(朝鮮新報 2020/03/12)朝鮮総連機関紙

「生命にかかわる問題、早急に対応を」

さいたま市が新型コロナウイルス感染防止のために市内の幼稚園、保育園などに勤務する職員向けに配布している備蓄用マスクの配布対象から埼玉朝鮮幼稚園[埼玉朝鮮初中級学校の幼稚部。2014年までは川口市で単独運営]を除外した問題で12日、朝鮮幼稚園保護者や関係者らが前日に続き市役所を訪れ、同園へのマスク配布を求めて抗議活動を行った

抗議活動には子ども未来局の部長ら2名が応対した。同局の金子博志局長は同席しなかった

午後3時ごろからはじまったこの日の抗議活動ではまず、埼玉朝鮮幼稚園保護者連絡会の尹致力会長がさいたま市の清水勇人市長あての要請文を読み上げ、担当職員へ手渡した。

要請文では今回のさいたま市の措置が新型コロナウイルス感染拡大防止の点からも、また人権や人道上の観点からも許しがたい行為であるとし、全ての市民を平等に扱うべきだと主張。そのうえで、▼新型コロナウイルス感染防止措置として教職員用マスクの配布対象に埼玉朝鮮幼稚園を含むこと▼今後、さいたま市が子ども関連施設について新型コロナウイルス感染予防措置を講ずる場合は埼玉朝鮮幼稚園を対象に含むと同時に関連事項をすみやかに通知することを求めた。

その後、埼玉初中の鄭勇銖校長、同校幼稚園の朴洋子園長や保護者らが発言し、さいたま市内でも新型コロナウイルス感染者が確認され、WHOがパンデミックを宣言する「緊急事態」の中、同園にマスクを配布しないことは明確な差別であるだけではなく、生命にかかわる重大な問題であるとし、市が早急な対応を講じるよう強く訴えた。

◇市側は明確な回答示さず

前日に続いて応対した子ども未来局の部長らはこの日、同園へのマスク配布について「現在検討している段階」であるとし、明確な回答は示さなかった

11日には金子博志局長が幼稚園関係者ら要請に対し、配布対象を再考する意向を表明している。(丁用根)

2020年03月11日