(朝日新聞 2019/02/16)

 北朝鮮が、故金日成(キムイルソン)国家主席と故金正日(キムジョンイル)総書記の遺体が安置されている錦繡山(クムスサン)太陽宮殿の維持に苦しんでいる模様だ。複数の北朝鮮関係筋によれば、建物の管理のほか、永久保存した遺体の維持に多額の費用がかかるが、国際社会の制裁による外貨不足が影響しているという。

 同筋によれば、北朝鮮は2017年、「金日成金正日基金」を設置。朝鮮労働党幹部の金己男(キムギナム)氏が理事長を務める基金理事会が、日本や中国に住む同胞に「人類発展への貢献」などの名目で寄付を集めている。100ドル、1千人民元、1万円以上の寄付をすると、理事会の名で「寄付証書」が贈られるという。同筋の1人は「実際は宮殿の維持が最大の目的」と語る。

 1年から1年半ごとに金主席と金総書記の遺体を防腐剤入りの液体につけるなどの手入れが必要。大理石などを多用した建物の維持費も高額になるという。

 平壌にある同宮殿は金主席の執務場所だったが、金主席の死後に遺体を安置する記念宮殿に改装。金総書記が死去した1年後には、2人の遺体を安置する太陽宮殿として再改装された。

 16日の朝鮮中央通信によれば、金正恩(キムジョンウン)党委員長は金正日総書記の生誕記念日に合わせ、錦繡山太陽宮殿を訪問。同宮殿は正恩氏の世襲の正統性をアピールする舞台の一つになっている。(ソウル=牧野愛博)