韓国政府、WTOに日本を提訴しても…「時間が長くかかり勝訴も確実とはいえない」
(中央日報 2019/0702)

  日本政府が半導体素材製品に対する「事実上の禁輸」措置を取りながら韓国政府と業界は衝撃を受けている。半導体素材製品に対する日本の輸出規制は国際的な非難を浴びる可能性はあるものの、国際貿易社会で法的・手続き的問題を提起できるかどうかについては意見が交錯する。 

  それでも日本の措置は世界的に拡散する保護貿易主義の延長線上として理解できるという見方が優勢だ。韓国の対外経済政策研究院(KIEP)の金興鍾(キム・フンジョン)上級研究委員は「貿易で最も重要なのは非関税障壁だが、(輸入制限という)今回の措置は非関税障壁を高めることで、結局、保護貿易主義に進むこと」と話した。 

  保護貿易主義が強化されて現れる現象が、外交問題と経済手段の連携だ。西江(ソガン)大学国際大学院の許允(ホ・ユン)教授は「外交的な問題を経済的なことで『交差報復』すること」とし「外交安保問題を経済制裁に結びつけることが新しい交渉パラダイムとして位置を確立している」と話した。高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備をめぐり中国との間で生じた摩擦が代表的な例だ。「経済制裁」カードを使う時、米国が国内法や国際法上の理由をあげたこととは違い、日本が具体的な理由を明らかにせず「両国の信頼」のためだと明らかにした点は論争の種を残す。「露骨な措置」というものだ。そのために争いの余地が生じることがある。韓国政府は世界貿易機関(WTO)提訴などの対応措置をすると明らかにした。国立外交院経済通商研究部のイ・ヒョヨン教授は「外交的な理由で輸出を統制する行為はWTO規範上の違反事項である以上、議論になりえる」と話した。 

  反面、手続き上は問題がないという見解もある梨花(イファ)女子大学国際大学院の崔炳鎰(チェ・ビョンイル)教授は「これまで韓国政府をホワイト国に指定して提供した恩恵(輸出手続きの簡素化)を今後提供しないという意味なので、韓国を差別待遇するのではなく、手続き上問題はない」と説明した。ホワイト国から除外されれば輸出制限品目を輸入するたびに日本政府の許可と審査を受けなければならない。 

  このような脈絡でWTOに提訴しても勝訴は難しいこともあるという見解もある。KLパートナースの金範洙(キム・ボムス)弁護士は「これまで(韓国に)恩恵を与え、今回から規制することを違反というには無理があると考える」と話した。 

  提訴の実効性に対する疑問もある。WTO提訴まで進むことになれば、訴訟手続きにかかる時間や2審まで続く過程までに韓国企業の損失が莫大にならざるをえないからだ。金興鍾氏は「3カ月ほど過ぎると、韓国内の半導体メーカーの部品調達が難しくなるため懐疑的」と明らかにした。 

  結局、問題を解決する道は絡み合った両国外交を改善していくところから始まるというのが専門家の一貫した言葉だ。崇実(スンシル)大学の温基云(オン・ギウン)教授は「今回の禁輸措置は両国間の外交的摩擦によって、産業や経済的側面で日本が韓国に対して具体的に報復する最初の段階」とし「これまで韓国政府が限度を越えすぎていた以上、政府が積極的にこの問題を解決しなければならない」と強調した。成均館(ソンギュングァン)大学の朴明燮(パク・ミョンソプ)教授は「政務的に解決するべきで、WTOに提訴すれば日本がもっと強く出てくる可能性もあり、関連規制を継続するかもしれない点も考慮しなければならない」として慎重なアプローチを注文した。


朝日新聞などは「規制強化」と言ってますが、あくまでも「優遇制度(優遇措置)除外」であり、特別待遇から普通の待遇にするだけなので、国際機関から「韓国をなぜ優遇しないんだ」など言われる筋合いはないですよね。