「気体製品を作ったという点に対しては高く評価できるが、純度は低いのが事実。工程に正式に活用するためにテスト中」と説明した。

◇フォトレジスト国産化の道のりは遠い

フッ化水素とともに輸出規制品目に含まれたEUV露光装備用フォトレジストの国産化は「さらに遅い状況」との評価が出ている。EUV露光装備はサムスン電子が注力している5ナノメートル、1ナノメートル=10億分の1メートル)以下ナノプロセスに必須の製品だ。このためEUV露光装備用フォトレジストの調達が途絶えればサムスン電子が台湾TSMCと繰り広げている競争を断念するほかない。

東進(トンジン)セミケムなどがEUV用を開発中だが量産時期は未定だ。JSR、信越化学工業など日本企業の製品を使い続けるほかない状況だ。貿易協会によると、日本の輸出規制後5月までの日本製輸入額は2億7474万3000ドルで前年同期比3.5%増加した。このほかフレキシブル有機ELに主に使われるフルオリンポリイミドと関連しても日本依存度は74%だ。韓国企業は日本の住友化学の製品を依然として好んでいるという。

◇「韓日分業すれば1233億ドルの付加価値創出」

産業界と学界では「国産化」のフレームに閉じ込められ日本製品をむやみに排除し日本との対立局面を継続するのは「得にならない」という評価が出ている。気体フッ化水素、EUVフォトレジストのように日本製素材を代替するのが難しい品目は200種類に達するという分析もある

ソウル大学材料工学部のファン・チョルソン教授は、「品質の良い製品を使うという戦略を持ち、日本製品もさまざまな調達先候補のひとつとして活用しなければならない。特定国の製品を無条件で排除するのは正しくない」と指摘した。

東義(トンウィ)大学貿易学科のイ・ホンベ教授もこの日全国経済人連合会が開催した「日本輸出規制1年、評価と課題セミナー」で、「韓日の産業が競争優位を確保するには逆説的に日本との緊密な協力は必須。韓日分業体制を全製造業に拡大すれば付加価値が1233億ドルに増える」と説明した。


覚悟もなく、しっかりした根回しや準備もなく、思いつきで中途半端なことをしてはいけないということですね。