(聯合ニュース 2020/04/01)

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、韓国政府は北朝鮮の人権問題を担当するキンタナ特別報告者が書簡を送り、韓国が昨年、北朝鮮船員2人を追放したことに懸念を示し、法的根拠などの説明を求めたことについて、答弁書を送付した。答弁書では船員の亡命意思に真摯(しんし)さがないと判断し、追放したと説明した。

 北朝鮮の船員2人が乗っていた船は昨年11月2日、朝鮮半島東側の東海上で拿捕(だほ)され、韓国政府は2人を調べた後、同月7日に南北軍事境界線がある板門店で北朝鮮側に追放した。調査の結果、2人は暴力を振るう船長を殺害し、犯行を隠蔽(いんぺい)するため漁船の乗組員15人も殺害した。

 答弁書では船員が亡命意思を示したが、韓国軍当局に拿捕された当時、警告射撃を受けながら逃走し、1人は自殺を図ろうとしたことから、亡命意思に真摯さがないと判断したと明らかにした

 また、証拠不足などで適切な裁判を保障できず、国内法だけでなく韓国が加盟する人権関連の国際条約も検討したが、船員に適用できる条項はなかったと説明した。

 船員は深刻な非政治的犯罪を犯したため難民とは認められず、拷問の危険がある国への追放を禁止した拷問禁止条約にも反しないと説明した。

 ただ、船員の現在の状態については分からないと答弁した。

 キンタナ氏は北朝鮮にも書簡を送った。北朝鮮はまだ答弁していないとされる。


【社説】「強制」の疑惑が深まる北朝鮮送還をめぐる論議、徹底的に突き止めよ
(中央日報 2019/11/15

韓国政府が亡命の意思を明らかにした北朝鮮住民2人を強制的に北朝鮮へ送還したという疑惑が広がっている。万一、事実なら韓国憲法の基本価値と国連拷問防止条約を正面から違反して人倫を逆らった重大犯罪だ。「人が先だ」はスローガンで執権した現政権の道徳性にも根本的な疑問が提起されるほかはない。

「北朝鮮の住民が死んでも(北朝鮮に)帰るといった」という金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官の国会発言から偽りである可能性が大きくなっている

統一部当局者が「北朝鮮住民が手書きで亡命意向書を作成した」と明らかにし、


軍当局も「北朝鮮住民が韓国海軍の退去作戦に抵抗して一貫して韓国へ向かった」と報告したためだ。

韓国憲法上、北朝鮮住民は北朝鮮の土地にいても韓国国民だ。ましてわが領土に入ってきて亡命の意向を明らかにしたとすれば韓国政府は当然「国民」である人々を保護する責任がある。犯罪の疑惑があっても韓国司法当局の捜査・裁判を通じて措置を取ることが法に定められた手続きだ。さらに、20代初めの若者2人が狭い木船で船員16人を殺害することができたのかも疑問だ。それでも韓国政府は無罪推定の原則まで無視して北朝鮮の一方的な主張を既成事実化して「北朝鮮に行くと死ぬ」と哀願したはずの国民2人を追い出すかのように渡した。第3世界の後進国も自国民にこのような態度は取らない。

北朝鮮の実状に対して最も高い権威を認められる国連北朝鮮人権調査会(COI)の2014年報告によると、強制送還された脱北者はただ一人の例外もなくあくらつな拷問にあう。「鼻を突き抜けて輪をはめたり、血が出るほど殴られたり、女性は性暴行にあったりするのが常だ。妊娠した女性は麻酔もせず道具を使ったり骨盤を殴ったりして強制的に堕胎させる。出産した子供は妊婦を見る前で殺害される」。

このような惨状を十分に知っている韓国政府が北朝鮮へ送還を強行したなら国際社会も黙っているわけがない。トマス・キンタナ国連北朝鮮人権状況特別報告者は今回の事件に対して「該当政府」と接触して「今後の措置」を考えているという。国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)も政府の北朝鮮送還措置は拷問防止条約の違反だと非難する声明を出した。ちょうど北朝鮮に長期抑留されて送還6日で亡くなった米国人のオットー・ワームビア氏の親が22日、ソウルで開かれる北朝鮮拉致被害者の決議大会の出席を機に文在寅大統領との面談を希望したが、青瓦台が断ったのも非難を浴びている。

前代未聞の脱北者送還は共同警備区域のある中佐が青瓦台のキム・ユグン国家安保室第1次長に直接報告した事実が知らされたせいで明るみに出た。統一部と国家情報院いずれも消極的だった北朝鮮送還を青瓦台がなぜ国防長官まで排除してすぐに処理したのかが疑惑の核心だ。国会は直ちに関係者全員を聴聞会に出席させて真相調査を始めてほしい。


2019年11月20日
産経・黒田「人権弁護士で知られた文在寅氏、北朝鮮をめぐる出来事となるとその姿勢は揺らぐようだ」!


北朝鮮に戻りたがっている人を、捕縛・目隠しし、慣例の赤十字を通さず北朝鮮軍に直接引き渡す必要があるんですかね。