(ハンギョレ新聞 2020/01/18)

歴代金メダリストのうち上段に配置
日本のスポーツ史の一部分と評価
放送でも「朝鮮人出身メダリスト」と報道
 
国内学界「二国にまたがる歴史的人物を
それぞれ自国の歴史として解釈する傾向がある」
孫基禎記念財団「少なくとも協議でもしていたら…」

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▲日本オリンピックミュージアムに展示された孫基禎氏の写真=読者提供//ハンギョレ新聞社

 故孫基禎(ソン・キジョン)氏(1912~2002)が、日本オリンピックミュージアムに歴代の金メダルリストとして展示されていることが確認された

 孫基禎氏は1936年のベルリン五輪当時、日本国籍・日本の名前(ソン・キテイ)で出場した。日本のスポーツ史の一部分と捉えられる。だが「日章旗抹消事件」の象徴的存在であり、優勝後に「悲しい!」と友人に葉書を送った孫氏の行動から見れば、明暗が感じられる。韓国の孫基禎記念財団側は「あらかじめ展示について協議があればよかったのに…」と、残念さをにじませた。

 2020東京五輪メインスタジアムの隣りに新設された日本オリンピックミュージアムは、昨年9月にオープンした。東京オリンピック組織委員会は、訪問客が五輪とパラリンピックの歴史・象徴を始め、五輪の精神を学べる場所だと説明する。このため、日本の歴代五輪メダリストなど五輪の情報を提供している。

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▲日本オリンピックミュージアムに設置された歴代メダリストの名前の並んだプレート=読者提供//ハンギョレ新聞社


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▲日本オリンピックミュージアムに展示された歴代金メダリストの写真=読者提供//ハンギョレ新聞社

 孫基禎氏の場合、日本の歴代金メダリスト展示パネルの一番上段に配置されている。ベルリン五輪当時、新記録で金メダルを獲得し、まだ日本の男子マラソンで金メダリストが出ていなかっただけに日本のスポーツ史で占める比重が大きい。NHKが最近、五輪特集のドキュメンタリー番組で「朝鮮人出身で日本国籍で大会に出場した」という内容で、孫基禎氏にスポットライトを当てたという。

 実際、孫基禎氏に対する国際オリンピック委員会(IOC)の公式記録は日本国籍になっている。

大韓体育会は「孫基禎先生の国籍を韓国に変えるために、以前から根気よく国際オリンピック委員会と接触してきた。しかし、国際オリンピック委員会は『歴史的な出来事』は変えることができないという立場を伝えてきた。昨年、これ以上話題にしないでほしいと最終通告までされた」
と明らかにした。

 韓国のスポーツ史学界でも、国籍変更などの問題は容易ではないという意見だ。韓国体育大学のチョ・ジュンホ教授(スポーツ史)は、「韓国と日本は互いに見解が異なる。日本では日本の歴史として考えており、韓国は韓国の歴史として解釈している。ただし、国際オリンピック委員会や日本側でも孫基禎先生が日本人ではなく韓国人だという事実を伝えるために努力しているようだ」と語った。

 孫基禎記念財団のイ・ジュンスン事務総長は、「日本オリンピックミュージアムの展示については全く聞いていない。事前に知らせてくれて協議ができればよかったのにと思う。それが孫基禎さんに対する礼儀だと思う」と語った。孫基禎氏の孫でもあるイ・ジュンスン事務総長は、「国籍問題はどうしようもないとしても、誠意は見せるべきだ。祖父が亡くなった時、日本オリンピック委員会から弔問すら来なかった。日本側が孫基禎さんを記憶して評価するのなら、普段から最小限の関心を示すべきだ」と付け加えた。

 一方、日本オリンピックミュージアムは、ハンギョレの電話インタビューで「ミュージアムに日本の五輪金メダリストの写真を集めた展示物があるのは間違いない」と明らかにした。博物館を管理する日本オリンピック委員会(JOC)と2020東京オリンピック組織委員会は、特別な立場を明らかにしなかった


これ↓でIOCが辟易したのかな。
2018年04月25日


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東京都新宿区霞ヶ丘町4番2号
JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE 1・2F
開館時間 10:00~17:00 (最終受付16:30)
休館日 月曜日(月曜が祝日または休日の場合、翌平日休館)
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