中国「スパイ」豪で暗躍か 太平洋地域 影響拡大狙う
(読売新聞 2019/12/04)

【シドニー=一言剛之】オーストラリアで、中国情報機関の活動が疑われる事例が相次いで明らかになり、豪政府は2日、特別対策チームを設置した。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国は、対立を深める米国を念頭に太平洋地域への影響力を拡大しており、豪州は警戒を強めている。

■擁立画策

 豪南部メルボルン郊外に、ひときわにぎわっている高級車販売店がある。この店を2017年まで経営していた中国系オーストラリア人の男性の遺体が、今年3月、メルボルンの簡易宿泊施設で見つかった

 豪州では、その2か月後の5月に総選挙を控えていた。男性は今年初め、「中国の情報員とみられる男から、100万豪㌦(7400万円)を見返りに総選挙に出馬するよう迫られている」と豪情報機関に訴えていた

 メルボルンは中国系住民が多く、男性は支持を集める可能性があった。豪メディアは「将来、政権入りした時に有用な情報を得る狙いだった」と、中国が関与していた場合の思惑を分析している。現在も営業しているこの店の店長は2日、読売新聞の取材に「過去のことはわからない」と困惑気味に話した。

■サイバー攻撃

 豪州では11月下旬、メディアグループ「ナイン」が、インタビューに応じた中国軍の元スパイを名乗る男性の「告白」を報じた。男性は香港で、中国共産党に批判的な書籍を扱う書店員の誘拐や学生活動家の個人情報収集などの工作活動を行っていたという。

 今年2月には、豪議会や与党議員らのメールサーバーなどに大規模なサイバー攻撃が行われたことが判明し、中国の関与が疑われている。モリソン首相は今月2日、情報機関や警察などでつくる特別対策チーム設置に際し、「我が国に干渉しようとする脅威が高まっている」と危機感を示した。

■切り崩し

 豪州は、地理的に近い南太平洋の島嶼国への影響力を長年維持してきた。しかし近年、中国が巨額の経済支援を武器に進出を活発化し、中国寄りに転じる国が増えてきた。ソロモン諸島とキリバスは9月、台湾と断交し、中国と国交を結んだ

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 勢いを得た中国は、豪州も標的にしようとしているとの見方は多い。国内での中国の活動に詳しいチャールズ・スタート大のクライブ・ハミルトン教授は、「豪州は米英など計5か国で機密情報を共有する『ファイブ・アイズ』の一員で、中国は豪州での情報収集を重視している。豪州を足がかりに西側諸国を切り崩そうとしている」と指摘している。

◇中国、関係改善に躍起

 【北京=田川理恵】アジアと米大陸をつなぐシーレーン(海上交通路)の南太平洋地域で影響力拡大を狙う中国は、昨年8月の豪モリソン政権発足後、関係改善を目指している

 豪州で次々に中国に関する疑惑が浮上していることに、神経をとがらせているようだ

 中国外務省の華春瑩(ホァチュンイン)報道局長は2日の定例記者会見で、中国軍の元スパイを名乗る男性による告白について、一部豪メディアが作り話である可能性を伝えているとし、「荒唐無稽な茶番劇にすぎない」と主張した。

◆豪州では中国の関与が疑われるスパイ事件が相次ぐ

2018年8月 通信の安全に懸念があるとして、豪政府が次世代通信規格「5G」から中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の排除を決定

 19年2月 豪州議会や与党のコンビューターネットワークがサイバー攻撃の被害。メディアは「中国が関与の疑い」と伝える

  11月 中国の元スパイを名乗る男性が豪メディアに香港や台湾での工作活動を「告白」
     中国の情報機関が豪の国会議員選挙で中国系豪州人の男性の擁立を画策していたとの報道。男性は今年3月に死亡

  12月 モリソン豪首相が情報機関、警察でつくる特別対策チームの設立を発表 

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日本には、中国に擁立されたり、陥落した議員がどれくらいいるんでしょうかね。


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