(朝日新聞 2019/07/25)

 輸出規制の強化をきっかけに日本と韓国の対立が深まり、観光や小売りといった業界にも影を落とし始めた。日本企業は韓国での不買運動への対応に追われている。

 韓国・釜山まで高速船で3時間ほど。九州旅行を終え、福岡・博多港で帰りの船を待つ韓国人女性(20)は「日本の観光地は好きだけど、今回の対立で日本のことは嫌いになった」。

 一時は旅行をキャンセルしようかとも考えた。それでも、友人2人と2泊3日で大分の由布院温泉などをまわり、その写真をSNSに投稿したところ、友人から批判されたという。

 JTBが扱った7月以降の韓国からの個人の訪日客数は前年同月に比べて1割ほど減った。「政治的な影響が出始めたのではないか」と同社の広報は話す。日本政府が韓国への半導体関連素材などの輸出管理を強化すると発表したのは7月1日だ。

 日本政府観光局によると、昨年の訪日客数の24%にあたる753万人が韓国から。中国に次いで2番目に多い。訪日消費額でも韓国は13%の5881億円を占め、中国に続く2番目。ブレーキがかかれば、その影響は幅広い分野に及ぶ

 博多―釜山を結ぶ高速船「ビートル」は7月に入り韓国人の新規予約が例年より減少。JR九州の青柳俊彦社長は「長期化すれば、もっと大きな影響が出るのではないか」と心配する。

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▲福岡―釜山を結ぶJR九州の高速船「ビートル」=福岡市博多区の博多港

 同じ区間を1日1往復するカメリアライン(福岡市)のフェリーも、7月前半の韓国人乗客数が前年同期より3~4割少ない

 韓国の格安航空会社(LCC)のティーウェイ航空は、熊本、佐賀、大分と韓国の各地を結ぶ4路線を9月にかけて順次運休していく。韓国のコリアエクスプレスエアは、島根県の出雲とソウル・金浦を結ぶチャーター便を7月13日から運休している。島根県の担当者は「政治対立の影響だと伝え聞いている」と話す。

 由布院や別府などの観光地を抱える大分県が7月中旬、韓国人客の多い主な旅館やホテル計24カ所から聞き取ったところによると、3施設で合計のべ1100人分のキャンセルが出た。

 大阪・難波のビジネスホテルでは先週末から韓国人客のキャンセルが出始め、新たな予約も減少。「こんなに影響が出るとは」と担当者は驚く。

 対立の影は、両国の小売り現場にも及ぶ。

 大丸の福岡天神店では23日までの1週間、韓国人による買い物の額が前年同期に比べて25%ほど減った。韓国人に人気のスマホ決済「カカオペイ」が利用できるサービスを11日に始めたばかりだが、冷や水を浴びせられた。

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▲韓国人客の買い物が減った大丸福岡天神店の免税カウンター=福岡市中央区、田幸香純撮影

 韓国では日本製品の不買運動が発生。アサヒビールとキリンビールは、現地でのテレビCMを自粛し始めた。韓国で「ユニクロ」を187店運営するファーストリテイリングも7月に入って客足が落ち、売り上げが悪化しているという。

 嘆きは、日本で暮らす韓国人からも聞こえてくる。 博多港のターミナル内にある韓国料理店「KO(コ)PA(パ)N(ン)」はふだん、帰国直前の韓国人客らでにぎわうが、客足が半減。店を営むソン・ジョンミンさん(41)は「政府同士のいざこざで苦しむのは政治家ではなく、私たち庶民」と話す。(北川慧一、女屋泰之、山下裕志)

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▲韓国・釜山と結ぶ船が発着する博多港国際ターミナルにある韓国料理店「KOPAN」では韓国人客が減った=福岡市博多区



8月上旬に「日本政府の『輸出規制』から1か月・・・」というのを予想していたんですが、結構、早めに出てきましたね。

「ホワイト国」から除外の意見公募が昨日締め切られたからですかね。