(朝鮮日報 2019/04/16)

 学生団体「全国大学生代表者協議会(全大協)」が全国各地で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与党を風刺した壁新聞を掲示した件に関して内査中の警察では、侮辱罪や名誉棄損罪の適用を念頭に置いていることが15日、確認された。これは、壁新聞により文大統領の名誉が棄損されたと見ているということだ。

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 全国17の地方警察庁のうち15の地方警察庁で壁新聞の通報があったことから、関連内査が行われている。警察関係者は「各地方警察庁で事実関係を把握すれば、ソウル警察庁知能犯罪捜査隊がこれを取りまとめ、正式捜査に切り替えるかどうか判断する予定だ」と語った。

 全大協はエイプリルフールだった今月1日、全国450カ所に「南朝鮮の学生に送る手紙」という見出しの壁新聞を掲示した。北朝鮮の宣伝・扇動手法をまねて文大統領と与党を風刺したものだ。警察によると、ソウルでは大学・国会・大法院(最高裁判所)など13カ所に28枚掲示されたとのことだ。

 警察は、北朝鮮の宣伝・扇動手法や表現が使われているものの、国家保安法の適用は難しいと見ている。警察関係者は「壁新聞は表現の自由という観点で見なければならない面もあるが、侮辱罪や名誉棄損罪になる可能性も排除していない」と語った。全国の警察庁が一斉に内査することについては、「時間が経てば証拠の確保すら難しくなる可能性があるため、事実関係を確認しておこうという趣旨だ」と説明した。

 しかし、無理な法適用だとの指摘もある。関連法に精通しているある判事は「侮辱罪には罵倒(ばとう)語や卑語がなければならないが、壁新聞には『太陽王 文在寅』『雇用王 文在寅』といった反語的な表現しかなく、罵倒語・卑語に該当する部分を見つけるのは難しい。名誉棄損罪も風刺やパロディーに対しては成立しないケースが多い」と話す。このため、「警察は与党の顔色を見て無理な内査をしている」との批判も出ている。

 保守団体「行動する自由市民」は同日、ソウル市西大門区のソウル西大門警察署庁舎前で記者会見を開き、「表現の自由を抑圧し、政治的批判を封鎖するための違法な公権力の行使だ」と捜査中止を要求した。


(朝鮮日報 2019/04/16)

 文大統領や政府の政策を批判するポスターを掲示した大学生団体に対し、警察が捜査を行っているという。ポスターが発見された地域では多くの警察官が動員され、学生の自宅などに令状なしに無断で入り込み、監視カメラや納税記録を調べるなど個人情報を確保しているようだ。ある警察官は大学生に電話をかけ「あなたの自宅を知っている」「今すぐ逮捕しに行ける」などと脅したかと思えば、「ポスターを貼ったら国家保安法違反だ」などとまで言ったという。警察によるこのような行動はそれだけで犯罪行為だ。これがいわゆる民主化運動を行ったという政権が自らの行動で示す「民主主義」あるいは「人権」なのか

 問題のポスターはエープリルフール当日の今月1日、大学や国会、大法院(最高裁に相当)などに貼られていた。「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の手紙」をまねする形で「所得主導成長」「脱原発」「大気汚染問題」「対北朝鮮政策」など、今の政府が進める間違った政策を風刺したものだった。

例えば「平和、環境に優しい、人権、市民など、美しい言葉を使いつつ、その一方では相手を無条件で野蛮、積弊、親日にレッテル貼りせよ」と書いてあった。今の政権のやり方を皮肉ったものだ。

「南朝鮮国軍は無力化し、メディアは完全に掌握されたので、積弊勢力を守る最後のとりでである三権分立の崩壊も間近だ」という内容もあった。誇張はされているが、この国の今の現状を正確に指摘した部分もあるだろう。

 捜査は犯罪行為に対して行うべきものだ。警察は当初「国家保安法違反」としていたが、これが風刺と分かると、今度は大統領に対する名誉毀損(きそん)や侮辱罪の適用を検討しているという。政府の政策に対する批判がなぜ名誉毀損や侮辱になるのか。警察は「屋外広告の違法設置」との見方も示したという。どんな口実を使ってでも処罰するということだ現政権では「事実」を口にした場合でも、それが政権の気に入らなければ処罰を受けてしまうのだ

 現政権による大統領選挙での世論捏造(ねつぞう)事件が発覚した際、警察は重要参考人の携帯電話さえ押収しなかった。事実上の政権擁護あるいは弁護をしながら証拠隠滅を助けたのだ。全国民主労働組合総連盟(民労総)が官公署を22回も無断で占拠したときも、警察は傍観し、現場で容疑者が連行されたのはたった4回しかなかったという。民労総が市民を血だらけになるまで暴行し、しかもそれが警察署で行われたときでさえ警察は何もしなかった。民労総は警察の取り調べを受けて出てくると、その警察署で記念写真を撮影した。ところが大学生が政権を批判すると警察はそれを力ずくで押さえ込み、民間人に対しては査察や無断家宅侵入を行っては「逮捕する」と平気で口にする。理解できないのは、彼らは何かあると口ではすぐ「民主化運動をやってきた」と自慢ばかりすることだ。


全国の大学で政権批判の貼り紙発見 正恩氏からの書簡と主張=韓国
(聯合ニュース 2019/04/01)

 韓国各地の大学で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)からの書簡と主張する、韓国政府を批判する貼り紙が掲示され、警察が捜査を開始した。仁川・桂陽警察署などが1日、明らかにした。

 桂陽警察署によると、3月31日午前6時ごろ、仁川市内にある敬仁女子大の正門に政府を批判する内容の貼り紙が掲示されているのを大学の警備員が発見して警察に通報した。

 貼り紙は横59センチ、縦83.5センチの大きさの紙2枚で、「南朝鮮の学生たちに送る書信」、「南朝鮮体制を転覆させよう」などと書かれている

 金委員長からの書簡という形で作成された貼り紙には現政権の所得主導の成長政策、脱原子力発電所、対北朝鮮政策などを批判する内容が記されている。

 文末には「全大協」と名乗る団体が今月6日にソウルのマロニエ公園前で開くろうそく集会に参加するよう呼びかける内容が収められた。

 全大協は1987年結成され、すでに解散した全国大学生代表者協議会の略称だが、両団体は無関係であるとされる

 警察は貼り紙を回収するとともに、周辺の監視カメラの映像を分析し、貼り紙を掲示した人物を探している。

 同じ貼り紙は全国の大学で発見されている。警察庁は全国各地から、大学に貼り紙が掲示されているとの通報が相次いだことを受け、ソウル地方警察庁知能犯罪捜査隊を中心とする捜査に着手した。

 同貼り紙はこれまで、ソウル、釜山、大邱、仁川、京畿道、江原道、忠清南道、全羅南道、慶尚北道など23の大学で合計28枚、高校で1枚発見されたという。