(東亜日報 2019/06/06)

5cf85b6f2029d273823e_R

「しわくちゃの太極旗」(写真)で対応に追われた外交部が太極旗のシワを伸ばせるよう儀式会場にはスチーム・アイロンを備え付け、汚れた太極旗を差し替えることができない場合はいっそのこと太極旗なしで儀礼を行うという内部のマニュアルを作成した。6月末の主要20カ国(G20)首脳会談や米トランプ大統領の訪韓を控えて、儀典儀式に失敗のないよう万全を尽くしたものだ。

外交部は先月の24日、外交部職員たちに「外交儀礼における太極旗制作、掲揚、管理マニュアル」を配布したことが5日、確認された。4月4日、韓国とスペインの戦略対話が行われた会場にしわくちゃになった太極旗を飾り、物議を醸し出してから50日ぶりのこと。

新しいマニュアルによると「儀礼に先立ち、十分な時間(少なくとも1時間前)をおいて(太極旗を)確認し、恒常的に予備の国旗を準備」するようにし、「(太極旗が汚れた場合)代替案がない場合は汚れた国旗を飾らず思い切って掲揚しないことも検討」すべきという内容が盛り込まれた。

また、マニュアルによると太極旗のシワがひどい場合はアイロンをかけるとし、会場にも万が一のことを考えてスチーム・アイロンを備えておく。政府当局者は「職員たちが緊急事態にも慌てることなく対応できるよう教育用のマニュアルを新しく作ったもの」と説明した。

28日と29日、日本大阪で開催されるG20首脳会談を控え、儀典担当者の緊張は一層高まっている。外交筋によると「最近、韓国の儀典儀式担当者が主催者側に『集合写真を撮影する際、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がカメラ写りのいい場所に立つよう気を配ってほしい』『大統領が言葉の壁で一人ぼっちにならないよう席次も配慮してほしい』とお願いした」と明らかにした。

文大統領が昨年10月、アジア欧州会合(ASEM)で首脳たちの記念撮影に参加できなかったこと、2017年G20首脳会談の集合写真では端っこに立たされ粗末な扱いが騒ぎになったことを意識したものと解釈される。


APEC首脳会議記念写真 日本はいつの間に後列の国になったか
(SAPIO2015年1月号/NEWSポストセブン 2014/12/04)

(略)安倍官邸や官邸に近いマスコミは、日中首脳会談が開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議を「安倍外交の成果」と喧伝した。しかし、彼らのアピールとは真逆の結果が、一枚の写真に収まっている。各国首脳の集合写真だ。

 中央にホスト国である中国の習近平国家主席、その脇をアメリカのオバマ大統領とロシアのプーチン大統領という二大国の首脳が固める。

 では、肝心の安倍首相の立ち位置はというと、なんと後段の左端から4番目。前列左端側の韓国・朴槿恵大統領に比べても、冷遇されているように思えて仕方がないのだが……。外務省出身で元駐レバノン特命全権大使の天木直人氏が指摘する。

「国際会議の集合写真の立ち位置はホスト国が決めますが、各国は世界に存在感を示すためにどうにか良い位置で映ろうとホスト国と事前調整する。もっと中心に、もっと前にしてくれと交渉するのが、外交なんです。

 今回、この集合写真によって、習近平はアメリカとロシアを最重要国とみなしていることを世界にアピールしたわけですが、一方で日本は露骨に低い位置に追いやられた。前列には、代わりに中南米の途上国やASEAN諸国といった中国が重視する国々の指導者が並べられた。安倍外交の成果が、内弁慶に過ぎなかったことが世界的に証明されてしまったわけです」(略)
(日本経済新聞 2016/05/26)

サミットの恒例行事の1つが首脳が整列する集合写真だ。トップ同士の打ち解けた関係を国内外にアピールする機会となる。

各国首脳が立ち位置を競い合うのかと思いきや、実はシンプルなルールがある。議長国の首脳が真ん中に立ち、両脇から国際儀礼(プロトコル)の序列、就任時期に沿って固めていく。「順番は議長国がその都度決めるが、大体この原則に従う」(外務省)。日本の首相が端に行くケースが多いのは首相が短期間で変わるツケとも言える。

今回は国家元首であるオバマ米大統領とオランド仏大統領が安倍首相の脇を固める。オバマ氏の方が就任が早いため、右に立つ。他は同じ首相の地位で就任時期に応じて並ぶ。

異例の対応をしたのは中曽根康弘元首相だ。1983年の米国のウィリアムズバーグサミットでは、首相として先輩のサッチャー英首相と議長のレーガン米大統領(当時)の間に割って入り、話題を誘った。


「冷遇された」と反日を煽って周りと馴染めないムン大統領を“被害者”扱いする記事が出そうですね。