〈幼保無償化〉対象外施設への財政支援「各種学校含め検討中」/衆議院文科委で萩生田文科大臣が答弁 (朝鮮新報 2019/11/29)

幼保無償化制度の対象から朝鮮幼稚園を含む各種学校認可の外国人学校が除外されていることと関連し、27日午後に行われた衆議院文部科学委員会で、立憲民主党の初鹿明博衆議が、質疑を行った。これに対し、萩生田光一文科大臣、中山展宏外務大臣政務官が答弁。この日、傍聴席には、「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」のメンバーらも同席した。

午後3時半から行われた初鹿衆議の質疑では、冒頭、「多様性を認め合う」ことを明言した安倍首相の第200回臨時国会所信表明演説に言及し、各種学校などの幼稚園類似施設を、先述した演説と矛盾する形で、多様性を理由に排除した点について改めて指摘。その上で、今後、幼稚園類似施設に対し、財政支援をする用意があるのかを問うた

これは、萩生田文科大臣が大臣就任後の定例記者会見(2019年9月11日)にて、自治体が助成をする制度を設けた場合、国が各自治体に対し費用を補助する制度をつくるといった趣旨の公式見解を表明してきたにも関わらず、その具体的な内容が、新年度が間近に迫る今日に至るまで、依然として見えないことにある。

質疑に対し、萩生田文科大臣は「幼児教育類似施設については、各地域に固有のさまざまな歴史的経緯を経て、地域や保護者のニーズに応え重要な役割を果たしているものもあると考える。このような施設について、国と地方が協力した支援のあり方にについて検討を続けている。無償化の枠の外の施設について関係府省と連携し、要件などを含めできるだけ早く年内を目途に支援のあり方を検討している」と回答。

また初鹿衆議が、「自治体が補助をする対象施設の中に、各種学校の外国人学校も含まれるという理解でいいのか」と問うと、「地域のニーズは国が判断できない。そのため首長に判断を委ねている」と答え、

「その対象のなかに朝鮮幼稚園も入るのか」「朝鮮幼稚園であることを理由に、排除するということはないのか」と繰り返し質問する初鹿衆議に対し、萩生田文科大臣は「各種学校を含め検討している」と明言を避けた
。(略)

傍聴した中央教育会の李龍浩副会長は「日本政府は、すべてあやふやにし流そうとしているという印象を受けた。11月2日の全国集会以降、引き続き運動が下火にならないよう、教育会では各地の情報を共有しより活発な運動の展開に寄与していきたいと考えている。各首長たちが適正な判断をするよう、自治体要請により一層力を注いでいかなくてはならない」と話した

この日行われた初鹿衆議の質疑に対し、萩生田文科大臣の答弁中、「現在把握する(対象外)施設は200数十ヵ所」で、それら施設への財政支援については「認可基準より寛容な要件を検討」しているという発言があった

しかしこの発言に対し、総聯中央権利福祉局の任京河副局長は「年内を目処にガイドラインを見直すということが明らかになった一方で、政府が把握している対象外幼児施設について、約200数十ヵ所としていたが、そこに各種学校認可の外国人学校や40ヵ所の朝鮮幼稚園がすべて含まれている保障はない」と指摘する。(略)

萩生田文科大臣が9月27日付記者会見で、「各種学校というカテゴリーの中では、なかなか直ちに法律の枠の中に入ってくるのは難しいと思いますけれども、私が取り組んでいますのは認可外等であって、それぞれ歴史的な経緯があったりして存続をしている園の中でですね、やっぱり国がその園の良さというのはなかなか分かりません」と発言していることから、そもそも日本政府が想定する、財政支援の枠に、各種学校認可のすべての朝鮮幼稚園が含まれていない可能性は高い

他方で、2013年に省令を改悪し、高校無償化制度の対象から朝鮮高校のみを排除した、下村博文・文科大臣の時代に、この幼保無償化制度の段階的実施(2014年)が決まるなど、安倍政権下で現在まで政策運営がされていることは、決して看過すべきでない。

萩生田文科大臣の「地域のニーズは国が判断できず、首長に判断を委ねている」とした答弁。朝鮮幼稚園を含む一部の対象外施設が「蚊帳の外」であることを想定したとき、制度の見直しを求めるのはもちろんのこと、各地域における自治体への不断な働きかけが必要だ


>定例記者会見(2019年9月11日)にて、自治体が助成をする制度を設けた場合、国が各自治体に対し費用を補助する制度をつくるといった趣旨の公式見解を表明してきた

文科省公開のテキスト版・動画版をみると、拡大(都合よく?)解釈しているんじゃないですかね。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年9月11日)

大臣)
 遅くまでは大変ご苦労様です。改めまして、文部科学大臣・教育再生担当大臣を仰せつかりました萩生田光一です。どうぞよろしくお願いいたします。
(略)

記者)
 萩生田大臣、以前にですね、国会で幼稚園類似施設についてですね、無償化の対象になっていないものについて、対象とすべきものがあるのではないかというような質問をされていましたけれども、今の認識と今後、無償化に向けた対応をどのように取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。

大臣)
 この10月から消費税の財源の一部が、幼児教育・保育、3歳-5歳の無償化に回されます。

私はこの政策そのものはですね、非常に的を得たものだと思っているんですが、制度を作る中で全ての子供たちというわけにはいかずにですね、一定の線引きがなされて、一定の要件を満たさない施設については補助対象外だということでスタートするということが見えてきました。

どこかで、やっぱり法律ですから、ルールですから、どこかで線を引かないとあらゆる施設を全部入れるというわけにはいかないことは私もよく分かります。

ただ、それぞれ園に対して歴史があってですね、例えば私などが現場の声を聞いたのは、当時の公団住宅で下駄ばきの1階に保育園が入る予定が、入る法人が手が上がらなくてですね、しかし入居は始まってしまって、それならば親御さんたちがですね、知り合いの保育士さんを頼んででもとにかくスタートしようといって始めた自分たちの私設保育園が結果として50年も続いているなんていうものもあったり、あるいは教会立で保育園、幼稚園に通えない子供たちを一時的に預かってきたのが、だんだんカリキュラムが充実して、うちもその園に入れてほしいということで、結果として保育園類似施設になっているような施設というものもありまして、こういう施設に通っている子どもたちも私は決して経済的に豊かでいくらでも親の収入で園を選択できるというのではなくて、その施設以外だったらなかなか入るところがないという子どもたちもいますので、そういう子たちは、是非、救済をしていきたいなと今でも思っています

もう10月からスタートしますので、今、文部科学省の方では、全国にこういう類似施設で補助対象になっていないもので、しかし自治体としては、その園の経営を一定程度認めているものはどのくらいあるのだろうかというヒアリングをですね、春先からしていただいて、概ね全国で200数十の施設があがってきたところです。

その辺をよく見てですね、できればもう一段階この対象を増やしていくようなことも、是非、検討してみたいな思っております。

16:00~18:38



現在も自治体が自らの予算・判断で幼保無償化または一部助成はできますが、朝鮮学園側は、その費用を国に補填させることで、より一層、自治体に助成金を認めさせやすくすることができるとでも考えているんですかね。