(産経新聞 2019/12/08)

 国境の島・対馬(長崎県対馬市)で韓国資本による不動産買収が続いている。いわゆる徴用工訴訟に端を発した日韓対立は韓国人訪日客が大幅に落ち込むなど観光分野にまで飛び火。対馬も韓国人観光客が激減し、地元経済は打撃を受けているという。だが、対馬を歩くと、韓国資本が観光客とは別の動きをみせていた。(編集委員 宮本雅史)

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◇観光バスが消えた

 手元に1枚のチラシがある。《対馬の土地、住宅をお譲りください!! 〝対馬(厳原(いづはら)、峰(みね)、豊玉(とよたま)、比田勝(ひだかつ)等)で土地・住宅を探しています〟…高く買い取ります》。氏名と連絡先も記されている。地元住民によると、上対馬でこの秋、韓国人らしい女性が不動産会社を設立。チラシを配り、営業を展開しているという。

 その対馬を約1年ぶりに訪ねた。島の中心地・厳原は、これまでと様相が違っていた。韓国人観光客の姿が見えない。常駐しているはずの観光バスもいない

 市によると、韓国人観光客は平成30年、人口の約14倍に当たる約41万人にのぼった。今年も6月までに約22万人が訪れていたが、7月は前年同月比4割減で、8月は8割も減った。その傾向は今も続き、島内経済の衰退が懸念される。

 一方で、島内からはこんな声も聞かれた。

 「韓国人観光客が宿泊するホテルや民宿、食事をする飲食店はほとんどが韓国資本。観光客が減って最も影響を受けているのは進出している韓国資本の方だ」(会社経営者)

 「韓国人が減ったことに本音ではホッとしている市民も多い。ただ、活気がなくなったことも事実。政府は韓国資本に頼らず自活できるような施策に本気で取り組んでほしい」(市関係者)

 観光客の激減を対馬経済の自立を改めて考えるきっかけにしなければならないが、気になるのは韓国資本による島内の不動産買収の実態だ

 厳原を歩くと、取材に協力してくれた島民の男性は「この1年でますます買収されている。あのアパートも、この空き地も、あのホテルも…」と建物や空き地を指差す。その一つに「民団長崎県対馬支部」の看板が掲げられていた。在日韓国人でつくる在日本大韓民国民団の長崎県地方本部対馬支部で、今年1月10日から業務を始めている。

 民団対馬支部の隣では韓国資本がホテルの建設を進めていた。男性は「観光客は減ったが、不動産は相変わらず買われている。10軒以上の民宿が買収された地域もあるし、20軒以上の民家に韓国人が住んでいる地域もある」と語った

◇高台の要衝に触手

 韓国・釜山と航路を結ぶ対馬の玄関口・比田勝に向かう。比田勝港の国際ターミナル前は100㍍以上にわたって韓国語の看板が並ぶ。地元住民は「日本人が経営している店は数軒で、あとは韓国資本。残っている日本人の店も身売りするのは時間の問題でしょう」と話す

 約1年でこれほど変わるものかと言葉が出ない。厳原や比田勝など立地条件の良いところでは家ごと買って解体し、ホテルや免税店を建てている。しかも最近は立地条件の良いところばかりではないという

 地元の建設業関係者は「浅茅(あそう)湾の周辺には旧日本軍の砲台跡がたくさんある。高台にあり全てを見渡せるから安全保障上、重要な場所だ。既に周辺が買われているところもあるし、もしそういう重要な場所を外国資本に買収されたらどうなるのか…」と言って表情を曇らせた。

 日韓関係が悪化した後も不動産が買収され続けている状況に対し、「高齢化や過疎化が進む対馬で日本人がいなくなり、まさしく〝韓国〟になる可能性も否定できない」と危惧する声さえある。中国人の姿も目立つようになったという。

 対馬は今後どう変わっていくのだろうか。注視していく必要がある。

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