(中央日報 2019/09/17)

 先月22日、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了決定以降、1カ月近く時間が流れたが、日本が少しも動かないため「GSOMIAカード」の実効性に対する疑問が韓国政府内にも広がっている。弱り目に祟り目で、予想より強い米国の否定的反応に逆風の懸念まで出ている。

  差し当たり韓日関係を管理していかなければならない外交部は悩みが絶えない。日本の経済報復→韓国のGSOMIA終了宣言で両国感情が大きく傷ついた状況で、名分と関係改善の二兎を捕まえるための「論理開発」に没頭する雰囲気だ。

  事情に詳しい消息筋は16日、「GSOMIAに対して日本と議論そのものがある、ないを説明しにくいほど用心深い状況」としながらも「日本の不当な経済措置撤回を求めるという言葉は繰り返し伝達している」とした。

  韓国政府は「日本の経済報復撤回→GSOMIA終了決定再検討」の論理を立てた以上、経済報復撤回を要求することによってGSOMIA回復の可能性に余地を置いているということにもなる。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官もこの日の国会外交統一委員会に出席して「日本が輸出規制措置を撤回することによって信頼友好が再び回復すれば再検討も可能という立場」と話した。

  このようにGSOMIA終了発表直後は強硬だった政府の立場は次第に「条件付き再開」に傾いていく雰囲気だ。先月23日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の高位関係者は「GSOMIA中断決定を再検討はあるか」という質問に「そのような可能性はほぼない」と一蹴した。日本との信頼が消えた以上、原則的に翻意はないという言葉だ。

だが米国務省・国防総省レベルで韓国政府の決定を批判する反応が相次ぎ、5日後に李洛淵(イ・ナギョン)首相が高位党政青協議で「GSOMIA終了(11月23日満了)まで時間が3カ月残っている。その期間に日本が不当な措置を原状回復すればGSOMIA終了を再検討することができる」と話した。

続いて今月2日、新たに就任した金峻亨(キム・ジュンヒョン)国立外交院長も「日本の態度変化があれば政治的にダメだということではなく、再開も可能」と話した。

  GSOMIA協定文上、「終了意思撤回」に関する明確な規定はないが、技術的に再検討することが不可能なわけではない。民法上、契約解除の意志は原則的に撤回されることができないが、契約解除の意思を表わす時に重大な錯誤や欺罔、強圧などの取り消し理由があるなら撤回できるというのが大法院の判例だ。しかし錯誤・欺罔などを政府が認めない限り、その可能性は低い。

  必要なことは名分だが、日本が不動の姿勢だ。「9.11改閣」で側近体制を構築した安倍晋三首相は11日、韓国に対する外交基調に対する質問を受けて「みじんも変わらない」と答えた。韓国が動く空間を最初から遮断したのだ。日本政府の事情に明るい国内の消息筋も「日本は『GSOMIAはすでに終わった問題』という考えが優勢だ。韓国が翻意しようがしまいが気にしないという雰囲気まである」と指摘した。

  米国の積極的な役割を期待することもできるが展望は交錯している。ワシントンでは「日本の経済報復=韓日両者が解決する問題」、「GSOMIA終了決定=韓国が取り下げるべき問題」という公式から動かないという。今月11~13日にワシントンを訪問した尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)国会外交統一委員長も「ホワイトハウス・国務省・議会問わず韓国政府のGSOMIA決定に強い懸念をにじませていた」とし「今回の国連総会韓米首脳会談でトランプ大統領が直接言及する雰囲気」と伝えた。

  米国が究極的に韓日米連合戦線を守るために乗り出しはするものの、消極的な水準に止まるだろうという見方もある。峨山(アサン)政策研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)安保統一センター長は「米国は韓日が共に解決しなければならないという基本認識があり韓国が思い描く方向には動かないだろう」としながら「かえってGSOMIA撤回が異なる外交イシューと結びついて米国側の要求事項に帰着するなど予想できない方向に飛びかねない」と指摘した。


ムン大統領は、日米と徐々に距離が開くことで、国内外で当然視されている「韓国の最重要国はアメリカ」「日米韓3カ国の連携が重要」という認識が薄まるので喜んでいるんじゃないですかね。