(毎日新聞 2019/09/19)

 日韓関係の悪化による観光への打撃が深刻化している。8月の韓国人訪日客は前年同月と比べて48%減少。観光地からは悲鳴が上がる一方、改善の兆しが見えない現状に見切りを付け、韓国以外のアジアからの観光客誘致にシフトする動きも出始めている。【岸川弘明、田所柳子、久野洋】

 「昨年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震後の落ち込みよりひどい」。北海道釧路市の旅行会社幹部はそう悲鳴を上げる。北海道を訪れた韓国人は昨年度は約73万人と国・地域別で初めて1位となった。だが、関係悪化で道内と韓国を結ぶ航空路線は大韓航空や格安航空会社(LCC)の運休・減便が相次ぐ。

 訪日客に人気の小樽運河を抱える小樽市では、小樽観光協会が市内3カ所に設けた観光案内所を8月に利用した韓国人は661人と前年同月比で半減。市内の大手ホテル支配人は「地震後に減った宿泊者が戻りつつあったところで韓国人ツアー客が大きく減少した」と嘆く。「韓国からの団体を多く扱う会社の中には9月以降の仕事がほぼなくなったり従業員を待機させたりする動きもある」と話す。

 韓国まで海を挟んで約50キロと近い長崎県対馬市も韓国人客減の直撃を受ける。韓国から船で約70分で行ける気軽な海外旅行先として人気で、市によると昨年は過去最高の41万人が訪れたが、8月は約8割減。市の担当者は「韓国に頼ってきた観光業者は厳しい。廃業が出るのも時間の問題」と打ち明ける。

 国土交通省によると、7月まで国内26都市に週約1200往復便を運行していた韓国の航空8社は、これまでに約3割に当たる369便の減便または運休を決定。韓国からの旅行者は今後も減少が続くとみられる。

 関係改善の兆しが見えない中、韓国人客の誘致を図っても限界があるとして誘致の多角化を図る動きもある。北海道は今月中旬から11月まで約3000万円をかけ、中国や台湾の観光客をさらに増やす緊急対策を実施する。中国の大手観光サイトに道内の旅行ツアーを掲載する特設ページを設けるほか、中国内陸部からの新規路線開設などをを働きかける予定。鳥取県も、10月から米子―ソウル便が運休することを受け、中国の航空会社に働きかけ上海定期便の就航を決めた


すぐ結果を出そうとするなら中国を対象にするしかないんでしょうが、より政治的きっかけでリスクが発動されやすい地域だけに、さらに多角化を考えないといけないでしょうね。