(中央日報 2019/12/24)

23日、北京人民大会堂で開かれた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談は当初予定されていた時間(30分)よりも25分長くなった。挑発を予告している北朝鮮と米国の緊張高潮、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題など、韓中を取り巻く重大な議題を反映しているようだった。この日午前11時30分から55分間行われた韓中首脳会談は、午後12時15分(現地時間)から1時間30分の間の昼食まで続いた

だが、会談直後、中国メディアが韓中首脳会談の内容を「速報」として先に報道しながら論争が始まった。「文大統領が、香港と新疆問題について『中国の内政』だと明らかにした」という内容だった。韓国政府が公式に中国側に回ったという趣旨だ。特に香港問題は米国と中国が対立する敏感な外交および人権イシューだ。

中国中央電視台(CCTV)は午後2時20分ごろ(現地時間)、「韓国は、香港の事務にしても新疆に関連した問題にしても、すべて中国の内政だと認識している」と文大統領が言及したと報じた

中国共産党機関紙「人民日報」も同じ内容をタイトルに選んでSMS(ショート・メッセージ・サービス)速報として伝えた。

中国外交部の耿爽報道官は午後の記者会見で該当の報道に対して論評を求められると「この表現は事実に符合する。彼は基本的な事実を述べた」とし、報道が事実である趣旨で答えた

だが、青瓦台関係者は「習主席が香港・新疆問題に対して『この問題は中国の内政問題』と説明し、これに対して文大統領は『習主席の言及をよく聞いた』という趣旨の発言をしただけだ」と説明した。

青瓦台の説明によると、中国報道機関と外交部報道官が相手国の首脳の発言を拡大解釈して歪曲(わいきょく)したという「外交的欠礼」論争を呼ぶ。結果的に、首脳会談後、韓中両国が異なる発表をするという、前例のない状況が起きたといえる。

中国側の報道と反応に対しては、これまで香港デモと新疆の人権問題で国際社会から批判されてきた中国が、会談内容を使って言論プレーをしたのではないかと疑わざるを得ない。先立って、2017年12月に文大統領が北京を訪問して習主席と首脳会談をした後、両側は会談結果をほぼ同時に発表した。だが、今回は中国メディアが先に文大統領の言及として報道した。中国メディアの香港関連の報道が相次いで出された時間に、成都に移動する機内にいた韓国側の対応は後手に回るほかなかった

会談で習主席は迂回的に米国を批判した。「現在、保護主義と一方主義、覇権的な形態が流れに逆らって動いていて、グローバルガバナンスを乱しながら世界の平和と安定を脅かしている」としながらだ。韓国を中国側に引き寄せようとする言及も続いた。習主席は冒頭発言でも「韓国と中国は絶えず緊密に協力してきた友人でありパートナー」とし「現在、世界的に100年間なかった大きな変曲にも、戦略的協力パートナー関係を深化・発展させ、両国は共通の利益を守り、実現しなければならない」と強調した。続いて「私は文大統領と共に中韓関係が新たに、さらに高いレベルに向かうよう牽引(けんいん)する役割を発揮するだろう」と約束した。「変曲」はトランプ政権発足後、さらに強化された米国第一主義を狙った発言とみられる。これに関連して、「文大統領が『韓中は共同運命体という考えを改めて感じることになる』と言及した」と青瓦台関係者が紹介した。

米中間の戦略競争の中で、北朝鮮問題や経済協力などで中国の役割を強調した発言は韓国側からも出てきた。文大統領は「習主席と私が中国の一帯一路構想と韓国の新南方・新北方政策間の連繋協力を摸索するよう合意して以来、最近、具体的な共同報告書も採択された」とし「これを土台に、第三国に共同進出してシナジー効果を出すことができる」と話した。

また、文大統領は習主席に「できるだけ近いうちに韓国を訪問してほしい」と要請し、習主席はこの招待に感謝の気持ちを表しながら「訪韓を積極的に検討する」と答えた

◆李克強首相「相互信頼と協力、交流促進」

文大統領はこの日、北京で習主席と昼食を取った後、直ちに韓日中首脳会議が開かれる成都に移動し、錦江ホテルで李克強中国首相との会談と夕食会に臨んだ。文大統領は「修交30周年を控えた今、韓中両国は共に守ってきた価値をさらに深化させて、さまざまな領域に拡散していくものと考える」と話した。これに対し李総理は「今回の首脳会談を通じて、中韓日協力を推進するだけでなく、中韓間の政治的相互信頼と実質的な協力、交流促進を推進していきたい」と答えた



 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は23日(現地時間)、中国・北京で行われた韓中首脳会談で、中国の習近平国家主席に対し、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題に端を発する「限韓令」(韓流禁止令)の解除を要請した上で、「韓中交流が活気を取り戻し、両国の貿易が2000億ドル(約21兆8800億円)を超え、800万人を上回る国民が隣人のように両国を行き来している。しばらくお互い寂しい思いをするかもしれないが、両国関係は決して離れることができない」と述べた。韓国政府関係者は「中国がTHAAD報復を正式に認めないため、韓国政府も『寂しい』という表現で報復解除を遠回しに要請したものだ」と説明した。しかし、習近平主席は「(THAAD問題が)妥当に解決されるよう願う」と言った

 また、文在寅大統領は同日、習近平主席の訪韓を要請した。韓国政府は、来年4月に予定されている習近平主席の訪日に合わせて訪韓も実現させたいという考えだ。しかし、習近平主席は訪韓要請に対して、「前向きに検討する」という原則的な見解を表明した。そして、文在寅大統領にTHAAD問題の解決を要求すると共に、米国の中距離ミサイルを配備するのかどうか、韓国政府の見解をまとめるよう要求したとのことだ。

外交消息筋は「中国は、習近平主席訪韓の条件としてTHAAD解決や中距離ミサイル配備拒否などを出してきた」「結局、韓米同盟の弱体化を狙っているものと見られる」と話す。

 さらに、習近平主席は米国の中距離ミサイル配備は韓中関係に役立たないとして、韓国政府に対して明確な見解を表明するよう要求したと言われる。(略)


ムン大統領がわざわざ『香港・ウイグル』のような敏感な問題を先に取り上げたとは思えませんが、習主席が言及した後に、「我々はそのように認識しています」や「主席と同じ認識です」くらいは言ったでしょうね。