(朝日新聞 2019/03/17)

 ハノイで行われた2月末の米朝首脳会談をめぐり、北朝鮮が実務協議の段階から廃棄すると伝えた寧辺(ヨンビョン)の核施設について、具体的な施設名や位置を示さなかったと、米朝関係筋が明らかにした。米側が指摘する秘密のウラン濃縮施設の存在も認めなかったといい、首脳会談が物別れに終わる原因の一つになったという。

 韓国政府などによれば、平安北道寧辺郡の十数キロ四方の範囲には、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)に申告した5メガワット原子炉や使用済み核燃料棒再処理施設、2010年に米専門家に公開したウラン濃縮施設など十数カ所の核関連施設があるという。

 だが、米韓両政府は寧辺郡にはこれ以外にも、北朝鮮が公開した濃縮施設から数キロ離れた西位里(ソウィリ)や分江(ブンガン)に非公開の地下ウラン濃縮施設を複数保有していると分析している。公開した濃縮施設で「平和利用」の名目で低濃縮作業を行った後、非公開施設で兵器用の高濃縮ウランを製造しているとみられる。

 関係筋によれば、北朝鮮は平壌とハノイでの実務協議で、繰り返し「寧辺の核施設を廃棄する」と提案し、米側が具体的な施設名や位置を明示するよう求めたが、「全て廃棄する」と伝えただけだった。北朝鮮は交渉に原子力や軍事、国際法の関係者を同席させることもなかったという。

 李容浩(リヨンホ)外相は2月28日の米朝首脳会談後に行われた記者会見で、廃棄する対象について「寧辺地区のプルトニウムとウランを含めた全ての核物質生産施設」と説明したが、具体的な施設名には触れなかった。

 韓国政府関係者は北朝鮮の狙いについて「寧辺核施設の定義をあいまいにして、米国から多くの見返りを得ようとしたのではないか」と語った。

 また、米朝実務協議で米側は、寧辺郡の核関連施設以外で、平壌近郊にある「カンソン」と呼ばれる非公開のウラン濃縮施設の廃棄も求めたが、北朝鮮は存在を否定した。(ソウル=牧野愛博)


北朝鮮が実際に核兵器を所持しているのなら、核兵器を作るための機器は作れなくても、機器さえあれば作れるノウハウは得ているということですから、全ての施設を破壊しただけでは不十分なのに、北朝鮮が「これくらいは仕方がない」と考える程度の施設破棄で制裁解除するなら、核兵器所有を認めるようなものですね。

経済的にせよ軍事的にせよ革命にせよ、『核兵器保有=体制崩壊』と痛感するような状況にならないとね。