(朝鮮日報 2019/07/14)

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)論説委員

 「日本語由来のウリマル(わが国の言葉)辞典」は高麗大学のイ・ハンソプ名誉教授が1970年代から研究を重ねてきた研究成果の集大成だ。この本では1880年代以降、韓国語同然となった3634の日本語が紹介されている。その中のおよそ90%は韓国語の発音で入ってきた。「教育」「家族」「国民」などだ。残りは日本語の発音のまま入ってきた。「もなか」「満タン」「無鉄砲」などがそれに当たる。「マホ(魔法)瓶」のように日本語と韓国語が結合した言葉もある。

 京畿道教育庁が管内の初等学校(小学校)、中学校、高校に文書を送り、「日帝残滓(ざんし)清算」との理由から「修学旅行、ファイティング、訓話などの単語は日本から来たので日帝残滓」と指摘した

児童・生徒たちには「本人が考える日帝残滓の概念はどういうもので、それらはどうやって清算すべきか」と問い掛けた。しかしこの言葉の中にある「本人」「概念」「清算」は日本から来た言葉だ
「単語」もそうだ。

 イ・ジェジョン京畿道教育監(日本の教育委員会に当たる教育庁のトップ)は大学でドイツ語とドイツ文学を専攻し、大学院では宗教学と神学で博士学位を取得した。しかし「ドイッチェランド」を「独逸(ドイツ)」と訳したのも実は日本人で、「大学」「大学院」「神学」「宗教」「博士」も全て日本から来た言葉だ。「国語」「英語」「数学」はもちろん「科学」「哲学」「物理」「歴史」「美術」「音楽」「体育」もそうだ。さらには「大統領」も日本人が英語の「プレジデント」をそのように訳したものだ。

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 日本では1773年[1774年]にオランダ語で書かれた医学書を翻訳した「解体新書」が発行された。日本初の欧米書籍の翻訳書だ。この本は日本の知識人たちに大きな衝撃を与え、翻訳や辞書の編さん欲求が高まっていった。明治維新の頃に日本は英和辞典をまとめたが、これはまさに「無」から「有」を新たに生み出す作業だった。この中で「リバティー」は「自由」、「エコノミー」は「経済」と訳されたが、その観念や考え方などは元々日本にはなかった。これらの単語が開化期以降、韓国に伝えられ始め、日帝時代には強制的に大量流入した。解放後も日本人が訳した単語は引き続き入ってきた。新たに建国するには日本の書籍を参考にするしかなかったからだ

 タイガー・ウッズが登場するゴルフボールの広告でウッズは「チョアヨ、大当たり」と言った。PSYの歌のおかげで欧米人は「江南(カンナム)」という言葉の意味まで理解するようになった。世界がインターネットを通じてリアルタイムに交流しやりとりする時代、各国の言葉が混ざり合うのはあまりにも自然なことだ。韓国語の良い言葉を害する日本語や日本式の表現は排除すべきだろう。しかし今や完全に韓国語となり、日常生活でも全く違和感も拒否感もなく自然に使われている言葉まで「日帝残滓なので使うな」と言われたら、一体どうしたらよいのだろうか


自分たちの生活に大きく影響がない範囲での“反日ごっこ”ですもんね。

マスコミが「日本製品不買運動」の様子を取り上げて煽る記事の写真をキャノンやニコンのカメラで撮ってても違和感を感じない国ですからね。